パラリンピックからの伝言

Title : アスリート

 

 

平昌パラリンピックは終わった。ボク個人、これまで同様に選手達から勇気など貰えなかった。

彼ら彼女達が日々体験する壮絶な闘い。挫折と束の間の安堵。その自問自答の日々など、ボクの想像力で理解出来ようはずもない。

自分の泣き言に背を向ける自分。自身の中にうずくまる敗者の叫びに耳をふさぎ、底なしの絶望に取り込まれまいとする孤独な闘い。

襲い来る闇とその恐怖と揉み合いながら、いつしか冷静に目を馴らし障害物に首輪をつけ、束の間おとなしくさせる術 (すべ)を身に付け、涙の跡を人にさとられることもなく、ようやく辿り着いたその場所。

 

歓声の無い震撼としたスタート地点に立つその人を見る。ボクに何が分かると言うのか。通り一遍の薄っぺらな想像を捨て彼ら彼女の成果の行方に身を乗り出すだけ。

 

勇気をもらえる領域に等、ボクは全く達していない。ただひとつ、あの人達に貰えた気がした言葉なら、あった。それは勇気などという次元のものではない。唇噛みしめ思い出しただけだ。

 

まだやれるんじゃないか。