ピエロ恐怖症 / 強迫観念の正体

Title : 悪運ピエロ捕獲ボット

 

 

「確かに “ ピエロ恐怖症 ” ってよく聞くようになったな。ピエロが恐いって言うヤツの気持ちも分かるよ。漠然とだけど、オレだってピエロが恐い感じする時あるし…。まあ、日本より海外の方がピエロって身近な存在なんだろうから、恐怖症まで出来上がっちゃうのも分かる様な気がする」

「まあね。ピエロ恐怖症の話になると、大体引き合いに出されるのが映画IT(イット / スティーブンキング原作)に出てくるオッカナイ何とかってピエロだよね。恐ッそろしいキバ剥き出しでね、いかにも悪魔の化身だって分かり易いもんねー」

「ピエロは宮廷のお抱えだったんだってな、中世ヨーロパの。皆知ってる話だけど、ひとつ謎があるとオレは睨んでるんだ」

「ナゾ?。ピエロの涙マーク化粧のこと言ってる?。アレは…」

「そんなメルヘンチックな話じゃないよ。お前、変だと思ったことないのか?。中世の道化師、つまりピエロはだよ、サーカスのクラウンでも同じ様なもんなんだが、何で白塗り化粧をしなければならないのかってことだよ。誰ァれもそのことについて疑問を感じないのはナゼなんだ?。白塗り化粧なんてそもそも道化に必要ないんだよ。全く」

「でもパントマイマーだって顔を白塗りにしてるじゃないの」

「道化師の流れでな。だけど、よく考えて見ろ。人を笑わせるのに白塗りなんて必要じゃないぞ。素顔のままで大丈夫なはずだ。日本の漫才師、コメディアンだって必要としてないしな。そうだろ?」

「素顔だと面白い顔じゃない奴は人を笑わせにくいからじゃない?」

「確かにそうだな。だったら化粧じゃなくて仮面を付ければいいだけの話だよ。イタリアみたいに歴史的マスカレード華やかなりし、でいいよ。自分でヘタクソなベタ塗りメイクするより手間が省けるし、人を笑わせる百面相を仮面で作ればいいだけの話。熟練した職人がな」

「日本の能面みたいにってことぉ~?。それも有りだとは思うけど、歌舞伎は化粧だよねッ?。化粧で人格を表現してるよね?」

「そーだな。はっきり言って歌舞伎恐怖症ってないんだよ。オレが言いたいのはソコなんだな。能面恐怖症ってないんだぜ」

「ないけどスッゴク恐いお面あるよ、能面の翁(おきな)とか。日頃ほとんど目にすることないから、恐いってこと、あんまり話題にならないだけって気がする」

「分かるよ、その通り。でもピエロは歌舞伎と違い、化粧で人格を演じ分けたりしないんだよ。ただただ滑稽でひょうきんなメイクってだけだ、どのピエロもな。それなら仮面の方がもっともっと人を笑わせるのに効果があると思うゾ」

「ちょっと待ってよ。何が言いたいんだか分かんないよ」

「人々を笑わせるフリして、実はだ。本当の目的は人を怖がらせるためのメイクだったんだ、ピエロって奴らはな。宮廷もグルだったかもしれないな。走り回って、すっ転んで、汗ビッショリかいて、メイク崩れまくりだ。アイラインは黒い涙筋、真っ赤な口紅は顔中こすれて血まみれ、髪もザンバラ。これで子供が本当に笑い転げると思うか」

「うーん……。そう言われれば……」

「むしろ不気味で恐ろしいんだよ。だからピエロのお面被った銀行強盗は恐ろしいんだよ。ハリウッド映画でよく見るだろ?」

「ああ、そうだね。ピエロの化粧の恐ろしさが、今度はピエロの仮面で倍加されちゃってるのかあ…」

「そう。ゾンビ恐怖症なんて存在しないんだよ。だってゾンビ自体、最初っから恐ろしい存在なんだから。ゾンビは誰だって恐ろしい。だからイチイチ恐怖症なんて付ける必要ないんだよ」

「なるほどお。楽しくて愉快なお友達なのに正体は怪物、って妄想抱かせる要素があるからピエロ恐怖症になるってことかあ…」

「その通り」

2人は席を立ち、議員宿舎から国会審議へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

激辛カレーで汗だく!/ 化粧台無し!

 

 

 

「神戸多礼(こうべだれ。経理課2部OL。独身)さん、良かったら今度、激辛カレーの店行かない?」

「今うちの部署で話題になってる高速ラジャ(激辛カレー専門店)のこと?」

「そうだよ。何か信濃多良(しなのだら。営業1部OL。独身)さんに聞いたんだけど、結構辛いのイケるって話じゃない?。ボクもそうだからさ、どうかなって」

「彼女、ホントにイケる口なんて言い回し使ったんですか」

「あ、いや違う。ボクの受け止め方。彼女は、どっちかっていうと好きだと思うって言っただけ。ゴメン。気分害しちゃった?」

「私の顔にそう書いてあるって顔してますね、何だか。心見透かすヒトって恐いな。私のこと、辛口なヒトって吹聴しないで下さいね(笑)」

「あはは。しないしない、面白いヒトなんだなあ神戸多礼さんて。で、どうかな。食べに行ってみる?。5段階火炎放射カレー、チャレンジしちゃう?」

「それより明日のお昼、食堂でおウドン頼んで、それに七味の瓶丸ごと1本かけて食べてみません?。挑戦するんだったら私、持ってきますけど」

「ええっ。どういうこと(笑)。ちょっと意味分からないんだけど(笑)」

「意味分からないって…。火炎放射くらい辛いのが食べたいんだったら、わざわざ高いお店に行かなくても食堂でいいですよ。ウチにちょうど頂き物の本格七味があるんです。使い道ないんで、よろしかったら浜中旗振(はまなかはぶ。経理部係長。独身)さん試食して下さいな」

「うんっ?。…それってボク1人が食べるってこと?。神戸多礼さんは?」

「食べませんよおお…(少憤怒笑)。それが食べられる人って握り寿司のシャリの上に5センチくらいの厚さでワサビ乗っけて食べられるヒトってことじゃないですか。ワタシそんなの食べたら鼻血止まらないと思いますよ」

「よく分からない話になってるような気がする(笑)。ウドンじゃなくてカレーを食べに行く話だったよね(笑)」

「食堂、カレーうどんもやってますよ」

「でもカレーもやってるよね(少憤慨笑)。ウドンにかける訳は?、あははは」

「普通、七味っておウドンにかけません?。カレーの方ですか」

「なんか…。普通にカレーの店に行こうって話だったんだけど、ははっ」

「カレーだけに強い辛さを押し付けるの変ですよ。激辛カレーもいいですけど私達は世界に誇れる日本食があるんですから、おウドンや握りで激辛を試さないのは片手落ちなんじゃないかって。それが出来て初めて、フツーにカレーを食べに行けるんですよ、きっと。…思いません?。激辛日本食を無視がフツーなわけないって」

「ワサビもスパイスなんだっけ…」

「さあ。私に言えるのは、ワサビに甘口、中辛、激辛なんてないってこと。でも量でそれを調節できるような気がします。カレーはどうなんですか。量で調整しているのか、香辛料の種類が増えるのか…。七味は七種類ですけど」

半年後、浜中旗振は大きく舵を切り方向転換、甘えん坊の信濃多良と電撃結婚した。

 

◆写真タイトル / 私のこと、どの程度好き?

 

 

You’ve got a Friend / 君の友だちだよ / キャロル・キング

 

 

Ain’t it good to know that you’ve got a friend

when people can be so cold

They’ll hurt you and desert you

and take your soul if you let them

oh, but don’t you let them

 

◇ You’ve got a Friend 〈song by , Carole King〉

 

 

友達がいるっていいだろ

人は時として冷やかになるもんだ

お前を傷つけるし 突き放す

黙ってりゃ魂まで持ってかれちまうぜ

そんなことさせるんじゃない

 

そこに居るだろ 友達が

お前の友達がさ

 

◆ きみの友達〈キャロル・キング、歌〉

IF / BREAD / もしも / ブレッド

 

 

If the world should stop revolving

spining slowly down to die

I’d spend the end with you

and when the world was through

then one by one the stars would all go out

then you and Iwould simply fly away

 

もしも地球が自転を止めてしまって

人々がゆっくり死を迎えようとするなら

最後は一緒に過ごしたいよ

段々 それが近づいてくるにつれ

1人、また1人と夜空の星になってゆく

ボク達も軽やかに飛び立とう

ふたりで

 

I wanna be free / The Monkees / 自由になりたい / ザ・モンキーズ

I wanna be free

like the warm september wind, babe

say you’ll always be my friend, babe

we can make it to the end, babe

again, babe,  I’ve gotta say

I wanna be free

 

I wanna be free〈song by , The Monkees〉

 

 

自由になりたいんだ

温かな九月の風みたいにね

いつだって友達だよって 言って

それで終わりに出来るから

友達として始められるから

自由になりたいって それだけを言いたかったんだよ

Waiting on the world change / John Mayer / 世界が変わるのを待ってんだよ / ジョン・メイヤー

Title : Stubborn waiting room〈頑固な待合室〉

 

 

And we’re still waiting

Waiting on the world to change

we keep on waiting   waiting on the world change

One day our generation is gonna rule the population

So we keep on wating    wating on the world change

 

 

で、オレ達は まァだ 世界が変わるのを待ち続けてるってわけ

待ち続けまくりヨ

ある日、オレ達世代のルールが一般的になってるってわけヨ

だからしてだな、世界が変わんのを

ジッと待ち続けるってわけなんだ

 

 

★ 何かを真剣に待ち続けるという行為は、著しい忍耐疲労を精神と肉体にもたらす。ボンヤリ待つ分には問題は生じない。自分が今、両者のどちらの状態にあるかの判断はたやすい。真剣待ちなら既に待つことをやめ、新たに何かを始めているからだ。若者ならすぐに気づく。待つ体力をもっと効率的な何かに転化出来ないだろうかと。

Stand by me / Ben E King / そばにいてくれよ / ベン・E・キング

Title : Burgar Stand

 

 

Stand by me, oh stand by me

oh stand now, stand by me, stand by me

Wherever you’re in trouble won’t you

stand by me  oh won’t you stand now,

stand by me

 

 

オレの傍に立っててくれ

今だよ、立っててくれ

お前が もめごと抱えてんなら 尚更だ

オレの傍に立っててくれよ

 

 

★ STANDと限定しているからには何らかのアクションが想定されていると考えるべき。精神的な支えを求めている場合は、相手が傍らに座ることを欲する。STANDにはディフェンスの要素がある。どんな風貌に見えようとも心の支えを必要としない人間はいない。いかなる権力者も独りでは何も出来ない。出来たとしてもその成功は空しいだけのものだ。

チィーちゃんと子犬 / 子供なんて泣くだけ

 

 

 

5歳のチィーは、小さすぎて、男の子なのに女の子のようにみえます。

パパもママも、そんなことには無頓着。

チィーはまだ人間の形が出来たばかり。人間のいろはを始めたばかり。

チィーは泣き虫。ほんとに頼りにならない子。

パパもママも、そんなこと、当たり前だとニコニコ余裕。

 

うちの目と鼻の先、チィーは子犬を見た。

門のすぐ先、犬小屋につながれてた。

犬小屋の前で突っ伏していた。

暑くて死にそうな、真夏のカンカン照り。

近寄るチィー。動かない子犬。チィーにも気づかない。

チィーは硬くなったゴハン粒が 一個だけついたエサ入れを持ち上げた。

熱いッ!

カランカランカラン!

落ちた金物皿が、大きな音を立ててシンバル。

子犬が、わずかに動いた。

水がない。食べ物もない。

「おうちに入りなよ。ここ熱いからね。ね?」

チィーは歩み出て、犬小屋の中の床をポンポンと叩いた。

熱いッ!

お外以上に熱かった。

 

チィーは子犬の首輪のクサリを外し始めた。

「今はずしてあげるからね」

硬い留め金。

開かない。開かない。開かない。

だめだ、どして開かないの。

子犬はぐったり

クサリの熱で、チィーの指先もヤケドしそう

開かない開かない開かないよ

 

カチャッ

 

開いた!

「好きなとこ行って。ほら」

グッタリ動かない子犬。

さすってあげても、撫でてあげても

悲しそうな眼をした子犬

動かないの?

どうしたの?

苦しいの?

 

 

チィーはポロポロポロ涙をこぼしながら、子犬を抱き上げようとした。

力のなさで、子犬がズリ落ちそうになる。

何度も何度も繰り返す

「待ってね、今連れてってあげ…

「何やってんだ人の家でッ!!」

 

 

玄関先で母親が怒鳴りつけられている。母親はあやまり続けた。

 

やがて部屋で蒼ざめているチィーのところにママが来た。

 

「チィーちゃん。よそんちの子犬をどうして盗もうとしたの?」

チィーはママの声で、自分がいけないことをしてしまった、

大変なことをしてしまったと気づき、泣き始めた。

「泣いてちゃママ分かんないでしょう」

 

 

夜。チィーの寝顔を見下ろし、パパはママの待つリビングへ。

「今度オレが教えるよ、やっちゃいけないことを。キチンと」

 

 

◆写真タイトル / 摘まれぬ花

 

 

 

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