青春とは何だ / この胸に巡りくるもの / 誇りと言う名の死語

Title : 青春の骨組みステイション

 

 

かつてTVブラウン管画面のその中に “ 青春ドラマ ” なる熱いジャンルが右旋回、左旋回、蝶のように舞い蜂の様に思春期ハートをチクチク刺す時代があった。

確かにあった。

それは後に日本列島を狂喜のバカ騒ぎに躍らせるバブル期、嘲笑される格好のマトともなった。

 

 

“ これが青春だ ”(日本テレビ系列、1966~1967放送)。竜雷太主演。布施明歌う同名主題歌(作詞 / 岩谷時子、作曲 / いずみたく)の一節、

 

誇りひとつを 胸にかかげて   怖れ知らない これが若さだ

 

これが青春だ!と真っ向から言われると「そうか!分かったあ!」とオウム返しのこの説得力!。

 

現千葉県知事である森田健作氏が主演し一世を風靡した “ おれは男だ!”。その主題歌 “ さらば涙と言おう ”(作詞 / 阿久悠、作曲 / 鈴木邦彦) 歌詞中の一節、

 

青春の勲章はくじけない心だと 知った今日であるなら さらば涙と言おう

 

さらば涙と言おう、と真っ向から言われると「そうか!分かったあ!」とオウム返しのこの説得力!。

青春の誇り、青春の勲章。ドラマのタイトル自体にも “ 俺たちの勲章 ” (日本テレビ系、1975年、松田優作、中村雅俊主演)と冠を配すものもあった。

 

その時代その時代で価値観は大きく変容する。変わった価値観の良し悪しは誰のジャッジに委ねるのかは別として、

日本の1960~1970年代、確かに若者の心の尺度に “ 誇り ” と “ 勲章 ” は存在した。

それをお笑いで物笑いのネタにする者も居なかった。

誇りと勲章は同義語と見なすことが可能で、これを自身のプライドと呼ぶ。

 

自尊心。自分を尊ぶ。尊敬する。

尊敬出来れば勲章に値し、誇ることが出来る。

心の勲章は人には見せられないので自分だけが知る知らないの世界。これを健全な自意識と呼ぶ。

 

海外ドラマを見ていると、年齢性別に関係なく友人や恋人、配偶者に対して、 「アナタを誇りに思う」という言葉をよく耳にする。日本はどうだろうか。

 

青春に恥じないように ” は希代の歌姫である南沙織が歌った楽曲。作詞は荒井由実(ユーミン)、作曲は川口真。1976年作。

 

その日から涙が止まらなくてもいい

私に勇気を与えて 青春に恥じないように

 

色々なボランティアの人達の姿を見ていると、青春は何度も何度も巡りくることが出来るものなのだと痛感せずにはおれない。

青は海、春は花開く桜。どちらも寄せては返すを繰り返す。何度も何度も何度も…。

 

今この時、人々は胸に何を飾るだろう。