絶食ダイエット(16) / 浪人生の絶食ダイエット / 身体免疫力の低下

Title : ド派手に噴火ッ!

 

 

 

絶食ダイエット11日目。

自分が既に10日も食べ物を口にしていないという事実。

これって凄いことなんだろうか。大したことないんだろうか。

サッパシ分からなくはあるものの、何故だか起床と同時に浮かぶ顔。中学2年間、憧れ続けた高嶺のキミ。小麦色に日焼けした美しい顔、やや片目に被るサイドへ流れゆく前髪。それをアンニュイにカキ上げる仕草に、悲恋な我が身とっぷり哀れみ唇噛んだことも…。

高校進学で別々の学舎、ホントに手の届かぬキミへとなりぬ。んでもって、高校3年時に風の噂。彼女が高校のミスコン女王になったってさ。へええええ。そうかあああああ…。

こないだマブダチらとお茶した時、その彼女が髪を茶髪アフロにしたって情報。

「嘘コケ」

「コケェ、コッコウ。全力マジ。極マジ」

「何でだよう~」

「何か悪い連中と付き合ってるみたいな。噂だけどな」

 

人は変わる。チョットと変わる。劇的に変わる。外見的に変わる。内面的に変わる。

色々あるけど、今のボクは外見が変わるってヤツ。その試練中。

劇的に変わるはずだったのにチョビッとだもんなあ。少ぉぉし涙ぐましい気分だよ。トースト色に日焼けした彼女の顔に茶髪アフロ…。似合うのかなあ。想像つかないなああああ。

今日は朝からやたらと劇的に喉が渇く。冷えた麦茶をガブ飲みしても一向に渇きが癒えない。

ジレて外出、近所のコンビニでスポーツドリンク1リットルを購入、ガブ飲み。

2時間後、突然、♪ 吹けよ風、呼べよ嵐 (ピンクフロイド) の不穏なイントロダクションが始まり出し、10秒後、得体の知れぬ壮絶な下痢ウェーブの脳内アナウンス!!。

転がる様にトイレに爆走したい気分で、ゆっくり、のろおり、のろおりとトイレへ。慎重にスローモーにやらないと一色即発。そうなることは火を見るより明らかなのだ。

その夜は正に地獄のヘル・ナイト。

どう考えても尋常ではない下痢状態。

いくら水分摂取過多だったとはいえ、水アタリ、だとか腹冷え、といったレベルではないのだ!と両親に訴える。

何度もトイレと自室を往復、過酷な下痢ぴょんキャラバン続けるボクに、救援の医者が夜9時あたりに到着。

ボクは “ 大腸カタル ” である、と!。

風邪のウィルスが腸に入って発熱したんだと!。

確かに全身が燃え上がる様に熱い!。体温計は41度を掲示。

ひぇぇぇぇ~ッ!!。

「病状が安定するまで食事は摂らない方がいいでしょう」と医者がボクの枕元、両親に告げる。

神妙に頷く2人。カタルに落ちた、とは正にこの事だ!。

両親はボクの絶食を医師には伝えず彼を帰した。

この病気とボクの絶食は因果関係が有るや無しや!。

ボクも尋ねなかったのだから両親のことを言えた義理ではないのだが。何となく言いそびれてしまったのは、やはり罪悪感が有るってことなのかもしれない。薬を飲み、やっと下痢は小康状態。少しホッとする。

んんんんん~ッ!!。待て待て待て!!。これだけの下痢だ!。もしやして劇的に体重が減っていやしないだろうか?!、とフラつきながら、ヘッピリ腰で体重計!!。

61キログラム。

きっかり1キログラム減。

「このロクでもない1日1減は一体何なんだ!!」と爆発激高した途端、ア……。

またもッ。そろおり、そろおりと…参ろうか…。