元旦先送りアプリ、コンタンが製造中止に / SMSで広がる不安の声

Title : コンタン

 

 

現在、落胆市場サイトで大人気商品『元旦先送りアプリ / コンタン』がユーザーの恐れていた通り大晦日午後9時に完全完売となってしまった。

何らかの事情で元旦を迎えたくない人必須アイテムだったコンタンだが、更に衝撃的事実が元旦未明、メーカーの腰タンタンから発表されSMSを中心に列島全体がボディーブローに包まれている。

「コンタンを使用することで元旦を先送り、年が明けない幻想を相手に抱かせる魔法で支払い請求期限を延期出来たり、今年などは年号改元により平成生まれが新しい時代人ではなくなってしまうことを嫌った人々も加わって加熱気味の売上高。それは嬉しい事なんですが、アプリ製造工場の人手不足がアダとなり今後ユーザーの皆様にコンタンをお届けすることが困難になってしまいました」

なるほど、人手不足は深刻だ。更に詳しく伺ってみた。

「数年前より深刻な人手不足に陥ってはいましたが、シバの女王が産んだ子犬に豆を与えたところ大変気に入って豆しか食べなくなりました。そこで私達は子犬の名前を豆シバとしたのですが、犬の種類はパグ。パグなのに豆シバはおかしいだろうと抗議のメールがホームページに殺到、試しに抗議した人達に求人募集をかけてみたら、ほぼ8割の人が工場勤務を承諾、それで何とかコンニチまで乗り切ってこれたんですが…」

その人たちが皆辞めたと言う事か。

「ええ。改名した豆パグのホンコン風邪が従業員に感染し、総崩れ。全員が辞表を提出しました」

さきほど工場を覗いたら、まだ機械は可動してましたが?。

「あれは豆パグが1匹で何とかアプリを製造しようと頑張っているんです。無理な話なんですが、私達も直接本人には言いにくくて…」

 

余談になるが、私は社に戻る前に直接豆パグに製造は1匹では無理だと告げた。激怒した豆パグに左足首を噛まれたことが原因で、翌朝私の左足フクラハギが吊り、軽い肉離れ、今年も厳しい幸先となったことを明記しておきたい。

Shout / Tears for Fears / World cup Unofficial song

Title : It’s prohibited!〈それは禁止!〉

 

 

I’m talking to you Come on

 

★ 常日頃、言いたくてたまらず我慢し続けていた主張を、叫びと言う形で遂に吐き出した場合、ストレスの重圧からは相当解放される。

これに反し、わめき散らす癖が日常化している場合、逆にストレスの蓄積は相当なものとなる。

しかもこのストレスは解消手段が皆無だ。

World Cup Final / I was made for Lovin’ you ~ Kiss

Title : Tonight

 

 

Tonight I want to give it all to you

in the darkness

there’s so much I want to do

And tonight I want to lay it at you feet

 

 

★ 今夜は盛り上がろうぜ、と誰もが言う。盛り上がりたい気分になるのは圧倒的に夜。

何故か。

太陽が去り闇の世界になると灯りが頼り。ひとつひとつの灯りは暗闇の中で圧倒的な存在感を持つ。

人は無意識にそれに憧れ、自分もそうありたいと無意識に突き動かされるのだ。

生きている証(あかし)、意味、自分と言う人間の実感。それを自分に、他者に、見せたい、そうして認められたいのだ。

何故か。

その感覚が幸福感の正体だから。

 

ネコならエッセイ10 / パチンコ丸シロー / 人をいやさないネコ

Title : Japan カモノナカ配給 『実写版・パチンコ丸シロー』場面より

「いつになったら自由に温泉行けるのか」

 

 

顔を全面マッ暗、パピーが夜中の1時に帰宅。夕方6時に就寝し、今起きたばかりのオバアチャンと台所で遭遇。

「あれまぁ、ハルオ、どしたのぉ~そんなに落ち込んだ顔してぇ~」

「うん…会社でチョット…。こんな時は酒の力でも借りないと眠れそうもないよ。……おばあちゃん、冷蔵庫からビール出してくれる?」

「ノンアルコールの缶ビールでもいいよね?」

「アア…いいよ」

ヤケになっているだけあり、息つくヒマもなくノンアルの缶を次々に飲み干してゆくパピー乙女座の男35才、1児の父。

「何か…気持ち分かるような気がするねぇ~。アタシだって時々思うよ、失うものなんて何一つ持ってないんだからサ、このままポックリもいいのかね~、なぁんてサ…」

言い終えると同時、キッチンテェブルの下で日課の毛玉を吐き、それをお隣の女子大生キミちゃんから貰ったジュェリー・ケースにディスプレイしていた飼い猫のパチンコ丸シローが怒りの声を上げた。

「失うものが何一つないだと?したらば、いつもワタシの老眼鏡がないと大騒ぎしてるアレはどうなるバアチャン。アレは失ってしもうたのか。ア?、ア?」

「まだ置きちょったのかシロー。老眼鏡はなくしとらんよ(笑)」

「なら言い直さんといけんだろうが!。ワタシには失うものが何一つあります、だろうが!。日頃から嘘はいけんと、あれほど言ってるのは嘘か!。アア?!」

「そうか、そうか、分かった(笑)。…アタシには失うものなんて何ひとつあるんだから、このまま…」

「入れ歯は失くしたんか、バアチャン」

「え?。テーブルの下で物言うと、よく聞こえないよシロー、上がっといで」

しかし、シローは大きさ順に毛玉をジュエリーケース指輪入れに配置している最中であり、なおもテーブルの下からイラッとした大声。

「入れ歯も、ないとメシが食えんと半狂乱になっとるでないか!。したらば失ったらイカンのは老眼鏡と入れ歯で、さっきのは何二つと言い直さんと !!。早く言わんかッ!この二枚舌がッ!!」

「もう~仕方ないねぇ~(笑)。……アタシには何二つしか…、ええ?……ア、何ふたつ、でいいのか…。何二つ失うものがない。これでいいかなシロー」

「何だと、これでいいかなだと?、一体どこまでネコにいやされてりゃ気が済むんだって話か?!、吐いた毛玉がふさがらないとか何んとかいうんは、コーユーことだ、ふざけるのも体外にしやがれ!!」

激怒するパチンコ丸シローに、あたかも火に油を浴びせかける様にパピー、

「シロー。体外じゃなくて大概の間違いだよ。ネコだからって漢字を間違えていいわけじゃないなぁ~アッハハハハ」

「何だとキサマッ、オレはマンガの世界でフキダシで喋ってんのか?!、ア?、何でそんなこと気づくんだ、このいまいましいノンアル気分野郎がッ!!」

「シロー、パピーはお酒が入ってるんだから大目にみてやんなさいよ(笑)、オトナゲないねえ」

「何抜かしゃーがるッ!。大人毛たくさんあるのと違うかオレは!全身毛むくじゃらと違うとるんか、ア?。何なんだよこの家。こんなうちに飼われとるんかオレは、情けないッ!! (激しく舌打ち)」

 

2時間経過

 

「はよ言い直さんと、バアチャン」とプレミアム猫缶の在庫チェックしながらシロー。

「はいはい。ええと…、アタシには失うものは43228…しかないんだから」

「それ、幸せなことと違うんかバアチャン」と振り返りながらシロー。その両目には真珠のように光り輝く涙が…。それを見たパピー、

「何だこのネコ」

ネコならエッセイ8 / パチンコ丸シロー / 家庭内リンクとは

Title : 秋の日のキビキビとした右折

 

 

「マミー。さっきから黙りこくって何を読んどるのか、このいまいましいアンポンタンのキリタンポが」

昼食をポテチで済ませ、キッチンテーブルで昼下がりの読書にふける野武子に向かって、冷蔵庫左脇に置かれたヌカ漬けバケツ上に座した飼い猫パチンコ丸シローが眼を閉じたまま眠たげでありながらも鋭い口調で言葉を投げつけてきた。

「ええぇ?……恋愛小説よ」

「それは何なのか。…………………………読んでみんか、ちょっと」

「ええぇぇ~?。面倒臭いなァ~。ネコには関係ないでしょうが~」

「チッ(舌打ち)。飼い猫が読めと言ったらグダグダ言わずに読まんと!。そんな飼い主に育てた覚えはないのだから。早く早く早くッ」

 

◆以下、野武子が読み上げた小説内の会話

「一体、オレ達……いつからこんなに心が遠く離れちゃったんだろう…」

「アア!それは分かってるわよ、チョット待ってね日記出すから、アア、これこれ、ええとドコだっけな、ドコだっけー、アー!これこれ、ここに書いてあった!。ええとね、2018年9月3日!。この日からワタシ達の心が遠く離れ始めてんネ」

「………」

「何。何で黙ってんの」

「そんなこと、数字で分かるものだと本気で思ってんのか。心って簡単に割り切れるもんじゃないだろ」

「そーそー、2018+9+3で5だからキッチリ割り切れないネー、確かに確かに、アナタ計算早いのね、一瞬じゃん、スゴ!」

 

「とまぁ、こんな感じ。分かった?」とシローを振り返る野武子。

「日記というのはパピーがいつも読んでるオマエのノートのことなのか」

「えっ」

「タンスの裏側に隠してる赤い表紙のノートのこととは違うのか」

「えええええええ?!。何ソレ、何でアンタがそんなこと知ってんのよッ?!。パピーがそれ読んでるって、アンタ見たのッ?」

「何だとキサマ。そんなとこオレが偶然見るとか、本気で考えてんのか、この救いようのないヤラセ・ディレクター野郎がッ!。バアチャンに聞いたのだバアチャンに」

「じゃあ、オバアチャンも日記のこと知ってるってこと?!、やだ、どうしよう!」

「何を言うキサマッ。ピミー(野武子の息子)が最初、タンスの裏に転がったピーナツ取ろうとしてパピーがタンスずらして見つけただけのことだろうがタワケ!。ところで日記に目次付けてもらえんだろうかね、繰り返し読みの時、探しにくいけんね」

ネコならエッセイ7/ パチンコ丸シロー / キッチンの勝者は誰

Title : 名月メロンパン(メロンパン上はシローの先輩、オセロ乃介)

 

 

 

「人間の身体で、響くと言われるのはどこだろうか」とキッチン食器棚の上からキッチンテーブルで栗の皮をむくマミー、すなわち野武子に声がけする飼い猫パチンコ丸シロー。

 

「ええ~?。そ~ね~………。心に響く耳に響く……そんくらいかな~。口に響くの歯医者さんの器具だしな~。あ、違うか、歯に響くのか…。こないだ抜いた親知らず痛かったなァ~。…でも、何でそんなこと聞くの?」

「大家さん知らないって、こないだ挨拶してコビ売ってたじゃないんか嘘つくな嘘。…ッたく、救いようのない牛丼汁多めが……。ところで続きだが、鼻とかには響かんのだろうか」

「響くんだろ~けどね~。鼻の穴もカテゴリ的には洞窟と言えない?。洞窟の中って音は響くでしょ?」

「何だとキサマッ。鼻の穴の中にコウモリがいるとでもいうのかッ。……それはそうと、人間の身体で打つのはどこなんだろうか」

「そね。やっぱ、心を打つ、…う~ん…ギリで耳を打つもアリかな~……何でそんなこと聞くの」

「目とか鼻は打たんのか」

「まぁねぇ~。打つと痛いから(笑)…何で?」

「ほしたら、染みる(しみる)のはどの部分か」

「何ヨこの質問。……心に染みるだし~、目に染みるだしぃ~、これもギリで鼻に染みる……かなぁ~。あ、こないだ鼻血染みた」

刺さるんはどこか」

心に刺さる、……。う~ん、そんくらいじゃないの?。何で?」

「何でだとキサマ。そんぐらい察してみちゃどうだろうかね、とぼけ切ったシブカワぼけの犬専用裏切りトリマー主婦がッ!。どのツラ下げて何で?なんて聞けんだよアホくさいッ!。いい加減にしろよ!!」

「何言ってるの?。どうしたの?。便秘?。ねぇ。便秘?」

「はッ、恥ずかしい事を何度も言うんじゃないッ、このどうしようもない連呼野郎が、何考えてんだよクソッ!。分からんのか、

響く打つ染みる刺さる、全部に当てはまっとるのは人間のだけゆうこったろうがね?。鼻は無視か?、口はどげぇなっとるか、アア?。だとしたらば、飼い猫は心ばかりか、鼻、口にさえも徹底的に響き、染み、刺さり、ほんでもって打つのはプレミアム猫缶だけだと違うのか。ア?それを何だキサマ…」

野武子は栗の皮を包丁でむく手を止め、かつてシローが見たこともない慈愛に満ちた眼差しで棚の上のネコを見上げると、

「うううん、違わない。並の缶詰を食べるのよアンタ。これを聞いて耳に響いた?。耳を打った?。耳に染みた?。ふっふふふ、もう解答は見えたようね。耳が痛い。これでしょ~?。また、何だとキサマって言うのかな?」

「何だとキサマとは何だキサマ…この…このどうしようもな…」

「アジ食べる?」

「アジ ?!。アジと言うたのか今ッ!!」

「さっき神田岡さんちの御主人が釣ったの、おすそ分けでもらったのよ。冷蔵庫に入ってるけど、暴言の反省しないと冷蔵庫開けてあげないよ~。どう?、反省した?」

「はい」

「ホントかなぁ~。激しく反省した?」

「はい」

「自分がどうしようもないイカレポンチのパカチンネコだって前々から気づいてた?」

「はい」

「反省する?」

「はい」

「アタシって美人かなー」

「はい」

 

「すごいのねぇぇぇ…アジの力って」

 

ネコならエッセイ6 / パチンコ丸シロー / 愛称で呼んで

Title : ネコが見る世界

 

 

「“ いつも心に太陽を ” なんて昔はよく言ったもんだけどサー」と、玉突家のオバアチャンであるところのダイナマイト・オミヤ(本名)。

「はっはっは!。それが今では “ いつもバッグにスマホを ” ですからねー。時代は変わりましたよねー、ダイナマイト・オミヤさん」と、渡る世間は鬼ばかりだと思っていたのに、最近家族で渓谷遊びに行き、途中、山道を横切る沢蟹(サワガニ)の大群に遭遇して以来、渡る世間はカニばかり、と人生観を180度転換してしまったご近所の主婦万田千恵(41才)。

「何ですか万田さんたら水臭い(笑)。ダイナマイトなんて堅苦しい。親しみを込めてマイト・オミヤと呼んでくださいな(笑)」

「あら!。いいんですか、そんな(笑)。でもホントそーですね。フライドチキンだってライド・チキンて呼ぶ方が、揚げたてのチキンがバイクにまたがってるイメージがありますし、タピオカだってカピパラって呼ぶ方が、なんだか温泉気分になりますもんね(爆)」

「あなたの言ってること、アタシ、年なんでついていてけないワー。シロー、アンタ分かるぅ~?」

オミヤの声を無視し、彼女の足元で毛づくろいをしているシローの右手首を顔からグイッと引き離すオミヤ。

「何しやがる!!、このクソいまいましいオハギ3つも頬張る食い意地張った爆発娘は今いずこ野郎がッ!。毛づくろいの邪魔すると承知しねぇぞ!」

「まあまあ、マイト・オミヤさん。たかがネコなんですから(笑)」とオミヤを制す千恵。

「何だ?。キサマ今なんて言った!。たかがネコだと?、だったら、アシナガバチを足長オジサンて呼ぶのか?。ハ?!。そんなこと言ったら足長オバサンはどこって話になったら…………どうなるんだろうか…」真夏の夕立直前のように、みるみるシローの表情に陰りが出始める。

急に無口になったシローを見下ろしてオミヤ、超上から目線で

「ア、考えてるわ、今。フフフフ…足長オバサンは今どこなのかってね……」

 

 

ネコならエッセイ5/ パチンコ丸シロー / 不景気でグレードダウン

Title : シロー

 

 

「あぁら、お帰んなさい野武子(のぶこ)さん。頼んどいたシローの猫缶、買ってきてくれたんかね」

「買ってきましたよオバアチャン。だけど、今回はプレミアム猫缶じゃなくて1ダース、並にしました。オバアチャンからシローにそう言っといてください」

「えええええええ~ッ!。やぁだよそんなこと言えっこないじゃないかね~。どしてプレミアムじゃないのよぉぉ~」

「今は不景気なんですから、シローだけVIP待遇なんて冗談じゃありませんよぉ~。私だって土日のお休み返上して、休日を月火を振替にしてまでパート働いてるんですから~」

 

ちょうどその頃、薄曇りの空を眺めつつ、パチンコ丸シローはカワラ屋根に居た。しきりに立てた両耳をレーダーのように旋回させていたが、それにも飽きてきた。

昼のTVで「いやぁ~、そろそろ秋の声が聞こえるんじゃないでしょうか」と言っていたのを小耳にはさみ、ふと自分も秋の声とやらが聞いてみたくなり此処まで上って来たのだった。

夕方、自宅に戻って来たシローは二階角部屋の自室に直行、ダンボール箱に敷き詰められた砂金の上で用を足すと居間へと降りてゆく。

TVニュースを見ながらオバアチャンが、

「この…、あおり運転ての?。何でなくなんないのか分かる気がするねぇアタシャ。悪い事すると子供がマネするからやめましょーってサ、よく皆が言うじゃないのー。子供は運転免許とれないからマネできないもんねぇ~、だから安心して堂々とやってんだ、きっと」

「バアチャンただいまー。オレの猫缶は?」

「アー、シロー。アンタのマミーが買って来たよ。駅ビルの地下の、輸入食料品店、アンタ知ってんでしょ。あそこで安売りしてたから」

「安売りだと?キサマ…。どこまでいい子ぶれば気が済むのかと言いたい。…どこに……アア、テーブルの上か。全くクソナマイキな」

シローはピョコリとジャンプ着地し、見慣れない缶詰を手に取った。

「英語だから読めん。マミー、読んでくれんか」

「えー。アタシだって読めないよゥ。貸してごらん、ええなになに…。大きな字んとこしか読めないけど…んー……ノン・プレミアム……ノン・カロリー、え?………ノン・デリシャス………」

「何だ?小さい声でボソボソ呟きやがって、この、どうしようもない、いまいましい通訳野郎がッ、アッ!どこ行く気だ、逃げようってのか!!」

「ちょっと、アタシ、お店戻って買い替えてくるわ」