転職 / イメチェン/ 心機一転

Title : は、はじめまして…とかッ

 

 

 

イメージは実力を超えるのか。超える。或いは、超えることが多い。

サザエさんのカツオが時代の最先端をゆくスタイリッシュ・ヘアだったら?。サザエさんが髪梳きまくり今風ヘアだったら?。

イメージの変容は視聴率の実績や実力に明らかな影響を与える。とボクなどは確信してしまう。ロング・セラーのサザエさんなればこそ、その時代時代の流行やファッションを番組中に取り入れたっていいハズ。むしろ自然。共感だって呼びやすい。なのに何故(なにゆえ)?ホワイワイ、どうしてそれはご法度なのかしら。

視聴者がそれを許さない。時代の新風をサザエさん作品に取り入れたが最後、最早それはサザエさんではない。似て非なる物、なんちゃってサザエさん。別の何か。一度人々の間に深く深く定着してしまったイメージを払拭することは並大抵のことではない。というより危険。イメージの一変は人気の一変とイコール、それは容易に想像がつく。

以前、“ 嫁ブロック ” なる言葉が巷で囁かれていた。流行り言葉だが、その意味は昔なじみの行為。夫の転職を妻が反対する、は至極当然だから。 “転職 / イメチェン/ 心機一転” の続きを読む

梅雨時のお手入れ / 心にも除湿器をね

 

 

 

 

毎年梅雨入り宣言を耳にするたび、条件反射のようにボクの頭に浮かぶこと。それは雨という言葉。五月病よりも先に浮かんでしまう。

流行り歌の詞中、日本人は雨という気象現象を “ 悲しい後ろ向き要素 ” として好んで取り入れる。そしてそれは人々の大いなる共感を呼ぶ。日本人独特の民族感覚なのだから、皆たちまち自然に理解が出来る。

例えば、三善英史の “ 雨 ” 。 雨に濡れながら、道行く人にこずかれても身動きひとつしない彼女は、恋しい男性を待ち続けている…。雨の慕情、雨の御堂筋、長崎は今日も雨だった、水色の雨、レイニーブルー、と雨をテーマに大ヒットした楽曲は数え上げればきりがない。悲恋の象徴としての 雨は梅雨時ならずとも引っ張りだこだ。

♪  雨  雨  降れ降れ  母さんが  ジャノメでお迎え  嬉しいな  と歌われる前向きな歌も稀に存在するものの、こちらは童謡。恋愛要素が皆無な子供向けゆえの、雨に対する好意的で無邪気な受け止め。

さだまさしの “ 雨宿り ” は、恋愛をテーマにおくユニークなハッピーエンド・ソングの典型だが、恋愛そのものというよりも日本特有の赤い糸伝説、不思議な縁 ( えにし ) が主題だとも言える。その点で童謡 “ 雨降り ” とは決定的な一線を引く。

同じ雨をモチーフとした楽曲でも、海外では日本のソレと解釈が多分に異なる。

CCRの “ 雨を見たかい ” では、~ キミは嵐の後に天気雨が降るのを見たことがあるかい?~ と視聴者に問いかける。また、アルバート・ハモンドの ” カリフォルニアの青い空 ” では、~ 滅多に雨が降らないカリフォルニアで雨が降る時、それは酷いドシャブリになることが多い ~ と歌われるが、双方共に何やら意味深。どちらの歌詞も恋愛を歌ってはおらず、奇妙な現象を見た時は要注意なんだよ、と警告とも取れるような教訓めいたものを感じずにはいられない。

これがビートルズの “ ペニーレイン ” ともなると更に難解。意味深どころか哲学的でさえある。歌詞の内容はこんな感じ。土砂降りの雨でも傘をささない主義の銀行員が床屋で順番待ちをしている。そこへ消防士がドシャブリの中、雨宿りしに床屋へ飛び込んでくる。仕事がら、大量の水の扱いに慣れている消防士のハズなのに、アタフタしている姿が滑稽だという。雨に濡れればヤッカイな紙幣を扱う銀行員の方が雨にたじろかず、自身がビショ濡れになる場面が度々あるはずの消防士が雨に濡れてうろたえる。これって “ 人生えてしてこんなもの? ” と視聴者に疑問を投げかけいるかのよう。

ボブ・ディランも歌った “ 君は大きな存在 ” では、成功した彼女を讃える主人公の男性、彼女の成功を喜んだあと、やがて独りドシャブリの雨の中へ戻ってゆく。一見、いや、一聴、悲恋がテーマの悲しい歌のような気がするが、決してそうではない。雨は2人の恋愛とは直接関係がなく、あくまで雨は男性の置かれている過酷な環境を象徴しているのだ。その点で日本人の感覚とは一線を引く。

日本と海外、雨にまつわる感覚の違いぶりは凄い。雨の降り方、降雨量の違いで受け止め方が違うような気はしなくもない。要するに、風土的な違いかなと。湿度が高くジメジメした日本の雨とカラッとした海外の雨とでは、そこに住む人々の気持ちに働きかける雨の作用が違うのは至極当然なのかもしれない。

梅雨時になるたび思うこと。普段は気にかけずに通り過ぎるアッレヤラコレヤラも、こんな風に細々と考え込んでしまう。雨には人の心を閉じ込める力も、あるのかな?、と。

 

◆写真タイトル / 雨が蓮葉を離れない

 

 

キーワードはどこへ / 会話術を磨け / 社員食堂にて

Title : ミッキィ

 

 

社員食堂片隅にて。

「何故、キミ達女性はカツ丼を避けるのか。ボクはちょっとソレが引っかかるんだ。だから教えて欲しい。ドンブリ持ちながら食べるのが重いからなの?。仲間で腱鞘炎になった者がいるけど、そんな不安も無きにしも有らず、って感じ?」

結構、社内の独身女性のお目当てにされていた独身次長A(ドイツに留学経験があるのでドイツ語発音で、エーではなくアー)は確実に1ポイント下げた。珍しく後輩女子らに話しかけたのがアダか。

「持ち上げないと食べられないですか?。私、テーブルに置いたまま食べられます普通に」

「アタシも」

「ちょっと斜めに傾けることは、あります。でもソレッって、おドンブリの中身がチョッとしか残ってない時ですけどね、エヘヘ」

「違うんだなボクの言ってる趣旨と。まるで。前からいぶかしく思ってたんだよね。いや、ていうか、焼肉屋で女子会って結構やってるでしょ?。お肉好きだよね女子も。トンカツは油で揚げてるから太るの気にしてるんでしょ。ネー?。焼肉は焼いてるとアブラ落ちちゃうもんね。そういうことでしょ」 “キーワードはどこへ / 会話術を磨け / 社員食堂にて” の続きを読む

肩書社会の崩壊序曲が聞こえる!

 

 

 

「日本人は自らのアイデンティティーを失いつつあり、今や成すすべなく立ち尽くしている状況下にあるな」とマナモード研究所所長の猫春。昼飯時についたのだろう、口ひげにデンブのピンクが異彩を放つ。

しかし、30分が経過した今なお、それが落下しないことに首をかしげるマネーモード発案所次長の眼鏡冬、目を細め猫春を見やりながら、薄ら笑いでニヤリながら、

「ああ。やはり気づきましたか。先週その話が出るんじゃないかと思ってましたが今週ですか。思った程のウツワじゃないんだなアンタ」

「かつて新宿はピンキリ文化人が集まる街って共通認識があった、我々には。マスコミが作り上げたイメージだったとしても、あながち嘘ではなかったのだが」

「そうだ。原宿はオシャレな若者が集まるファッション文化のアンテナ・タウンという位置づけ、渋谷は女子高生のニュージャパ文化拠点、銀座はオハイソ族の気高き尾根。そうだよな?。今は全然違う。資本力ある店だけが主役だ」 “肩書社会の崩壊序曲が聞こえる!” の続きを読む

果実酒のTV・CMに絶賛の嵐 / 梅種

Title : 梅種

 

 

最近放映されている果実酒のTV・CMに私は激しく感動した。

若い女性が若い男性とテーブルをはさんで差し向かい、彼女は片手のワイングラスに梅入りの酒を満たしている。そして彼に向かって、最高に幸せだと感じる時はいつか、などと尋ねる。彼が思案顔になったところでカメラが切り替わる。

おッ、驚いたことに彼女のワイングラスに沈んでいた梅はなくなっており、見れば彼女が梅を持ち彼の口元に差し出しているではないか。

テーブル上には何もない。とッ、ということは、つまり、

彼女は、好きな彼の前でワイングラスに指を突っ込んで梅を取り出した、ということだろうか。 “果実酒のTV・CMに絶賛の嵐 / 梅種” の続きを読む

日本人とサソリ / 知らぬがホトケ

Title : コードネームはサソリ

 

 

日本のドラマで、よく「オレの心はサソリ」だとか、気安くサソリうんぬんを連発してるのを聞くけど、

気安い。気安過ぎる。だって日本にサソリなんて居ないジャン。見たこともほとんどないだろうし、何かの展示物で観る機会があったとしても、習性すら知らないジャン。

知らないものを自分に重ねるなんてのは大人気ないジャン。チンプじゃん。ウソ臭い発言者だなって思われてしかるべきなのに、誰もそんなこと思いつきもしないのって、何その鈍感さ。

サソリが生息してるトコに行ったこともない人間が世界を救うために、なんて。

ドラマだからデタラメでいいってもんじゃないっしょ。最低でもスジの通ったフィクションじゃないと、いつまでたっても進歩しないっしょ。

オレは恐ろしい男だ、とか言って、自分はサソリ、なんて凄んで、

サソリってもの凄く臆病な生き物だッて知らぬがホトケじゃん。

「オレ、臆病者」って言ってるに等しいジャン。(爆)ジャン。