変身ヒーローよ永遠に! / キミのそばにいるからね

Title : 涙チョチョ切れシズクマン

 

 

「若者が口にしなくなった言葉って何だろうかね」とイナズマンは言う。

「青春、明日、若者、ナンパ。Gパン、レイバンのサングラス、バックスキン(靴)。柔肌、ラブレター」とレインマンは答える。

「今、掲げた言葉はみな流行語なのか普遍的若者代名詞なのか」とイナズマン。

「平成初期までは代名詞だと思っている者もかろうじて居たようだ。今は絶滅確認代名詞宣言をしても差し支えないだろう」とレインマン。

「今、明確に若者の代名詞と成り得るものを教えてくれ」とサンライズマン。

「残念ながらない。多様性の時代に入り、十派ひとからげのひとくくりは不可能となった。良い事だ。1人1人が自分の意志に忠実になった」レインマン談。

「待て。言葉による表現力はどうだ。コチラは画一化の極致を迎えた風に思えるが。ヤバイ、スゴク、ユルイ、癒される。これだけで何でもかんでも済ませてしまっている風に感じられるが」とメットを脱ぎながら遅刻のクラウドマン。

「それだけあれば何の問題もない。主観が特化した新しい人間達なのだ。他人に関心がない。第三者を認識しない以上、もはや客観性は必要ない」と丸男。

「君は誰だ。これは内輪の会議だ。関係者以外は立入禁止だ、出てってくれ」とマスクの下からくぐもった不快感あらわなイナズマン。

「どこから入って来た」とサンライズマン。

「サイトなら何処からでも侵入可能だ」と緑茶ペットボトルのキャップの閉まり具合を確認しながら丸男。

「いいだろう。今キミが語った客観性、もう少し詳しく続けてみてくれ」とクラウドマン。

「若者達の流行り歌の歌詞を聴くがいい。昔と顕著に違うのは、身の回りや自然、都会、何でもかんでも様子や有様を描写しない、というのが特徴だ。

丸山恵子の ♪ どうぞこのまま ♪ の詩中、♪ 曇りガラスを伝わる 雨のしずくの様に ♪ 、だとか、

大橋純子の ♪ 黄昏マイ・ラブ ♪ のような、♪ 夕立が白い稲妻連れて 悲しみ色の日暮れにしていった ♪ 、

に見られる様な状況描写がない。

サザンオールスターズの ♪ 真夏の果実 ♪ といった比喩もあまり使わない。作詞家の問題ではあるのだがね。

タメグチをそのまま歌ってもあまり歌詞とは言えないような気がするのだが。これは私が年寄りだからかもしれない」とそこまで言って緑茶ペットボトルを発作的に激しくシェイクし始める丸男。

「だからかもではない、年寄りだ。…うるさい、それを振るのはよせ」とシェピハド・イナズマ光線を放つ時の両腕卍ポーズをとるイナズマン。

「逆に永遠、だとか、いつも笑っていたい、とか、君のそばにいるよ、といった意味合いの歌詞が非常に多い。昔よりも若者の置かれた環境が厳しいのだろう。悲しくて立ち止まり途方にくれている姿が思い浮かぶ。誰かそういった若者の姿を目撃した者はいないか!」と突然立ち上がるレインマン。

「座れ!会議室をびしょ濡れにするつもりか!」サンライズマン談。

「すまない。この部屋にジューン・ブライドなど居はしないというのに…」

「誰も見ていない。若者達は地下に潜ってしまった。外で彼らのソウルを見かけることなど最早不可能だ」

「では誰が助けを求めているか我々には分からないではないか。一体どうする」と突然ドアが開き転がり入場するアイダホマン。

「アイダホマンよ、窮地に立った若者が我々を呼ぶ際に空めがけ発射するレスキューボンバーはどれだけ若者に配れたッ」と身を乗り出すクラウドマン。

「朝登校時、学校の前で配ろうとしたが監視カメラで不審者通報され、駅ではラッシュアワーに揉まれ誰1人として手渡すことが出来なかった」

「どうすれば我々は彼ら彼女らを救うことが出来るのか!」とイナズマン。

「過去の人気実績さえあれば商品フィギュアとなって彼らを癒せる。それが我々の新たなる救出方法だ。此処にいる全員は商品化価値がないのだが」とアイダホマン。

しかし彼だけは唯一、フィギュアでこそないがポテチのイラストに使われている。じゃがいもの後ろに小さくではあるが…。

 

 

 

 

ネバー・エンディング・ストーリーとエンド・ストーリー / マイティドラゴンの頃

Title : 「アレッ?!、オレもしかして自力で空中浮遊してる?」

 

 

子供の遊び相手が龍だった頃、少年少女はその背中にまたがり世界中を駆け巡る事に思いをはせた。

小学1年生だった私は『エルマーと龍』という絵本に夢中だったし、その後、ピーター、ポール&マリーの ♫ パフ ♫ を好んで歌うようになった。パフも魔法の龍だった。

更にその後、映画『ネバー・・エンディング・ストーリー』ではファルコンという龍が少年を背に乗せる。

子供が夢を視なくなり、空想のおとぎの国は消滅しかかっている。不毛な現実の虚しさを子供達に思い知らせるために、虚無という名の狼がおとぎの国へ入り込んで来た…。

更にその後、映画『トイ・ストーリー』では、おさな児が成長し友達だったオモチャと決別する悲しみが切々と描かれる。

 

ここ日本では、油絵具で描く洋画より、日本独特の顔料で描く日本画の値段の方がバカ高い。何十倍もの価格差も驚きではない。洋画は西洋の猿真似で日本画は日本独自の物だから、という理由。

日本画では好んで龍がモチーフに選ばれ、有名寺の天井がや壁画への依頼が舞い込んでくる。そのギャランティーは非常に高額だ。

 

私には大きな疑問がある。

龍は空想の生き物。当然、作家は自身の想像で龍の姿を描くことになる。

日本画家の方々の描く龍は、みな同じ姿かたちをしている。

何故か。

昔の人が書いた龍をコピーしているだけだからだ。

う~ん。寺の屏風や天井画、日本画の龍、子供達は見ないもんねぇ。

 

だったら独創性はいらないのかな?。

ひとかけらの純情 / 南沙織 / 有馬三恵子の想い

Title : 星を見失って

 

 

 

いつも雨降りなの 二人して待ち合わす時

顔を見合わせたわ しみじみと楽しくて

あの恋の初めの日を 誰かここへ連れてきて欲しいの

あの燃える目をしていた 熱いヒトにもう一度会いたい

 

いつもレクイエムを あの部屋で聴かされたのね

ぎこちない手つきの お茶にさえ ときめいて

 

何故 思いがけない時 冷めてゆくの あんなにも愛して

まだ信じられないのよ あなたからの つらそうなサヨナラ

 

何も実らずに いつも終わるのね 若い涙ひとつふたつ

今はいいけど

あの恋の初めの日を だれかここへ連れてきてほしいの

あの胸のうずくような恋をしてるひとになら 分かるわ

 

 

“ ひとかけらの純情 ” (作詞 / 有馬三恵子、作曲 / 筒美京平)。

 

衝撃のデビューを飾った南沙織。

日の出の勢いだった時期に彼女が歌い、素晴らしい楽曲であった割には、

ボクが思うよりも評価が低かった。

それは歌詞に託されたメッセージを

ティーンエイジャー達が読み解けなかったからではないか

とボクは疑っている。

意味が良く分からない。大したことは歌われていない。

そう判断されてしまったのだとしたら、全く残念でならない。

ボクの詞解釈は以下の通り。

 

 

その一生を神に捧げ仕える神父を志していた彼。

彼女に魅せられた彼は、やがて燃えるような恋情に抗い切れず

彼女と交際を始める。

一方で、神と歩む道を捨てきれない彼の葛藤は

中途半端な形となって現れる。

傘で顔を隠し、関係者にデートを目撃されることを避ける。

純粋無垢な彼女が決して気づくことのない彼の心の秘密。

 

彼は自身の気持ちを確かめたくて、あるいは

自分が信じる世界を彼女に伝えたくて、

自室でレクイエムをかけた。

彼女には、心安らぐ音楽をかけた、とだけ単純に解釈されたのかもしれない。

これ以上彼女と付き合いを続ければ

自分は聖職者への道を断念しなければならない。

 

彼は決断した。

 

突然彼女の前から姿を消したのだ。無責任な行動かもしれない。

彼女は傷つくが、今ならまだ、きっと彼女は大丈夫。

彼女の若さが、涙が、それを癒して立ち直らせてくれるだろう。

 

彼女が見た燃える目。それは、

神と共に歩もうとする彼が、

一瞬見せた清廉な志の輝きだったのかもしれない。

 

ひとかけら、それは彼のものだったのか、彼女のものだったのか…。

 

世界は複雑。人それぞれで

世界という事実は、いかようにも変わるから。

 

 

 

◆ ひとかけらの純情、アルフィーの演奏と歌もなかなかですヨ。さすが。彼らは絶対いい曲は見逃しませんネ。

 

 

 

 

ステイション / 見送る人と見送られる人 / 頬を伝う涙

Title : 切れたリボン

 

 

 

汽車。電車。そして、駅。

ただの…単なる移動手段にすぎないのに。

人が乗り、そして降りる。ただそれだけの場所でしかないというのに。

 

頬を伝う涙。

 

こらえきれずにしゃがみこむ人。

ちぎれんばかりに振られる手。

その姿を視界に入れたその瞬間、

こみあげてくる喜びに、悲しみに、

駆け出す人…。

 

 

恋人よ ボクは旅立つ 東へと向かう列車で

華やいだ街で君への贈り物 

探す 探すつもりだ 

〈太田裕美 / 木綿のハンカチーフ〉

 

 

憧れ、希望、夢の実現。

向かう人の想いは、残される人の心を覗き見るゆとりなんてない。

残される者が精一杯作ったガラスの笑顔を

単なるお祝いの、祝福の笑顔として受け流す。

やがて汽車は動き出し、

見送ってくれる人の姿が視界から失われると同時に、

残る人々の笑顔は行く人の気持ちから消失する…。

 

 

花嫁は夜汽車に乗って 嫁いでゆくの

あの人の写真を胸に 海辺の町へ

命かけて燃えた 恋が結ばれる

〈はしだのりひことクライマックス / 花嫁〉

 

 

この歌のイメージに、見送る人達の姿はない。

彼女は何もかも捨てなければ許されない窮地に追い込まれ、

そしてそれらを断ち切った。

どんな人も一生の中で必ず運命を左右する選択を迫られる時がある

と聞くが、無い人も、当然存在する。

 

 

駅のホームのはずれから そっと別れを言って

それで愛がはかなく 消えてしまった

〈伊藤咲子 / 乙女のワルツ〉

 

 

見送る人に気づかない人。

見送られる彼は愛する人と旅立つ。

残された者は引き際を心得ている。

いや、心得なければならない立場。

まっすぐな恋がしたいなら、引き際は掟。おきて。

 

 

あの人から言われたのよ 午前五時に駅で待てと

知らない街へ ふたりで行って

一からやり直すため

〈麻生よう子 / 逃避行〉

 

 

示し合わせて逃げる。

旅立ちではない。逃走だ。ランナウェイだ。

関わった人々を裏切るのかもしれない。

そして最後にはかけがえのないはずの人にまで裏切られてしまう。

喜びと悲しみは紙一重、

でもそれは、すぐに表も裏も同じ模様に変わってしまう。

表も裏も、涙で濡れている。

 

 

今夜の夜汽車で 旅立つオレだよ

あてなどないけど どうにかなるさ

〈かまやつひろし / どうにかなるさ〉

 

連れのいない旅立ち。あてのない出発。

それは、果たして旅立ちって言えるのか。

単なる移動。それなら気楽。そして空しい。

そしてサッパリ気分。

サッパリ気分て空しい?。悲しい?。さわやか?。本人次第?。

 

 

改札口できみのこと いつも待ったものでした

電車の中から降りてくる きみを探すのが好きでした

〈野口五郎 / 私鉄沿線〉

 

 

旅立ちの出発や到着ではない、日常の句読点。

毎日必ず出かけて、

そして必ず自分の元へ戻って…く………。

 

…………………

 

何がいけなかったの?

 

 

だれもが知っている。

喜びの、悲しみの、駅。

誰もが口ずさむ。

数え切れぬ程ある駅にまつわる楽曲。

誰もが書かずにはいられなかった。特に、

特に、

 

 

悲しかったって…。

 

 

 

 

 

 

 

いやぁ、映画ってホントに素晴らしいものですね / FRYDAY・NIGHT・FANTASY / 金曜ロードショー

Title : つらいDAY泣いと不安だじぇい

 

 

心おもむくまま、暇に任せ、自在にユーチューブ(音楽)サーフィンを楽しみつつ、知らなかった名曲発掘の戦利品に視聴泥酔いする。

昔のものは全て古臭い、昔のものは全て昔の人のもの、今の時代の人は今の時代の物しか関心を持たない。

という考え方にはまってしまう不運な人、

ではない人達は、

自由に伸び伸びと、少しでも見知らぬ良いものに触れようと選択肢を狭めず人生を豊かに自分を飾ろうとする。

 

♪ FRYDAY NIGHT FANTASY〈フライデー・ナイト・ファンタジー〉

1972年にTV放映開始、金曜ロードショー(日本テレビ、水野春郎解説)のオープニング・テーマ。リアルタイムでTV視聴することは出来なかったが、この曲を数年前に知り激しい衝撃を覚えた。

何と言う名曲。名曲とは、作った人、歌う人、演奏する人が誰なのか、それを全く考慮に入れず、どんな人でも心が打たれるもの、をいう。

 

ユーチューブに寄せられたリスナーのメッセージのほとんどは、

涙が止まらない、あの頃(昭和)がこんなに素晴らしかったなんて、あの頃は幸せだった、みんなありがとう、といったもの。

そんな感覚は平成だろうが令和だろうが同じだ、と言われるかもしれない。それはそうだが、

金曜ロードショーは、オープニング楽曲をピエール・ポルト(フランスの指揮者、作曲編曲家)に依頼した。フライデー・ナイト・ファンタジーは、既に発表済みの名曲で金曜ロードショーがそれを使った、と思い込んでいる人が大半であった。それほど唸る名曲だったのだ。

番組サイドは、安直で付け焼刃な気持ちで番組への取り組みをしていなかったことになる。流行りの人に右へ習えで作曲を依頼したわけでもなく、人生の重みを紡ぐ旋律、それを誰に依頼すれば実現出来るのか、結論へは遠かったはずだ。恐らく会議は難航しただろう。

高い依頼料が支払えるのは、高い視聴率によるスポンサーの満足度。

映画作品が今以上にステイタスだった時代、名作のイメージを会社のイメージに重ね合わせたいスポンサーは、依頼にGOサインを送り、賭けに勝った。素晴らしい名曲を新たに手に入れたのである。

 

いつからか、真逆の時代が開幕した。

いい加減な番組を安直に作り、結果、騙されない視聴者によって視聴率は地を這い続ける。遂には番組自体も消滅する。

 

ブラック企業はブラックを売りにし、消費者は不買運動すらしない。

CDも売れなくなればクリエイターの名曲を生み出す意欲は極めて説得力を失くす。

作曲家編曲家は、アドリブ一発で量産出来る、使い古されたコード進行メロディーを新曲と称して歌い手とファンに提示する。

それが問題なく受け入れられ、挙句、名曲だと騒がれる。

作曲家は、制作意欲も湧かず、面白おかしくもないものに溜息しつつも、楽して依頼をこなせる旨味には笑いをこらえきれない。

 

安直さの連鎖は、社会全体の底抜けを生む。

もう、誰にも止められない。

相手の脳波を自動解読するTYU / 心を読まずに脳波を読め / ときめきを運ぶよTYU

Title : 対人間 脳波解読ロボットTYU

 

 

西暦2020年2月2日20時、遂に全世界が注目する待望の人間脳波解読システム “ TYU ” が民間極秘組織cjI(クライム・ジェイル・インテンツ)から発売。

 

◇ TYU 機能概要〈TYU携帯者2m以内に位置する相手の脳波を対象に空気波動リズマー波照射測定、スタビライザー測定器に測定値掲示。以下6異種リズマー波にワンタッチ切替〉◆定価 3,000,000,000,000米粒とツブツブ交換

 

●責任度数~無責任度数 測定スタビライザー(30分の1秒計測掲示)

●誤解度数~勘違い度数 測定シタビラメライザー(500分の1秒計測掲示)

●隠ぺい度数~白状度数 測定ハナビライザー(23分の1秒計測掲示。0.057no誤差)

●虚偽発言~虚構動作度数 測定マタタビライザー(0.9秒計測掲示)

●憂鬱感~実存感~絶望感測定 フクスケタビライザー(2秒計測掲示)

●喜怒哀楽上下動推移~不随予測行動測定 リビエライザー(000.3秒計測提示)

 

単なる市場の1商品にすぎないはずのTYUは、マスコミの事前予測通り、世界総人口の78%が購入してしまう結果に。

「未購入の人達は単に購入資金が調達出来ないだけで、実際は各自に1つ必ず心臓がある様に、TYUもまた同じ購入結果を示したはずだ(国連事務早朝アマン)。今後の購入動向を注視したい」

 

TYU搭載により犯罪発生率は70%低下。TYU恋愛率はTYU普及前に比べ98%減少、結婚率99%減少、出産率は99.88%まで減少。友人所有率1.2パーセント、預金率96%、株式会社制度廃止率97%。

普及前とほぼ変わらぬ数値を記録しているのは病院入院率、手術率のみ。

* 以上TYU所有者のみを対象に国連TYUプロメテウスが人工衛星ホロスコープで調査。

 

Title : まごころ波動測定器LM0もよろしく

 

 

運試し / 金は天下の回りもの / 招福勝運

Title : 運貯めし~

 

 

時の経過。ただそれだけのことだ。新年に変わるのは。

当然のことながら、人間の操作など何ら関係もなく

日付は変わる。

新年になる。

いつもの12345678…という時の経過が、

突然、日本人にとってだけ年が明けるになってしまう。

明ければ、必ずおめでたいことになってしまう。そう決めつけられてしまう。

実際は、現実は、人の個々の幸福の所在は様々。

まあまあ、それは置いといて単なる挨拶だから。

そうはいかない。

現に、年賀状、今年は控えさせていただきます、というものもある。

郵政省を儲けさせるために年賀状をせっせと書いても世間の景気にはなんの影響も与えない。

今はもう違う。

金は天下の回りもの

というお人好しな感覚でいられる時代は終わった。

金は天下の回りもの、だが回るコースは誰かが決めている

待てど暮らせど何も来ない。という経験などない人こそ決めている人の側だ。

クリント・イーストウッドの映画『運び屋』の中で、主人公が言う、

「100才まで生きようとするのは99才の人間だけだ」

これが真実なのだ。10才の人間が100才まで生きる、と言っても良い。

ただ、言って良いだけで、事実無根は何ら変わらない。

1年1年積み上げるだけだ。年が明けるのは夜が明けるから。いまだ眠り続けている主体性の人にも明ける年。年は変わりはしない。

 

誰かの思惑で操られる。その他大勢さん、今回もシッカリやってくださいねー、などオシマイ。

調子いい時だけ自己責任と言われてもねぇ。何も考えずに、これまでそうだったからそうする、はお人好し、無知、おまぬけ。

運は天下の回りもの

でもない。福袋、初詣、どれも運が巡ることとは何の関係もない。

招福と運試し、は全く違う。縁起担ぎ、と招福も別物。

 

ないものねだり、継続。それが不幸を嘆く日々のコツだ。

 

Title : 本年もよろしく

絶食ダイエット (1) / 自宅浪人生の減量作戦 / 拒食症全記録

Title : 挑戦者の涙

 

ボクは凄まじいダイエットを経験したことがある。

その時ボクは間違いなく大学浪人生だったはずで、決してボクサーではなかった。なのに過酷な減量を強行してしまった。

“ 絶食 ”という名の無謀ダイエットを。

ヘタをすれば命も落としかねない程の過酷ダイエット。

いいや違う、違う、違う。

ダイエットだと思い込んでいたのは愚かなるボクだけ、

それは異常な精神世界への無邪気なトランポリン・ゲームだったのだ。

 

ポーンポーンと天に向かって自身を発射し、

落下しては有頂天顔で再び天を目指す。

無知ゆえに成せるワザ、未熟さゆえに出来たワザ。

鏡を手にすれば1時間近くも食い入るように覗き込み、こけてゆく頬に満面の笑顔。

 

そしてそれは、みるみる酷く不機嫌な顔へと変貌してゆくのが常(ツネ)。

毎回ワンパターンの怪人二面相、日々スリムになってゆく自身の姿に

輝かしい未来を重ね合わせるピンボケな誤解。

画素数の高い鮮明なる勘違い。

 

とにもかくにも、ボクは恐ろしき闇から奇跡的に生還した。

この命がけの1人芝居、その恐怖の内訳を知る人は片手に余る。

このエピソードは、“ ネコならエッセイ ” 中、突出した有益情報

だと言えるだろう。これは若さへの警告、思慮のなさへの戒め。

これは1人の、特筆すべきアンポンタンが挑んだ24日間の絶食エッセイである。

 

大学5校に全てに落ち、ボクは自宅浪人を始めた。そう聞かされた元担任のポンポコリンタヌキ先生は憮然として言い放つ。

 

「俺の教え子でそんな奴は1人もいなかったぞ。

皆ぃ~んな、予備校へ行ったんだ。偏差値1つ上げるのが

一体どれだけ大変なことなのか、お前は全く理解していない!。

宅浪してお前が志望校に合格したら

オレは校庭を逆立ちして1周してやるよ!」

 

ボクの好きなポンタヌキ先生の言葉は愛の鞭。

それはボクのスポンジ脳ミソに心地よく浸み込む。

だがボクはそれを、すぐさま両手で力一杯絞ってしまった。

 

高校を卒業するや、ボクは住まいを市内から市外へと移した。

一足早く単身赴任していた父と合流したのだ。

ボクは友人達と切り離され、誰1人として知り合いのいない土地に

軟禁状態となった。

 

「つまらん。全くもって、つまらん」

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絶食ダイエット (2) / 匂いひとつでダイエット挫折 / 減量宣言むなしく

Title : 未知なる世界を覗いてみれば

 

 

 

魔が差す、という。ヤキが回る、とも。そういう状態や状況を経験した人は、

後になって判で押した様に呟く。

 

「何でこんなことしたのか、自分でも全く分からない…」

 

そう言い放って首をかしげる。あるいは途方に暮れる…。

ボクにもコレがドンピシャ当てはまる。何故、ある日突然、ある日を境に、

絶食などという危険サーキットにフルスロットルで挑んだのか…。

 

キッカケはウロ覚えながら思い当たる。

ボクは自宅浪人の師をラジオ講座に求めており、その流れのまま

ラジオ番組を聴くことが多かったのだが、

何かの番組にゲスト出演していたお坊さんが

 

「一週間の絶食であれば、むしろ健康体になります。体の毒素を綺麗に対外へ排出する作用をもたらします」

 

と発言。コレを聴いたからではないか。しかし、コレは

厳しい修行に耐えるお坊さんだからこそ出来る御業(みわざ)なのか、

一般人にも当てはまることなのかは記憶にない。

うつらうつらしながら聴いていたので前後の会話が分からないのだ…。

 

だが、希代(きだい)のお調子者は何の脈絡もなくソレに飛びついた。

ボクもやりたいなー、1週間ダイエット!。やれるかな?。

お調子者の脳に住みつく、もう1人の更なるお調子者が即答。

 

「やれるやれる、やっちゃえ、やっちゃえ!。スリムになればモテモテだぞ~、その上に健康体になるって特典付きだあーッ!」

 

夕飯時。食卓につく両親と弟の前、ボクは淡々と宣言する。

 

「ワタクシは明日から1週間絶食します」

 

体の毒素を抜き健康体になります、と。大事な大学受験を控える身、

何より求められるのは健康ですこやかなる精神だ、と。

絶食すれば頭は澄み渡り、学問も一言一句ストレートに頭に入るのだ、と。

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絶食ダイエット(3) / 敵は生存本能にあり! / ダイエットの敵は脳みそ

Title : 暗闇の手探り!コウモリだけが知っている!

 

 

 

絶食初日、いともたやすく矢尽き刀折れたことが

逆にボクをムキにさせてしまった。ちょっとしたキッカケで

ティーンエイジャーは対象にのめりこんでしまうことが多い。

熱狂や興奮に最も純粋に反応する生き物とも言える。

 

プリンで言えばスが入っていない状態、ホットケーキで言えば

小麦粉のダマが一切検出されないということなのだ。

未熟な未成年が唯一大人に勝る武器、それが情熱という名の固執だ。

 

であれば、ボクの具体的な武器は何だ?。

自問の結果、こだわりの分析癖であろうかな、と…。

早速ボクは分析瞑想(めいそう)に入る。

 

何故、あれほどの固い決意がいともたやすく挫折したのか。

即答!、空腹に耐えられなかったから。

たとえ散歩に出かけなかったとしても、

自宅にこもったとしても同じことだっただろうと確信する。

 

空腹という名の生存本能。

ヒヨコのボクが生存本能に抗えるハズもなし。

ただちにコンビニに走ったは必然!。

 

ならば敵は生存本能に有り。そのお方はボクの体の何処にいらっしゃる?。

全身に伏兵が散らばっているのかもしれないが

恐らく総大将は脳に違いないのではなかろうかいッ。

昨日ボクにアンドーナツを買わせたのは脳の命令に違いない。

 

ならば脳を説得出来れば、納得させられれば、

ボクは絶食1週間を見事達成出来るということになる。

なにしろ生存本能の免罪符、通行手形を手に入れたのだから、

どんな関所もフリーパス!。

ああ、これだこれだ、この路線で行こう!。

 

アンポンタン浪人生の決意は固まった。

1週間だけ期間限定、リングに上がらぬボクサーになるのだ。

目的達成翌週から再び受験生に戻ればよい。

 

脳をどう説得するか。

“ 人の心を動かしたければ眼を見て話せ ”

という先人の教えがあるではないか。よぉぉぉ~し、分かった。

 

人間の眼は脳の一部。つまりボクの両目は、脳の両目でもあるのだ。

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