日本人と漢字 / 忍者暗号教育

Title : ケムにマクのがオレ、忍者!

 

 

 

世界における難解文字、すなわち漢字。何故、ひらがな以外にこの様なキテレツ極まりない漢字なるものを覚え、日々用いなければならないのか我々は。

言うまでもなく、それは暗号。漢字のひと文字ひと文字が暗号。暗号の作り方を我々は学校教育を通じて人肌感覚で日々習得してゆくのだ。世界に誇れる忍者輩出のために。

 

〇 小学校国語教育 / 現場最前線

「大。一に人、と書いて大。つまり、一人というのは大きい人、という意味になりますね。小さい人は1人居ようが何人居ようが、全く頭数にはなりません。カウントされないのです。大野君、キミの苗字は大きな野原、という意味を持っていますから、本来であれば、1人で野原に居る、という意味合いになるはずですが、君は小さいのでカウントされません。つまり、誰も野原には居ない、という意味の苗字になります。大野君、理解出来ましたか?」

「はい、先生。野原にボクが居ても、誰にも見えてないのと同じです」

「大変よろしい」

 

〇 中学校国語教育 / 現場最前線

「詳しい、の詳という字は、羊が言う、という意味が込められて作られました。何故、羊が言う、というのが詳しいという意味になるのでしょう、分かる人」

「羊の喋りはクドイ、という意味なんだと思います」

「その通りです、よく出来ました。ゴンベン(言)としては、読む、なんてのも有りますね。売ることについて言う、という意味合いから、直訳すればセールストークという意味合いになるはずです。それが何故、読む、という意味に変換されたのでしょう。誰か分かりますか」

「新聞とかネットの商品チラシを読むのだと思います」

「その通り。因みに激安価格だったりすると、朗らかに声を出してつい読んでしまいますから、朗読、ということになりますよ、いいですか。ここ試験に出ますからね。ということは黙読はどういうことになりますか」

「思ったより値段が高くて、ムッとして声に出さないで読んでいる、という意味ではないでしょうか。オマケに言うと、読破、というのは破れたチラシを何とか読んでみる、という意味ではないでしょうか」

「全くもってその通り。さすがクラス委員」

 

〇 高校国語教育 / 現場最前線

「コーヒーを漢字に当てると珈琲、となるな。翻訳すると、王が加え、王が非らず、という意味になるが、直訳だーこれは。日本語的な言い回しにすると、どういうことだー、分かる奴いるか」

「普段、コーヒーを自分で淹れたこともない王様が、たまに気まぐれで淹れた珈琲はマズくて飲めない。誰もが非難するものよ、という訳(やく)ではないかと考えました」

「正解だ。ならば理屈、はどうだ。王様が里で屈む、という直訳だ。これも分かり易く訳してみろー。出来るか」

「王様が古里で屈むとしたら理由はたった一つ。両親の前で深々とお辞儀をするのだと思います。いくら王様でも敬う気持ちは大事。それが理に適っている、というところから理屈、という意味になったのではないですか」

「鋭い。うちのクラスはレベルが高いな」

 

〇大学国語教育 / 最前線

「親、という字は立っている木を見る、と書きますな。成程、言い得て妙。流石に先人の発想には頭が下がります。では、両親、の両、という字。これはどういう理論に基づいて構築されたものだと推察しますかね。どなたか分かりますか」

「両という字は、見た目 “ 計り ” そのものの形に見えます。だとすると、両方を計り比べるわけなので、この計りは天秤計りではないでしょうか」

「いいとこ突きましたね。証明するには険しき道が待っているでしょうが、卒論のテーマにしてみるのも一興ですかな。…ご存知のように、肉親、とは焼肉を食べながら立っている木を見ること。つまり花見でバーベキューをしているという意味になりますな。では親という字に似ている新しい、の新。例えば、新商品、といえば、どういう内容になるんですかな。どなたか…。はい、キミ」

「立っている木を斧、と書くので、材木伐採なんでしょう。木材関係の新しい商品ですよー、という意味ではないのかなと」

「しかし、新という字には斧、にある父という字が入っておりませんぞ」

「父が不在の時に伐採しました、という注意書きが商品に添付されているはずです」

「キミ、なかなか勉強してますなあ。ワシントンと桜の木、の逸話ですかな」

 

 

 

 

 

 

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