両生類新聞日曜版から抜粋 / 月桂樹カエル季節外れの起床!

Title : 大アクビする覇者

 

 

インフルエンザたけなわの今月、月桂樹カエルが冬眠から覚めたとオリンピック沼近隣の者達から複数の目撃情報が五輪署にツイッターで寄せられ、噂を聞きつけた住人らで一時オリンピック沼周辺は綿菓子やタコ焼きの屋台が出るなど騒然となった。

「この時期、厳寒期に月桂樹カエルが冬眠から覚めるのは非常にまれです。おそらく湯たんぽが何らかのアクシデントで冷めきってしまい、熱湯を求めて民家へ出向くための一時的な覚醒だったのではないでしょうか」と両生類学者のケロッグ石井さんは推測。

「いえ、夜中の2時くらいだったと思います。カエルの気配がしてふと目覚めましたらね、アレが上がり込んでいて、台所でヤカンに火をかけてたんですよ。月桂樹カエルだってすぐ分かりました。こないだのマラソン、TVのオリンピック中継で茹でガエルになったやつ見てましたから。熱中症だったんですってね可哀想に」と来 ヨネさんは目頭を熱くする。

その後、月桂樹カエルは湯を入れた湯たんぽを抱えて沼に沈み、姿を一目見ようと詰めかけた人々やポメラニアン達をガッカリさせたが五輪村役場はいい宣伝になったと頬を緩ませていたという。