バイク2人乗り蟹

台湾渡り蟹なるものが時々釣れます。初めてその者が上がった時、酷く驚嘆しました。子供の頃から慣れ親しんでいたガザミというカニに体型が似ています。

ガザミはコケ色の暗い緑色でしたが、この者は目にも鮮やかなトルコブルーと紫の混合色。その美しさに声を失いました。

鍼(ハリ)を完全に飲んでいますが外すのが至難の業(ワザ)!。コチラが手を伸ばしますと、大バサミ全開の両腕を限界一杯にまで拡げ

「触ると承知しねぇぞぉーッ!!」とプンプン。ぽこぷこぷこ、ぽこぽこぷぷ、と怒りの泡を吹いております。カニの背後に回り込もうとすると、カニもまたボクに呼応して回転。キミとボクは息もぴったり。さあ、フォークダンスをしようじゃないか。ええ?。などという時間を数分過ごし、ようやく一瞬のスキを狙い背後から甲羅の真ん中抑え込みに成功!。

あとは鍼(ハリ)を外すだけですが、どうせハリ先は摩耗してしまったでしょうから、外さずにハリ根元の糸をプッツリ切ります。

 

検索してみますと、中国料理の高級食材として美味、と書かれていて万歳三唱!。一瞬にして茹で上がり、甲羅も見た目より柔らか、造作もなく割れました。旨味が凝縮された肉には洗練された甘味があり、カニ好きならずとも唸るは必須!。また食べたい、また釣りたい、一杯釣りたい、で早1年。

狙って釣れるカニではなかったのですネ。絶対量も少ないようで、近年一層釣れなくなっているのが現状。これは釣り人各位の意見ではありますが…。

 

●写真はワタリガニのオスとメスのペア。ド派手な体色のオスに比べ、何とまあメスの体色の地味なことか!。クジャクさながらであります。

釣れなくなってワタリガニを諦め2年、夜釣りで突如釣れました!。

しかもオスメスのペアで上がってきたではありませんか!。50000拍手!!。

まるでバイク2人乗り状態、釣り糸が2人の体を絆の如くに複雑絡み。おそらく産卵行為の真っ最中だったのでしょう。罪悪感覚えつつも美味しくご賞味させて頂きました。合唱。

 

●甲長7センチ(オス)、5センチ(メス)。キス天秤に錘(オモリ)20号、2メートル吹き流し仕掛け3本鍼(ハリ)、ハリス2号、餌はアジ切り身短冊。