真夜中のギターを聴いてシミジミ / 若者達の楽器離れ

Title : イカヒゲG

 

 

若者にアコースティックギターは必須アイテム。それが昭和。女の子にモテたくてギターを始める。彼女と屋根の上に並んで座り、夜空を見上げながら弦をつまびき二人で歌う。彼女がうっとりと自分の肩にもたれかかり至福の時に酔う。

或いは首にハーモニカ・ホルダーをつけ社会的メッセージ色濃い自作の歌を歌いながらハーモニカも吹き奏でる。ボブ・ディランの姿を見て吉田拓郎が真似、瞬く間に若者達が追従した。

アメリカが荒れに荒れている時代だった。戦争は人間の人権を踏みにじる。大義に真実はあるのか。若者達はディスカッションを続け、連帯し民族 (フォーク) の歌を歌い継ぎながら国の将来、自身の将来を真剣に考えた。

反戦運動は効果なく、若者達の音楽レジスタンスは激烈な感情のうねりを見せ、より大きな叫びを求めアコースティックギターはエレキギターに変わった。

アメリカがそうしたので日本もすぐ真似した。そこで歌謡界はフォークというジャンルではなくなったと判断し、困り果てた末に、新しい音楽なんだよなァー、ちゅうことはニューなんだよなーと、ニューミュージックという適当なジャンルをこさえて呼ぶことにした。

エレキギターはアコースティックの様にどこででもお気軽に弾けるものではない。女の子達はオシャレなニューミュージックに夢中になったわけだから、アコギを弾いてもモテない。そこで日本の若者達はアコギを捨てた。

やがて世界の戦争はハイテク化し、以前のような人間玉砕は減少した。ディランもニール・ヤングもエレキギターで音量や音色を機械調節した。

日本で尺八や琴、三味線を演奏しまくる若者はほとんどいない。アメリカではカントリー・ミュージックが今なおアコギ片手に娘達を魅了する。

現在、日本の若者達にハッキリとした共通文化はなく、それでは困るとばかりに一部の企業が流行を作り上げ煽り立てている現状。ノル人もいればノラナイ人もいる。

 

街の何処かに 淋しがり屋がひとり

今にも泣きそうに ギターを奏いている

愛を失くして 何かを求めてさまよう

似た者同士なのね

ここへおいでよ 夜は冷たく永い

黙って夜明けまで ギターを奏こうよ

 

 

◆真夜中のギター

〈吉岡治作詞 / 河村利夫作曲、千賀かほる歌〉昭和44年