騙されましょう 聞かぬふりして 許してあげる / 涙の密度

Title : 蒼 (あお)

 

 

彼女は若く美しかった。抜ける様に色が白く、化粧映えする顔は演劇研究所でも一際目をひき、同性達の嫉妬心を常にかきたててやまなかった。

彼女が舞台の夢を捨て商社に入社したのが23歳。入社後半年、丸の内の商社合同慰安パーティー会場、銀に真紅の花を散りばめたチャイナドレス姿で現れた彼女の姿を男達誰しもが追った。

翌年電撃結婚、寿退社。

彼女が最愛の夫の浮気を知ったのが2年後。元同僚の女友達が教えてくれた。嘘ではない証拠は友達の誠実な性格。

夫がみじんも気づかない程、彼女は度重なる配偶者の裏切りの事実を葬り続けた。泣きはらした顔は午前様の夫と向き合う頃には屈託のない温かな笑顔にすり替えられる。

 

結婚5年後、彼女のスキルス性癌が発覚。手の施しようがない末期状態だった。

その夜、愛妻から絶望的事実を告げられた夫は、怒りを噛み殺し呟く。

「何でだよ。こんな貧乏クジをオレが引くなんて」

彼女は息さえ出来ない苦痛を最後の力で押しのけ、絶え絶えに囁く。

「でも…。あなたが引くの一度だけだよ。一回だけで済むよ。すぐに終わるから。ごめんね」

 

 

 

一度だけなら許してあげる 好きなあなたの嘘だもの

騙されましょう 聞かぬふりして許してあげる

 

 

◇「一度だけなら」山口洋子作詞 / 猪俣公章作曲 / 野村真樹 歌

だけど身体は動かない / これ以上は走れない

 

誰でも幼い頃に夢をみる。大きくなったら。大人になったら。

他愛もない気持ち。微笑ましい淡き夢。

少しずつ大きくなってゆく。それは続く。

どんな夢を視る?。

誰かみたいになりたい。

誰かみたいなことをして 誰かみたいに扱われたい。

 

それじゃダメだ。

それをするにしても

それは、キミみたいじゃなくっちゃ。

 

 

 

◆僕にさわらせておくれ

(戸田良子 / 作詞、大杉文雄、二村健二 / 作曲) ピンク・ピクルス

 

僕にさわらせておくれ 君の甘い唇

僕にさわらせておくれ君の唇

草にかかった露を拾って

つけてあげよう その甘い唇に

 

 

もどかしく掴み取れない夢。憧れ。願い。季節が巡るたび、それはハッキリとした形を成してくる。

完全に消失してしまい存在していない、という形。

ひしゃげていて使い物にならないと分かる形。

かろうじて無傷ではあるものの呼吸が弱く頼りな気な形。

もう一度立て直す?。もうこりごり?。諦める?。無謀と言われたら?。

 

 

 

◆さらば青春 (小椋佳 / 作詞作曲) 小椋佳

 

僕は呼びかけはしない 遠く過ぎ去るものに

僕は呼びかけはしない かたわらを行くものさえ

見るがいい

黒い水が 抱き込むように流れてく

少女よ 泣くのはおやめ

風も木も川も土も みんなみんな たわむれの口笛を吹く

 

 

 

黒いものを感じる年頃を迎える。やたらとドス黒いものの気配を感じる時が多くなる。自分は一体どうしてしまったというのだろう。これまでの自分とは明らかに違和感のあるこの気持ち…。そしてその後、ほどなくして突如知る。

大人になってしまった、と。

 

 

 

◆想い出の樹の下で (阿久悠/ 作詞、筒美京平 / 作曲) 岩崎宏美

 

あなたは今も 覚えてますか 誓いの言葉の数々を

私はそれがたった一つの 生きがいみたいに抱いてます

信じましょう 信じていきましょう

たとえ はかない思い出としても

何故かいつか あの樹の下で 逢える気がするのです

 

 

 

男性より夢を持ち堪える(こたえる)期間が長い女性。子供を授かり、子供を育てなければならない彼女。神様は、男性よりも長く夢を持ち堪えられる力を彼女に与えた。託したとも言える。それを子供に引き継がせなければならないから。彼女の力は子供に及んだか。どう及んだか。やがて答えを確認する。その子がどうなったかを。どう育ったのかを。

 

 

◆おまえだけが(伊勢正三 / 作詞作曲)

たとえ この世界で一番きれいな人が

僕を好きだと言っても

たとえ この宇宙で一番きれいな星を

僕にくれると言っても

僕は何もいらない

お前だけが お前だけが お前だけが いてくれたらそれでいい

お前の優しい笑顔が そこにあればそれでいいのさ

 

僕とお前の可愛い子供が生まれたら

写真を見せて言うんだ

これがパパとママの若い頃の写真さ

どうだ今も変わらないだろうと

朝日がもう差し込んでくる

お前だけをお前だけを お前だけを愛しているから

夜がとても短すぎて 愛を語り尽くせない

 

 

 

矢で射抜く者がいる。何を。誰を。的は何処にあるのか。防御出来るのか。

人生は長く短い。矢で射抜く者が見える。或いは見えない。

一人では無理だ。一体どう防御するべきなのか。

 

楽曲『一人の道』は1964年東京オリンピック男子陸上マラソンで銅メダルを獲得し、その後自殺した円谷幸吉(つぶらやこうきち)に捧げられたものだ。

 

 

◆一人の道 (今江新三郎 / 作詞作曲) ピンク・ピクルス

ある日走ったそのあとで 僕は静かに考えた

誰のために走るのか 若い力をすり減らし

 

雨の降る日も風の日も 一人の世界を突っ走る

何のために進むのか 痛い足を我慢して

 

大きな夢はただ一つ 五つの色の五つの輪

日本のためのメダルじゃない 走る力の糧(かて)なんだ

 

父さん許してくださいな 母さん許してくださいな

あなたにもらったものなのに そんな生命を僕の手で

 

見て欲しかったもう一度 表彰台の晴れ姿

だけど身体は動かない とっても もう走れない

これ以上は走れない

 

 

 

◇円谷幸吉遺書 (最後部抜粋)

 

幸雄君、秀雄君、敏子ちゃん、ひで子ちゃん、良介君、敦久君、みよ子ちゃん、ゆき江ちゃん、光江ちゃん、彰君、芳幸君、恵子ちゃん、幸栄君、裕ちゃん、キーちゃん、正嗣君、立派な人になって下さい。

父上様、母上様、幸吉はもうすっかり疲れ切ってしまって走れません。

何卒(なにとぞ)お許しください。

気が休まることもなく 御苦労、

御心配を お掛け致し 申しわけありません。

幸吉は 父母上様の傍で

暮らしとうございました。

 

 

日本人選手が晴れ舞台で優勝を飾る。インタビュアーが聞く。

「次の目標は何ですか」

「次も優勝、期待していいですか ?!(笑)」

「最後に全国の応援してくれた皆さんにひとこと!」

 

 

 

選手達の胸の内を察すると、いつもボクは泣く。

 

 

 

◆写真タイトル / 描き残した夢

 

 

 

 

 

 

離婚歴三回 / 好きだった人 / かぐや姫楽曲に見る具体的歌詞の在り方

Title : あのねぇ、吸水性の高いこの手ぬぐい、二枚目なの

 

 

近年のJポップ楽曲歌詞に見られる残念な傾向、という前日の投稿記事の補足参考として、具体的な要素満載の歌詞、その典型例を紹介したいと思う。

共に ♪  なごり雪 ♪ で知られる伊勢正三作詞によるもので、南こうせつとかぐや姫というグループ名になる前の作品。つまりは無名に等しかった初期の作品である。

 

 

離婚歴三回 歌 / かぐや姫

 

冷蔵庫の様に冷たくて  カツオブシのように堅くて

針金の様に細くて  ゴキブリの様に忙しく

健さんのように強くて  カマキリの様に恐ろしい

彼女が最初の奥さんでした

 

ざるそばみたいにさわやかで  キャバレーのようにあでやかで

蛍光灯みたいに明るくて  クリープみたいに色白で

ふんどしみたいにかろやかで  かぐや姫みたいにグラマーな

彼女が二度目の奥さんでした

 

長嶋さんのように燃えやすく  茶碗蒸しの様に冷めやすく

入れ歯の様に味気なく  出前の様にじれったく

タクシーの様に憎らしく  天気予報の様にあてのない

彼女が三度目の奥さんでした

 

 

勿論、今の時代に聴くと問題である言い回しや表現が多々見受けられるが、この時代(1970年入口あたり)には何の問題にもならなかった。

自分はその人(歌中の恋愛対象相手)の事を良く知っているから聴く人にも思いが伝わるだろー的な独りよがりな歌詞に満ち溢れる昨今の楽曲。作り手の思いなど説明してもらえなければ赤の他人である私達に伝わりっこない。

怖い人だった、だけではどう怖いのか全く分からない。ゴキブリの様に、カマキリの様に、でアアなるほどね、と初めて伝わるのだ。

人に真意が伝わらない歌詞は歌詞ではない。独り言の呟きでしかない。

 

 

 

 

◆ 好きだった人

 

好きだった人  ブルージーンをはいていた

好きだった人  白いブーツをはいていた

好きだった人  ステテコもはいていた

好きだった人  Tシャツが似合ってた

失恋という言葉は知ってたけれど

失恋という言葉は知ってたけれど

 

好きだった人  金魚すくいがうまかった

好きだった人  ヤクザ映画に誘ってくれた

好きだった人  アベレージが102だった

好きだった人  ハンバーグを食べていた

失恋という言葉は知ってたけれど

失恋という言葉は知ってたけれど

 

好きだった人  強がりを言っていた

好きだった人  一度だけキスしてくれた

好きだった人  レモンをかじってた

好きだった人  海を見つめて泣いていた

失恋という言葉は知ってたけれど……

 

 

好きだった人がジーンズをはき白いブーツをはいていた。ハンバーグを食べレモンをかじっていた。別段どうということもない、ごくごく普通の事、その一つ一つが強烈に目に焼き付く。しみる。何度も思い出す。好きな人のことだから。

人を好きになる事の不思議。

こんなに簡単な言葉でそれを素直にさりげなく伝えてくれる。アア、歌っていいな、と聞き手側も素直な気持ちになれる。アア、自分が失恋したあの人はどんなだったっけ…と思いをはせ、その時のことを思い出してみたりもする。

カレシの場合はカレーをよく食べてたなァ、だとかディズニーランドに誘ってくれたァー、とかね。

 

ステイション / かつてあなたもそこに立っていた

Title : 切れたリボン

 

 

汽車。電車。そホして、駅。ただの…単なる移動手段にすぎないのホに。

のホに。

人が乗り、そして降りる。ただそれだけの場所でしかないといフのに。

いフのに…。

頬を伝う涙。こらえきれずにしゃがみこむ人。ちぎれんばかりに振られる手。その姿を視界に入れたその瞬間、こみあげてくる喜びに駆け出す人…。

 

 

恋人よ ボクは旅立つ 東へと向かう列車で

華やいだ街で君への贈り物 

探す 探すつもりだ 

〈太田裕美 / 木綿のハンカチーフ〉

 

 

憧れ、希望、夢の実現。向かう人の想いは残される人の心を覗き見るゆとりなんてなハい。残される者が精一杯作ったガラスの笑顔を単なるお祝いの、祝福の笑顔として受け流す。やがて汽車は動き出し、見送ってくれる人の姿が視界から失われると同時に、残る人々の笑顔は行く人の気持ちから消失する…。

 

 

花嫁は夜汽車に乗って 嫁いでゆくの

あの人の写真を胸に 海辺の町へ

命かけて燃えた 恋が結ばれる

〈はしだのりひことクライマックス / 花嫁〉

 

 

この歌のイメージに見送る人達の姿はなハい。彼女は何もかも捨てなければ許されない窮地に追い込まれ、そしてそれらを断ち切った。どんな人も一生の中で必ず運命を左右する選択を迫られる時があるって聞いたの。そホ。そのことがよぉーく分かっていようが分かるまいがネ。

 

 

駅のホームのはずれから そっと別れを言って

それで愛がはかなく 消えてしまった

〈伊藤咲子 / 乙女のワルツ〉

 

 

見送る人に気づかない人。見送られる彼は愛する人と旅立つ。残された者は引き際を心得ている。いや、心得なければならない立場。インヤ、違う。もっとキビチイの。まっすぐな恋がしたいなら、引き際は掟。おきて。遅刻せぬよう…。

 

 

あの人から言われたのよ 午前五時に駅で待てと

知らない街へ ふたりで行って

一からやり直すため

〈麻生よう子 / 逃避行〉

 

 

示し合わせて逃げる。旅立ちではない。逃走だ。ランナウェイだ。関わった人々を裏切るのかもしれない。そして最後にはかけがえのないはずの人にまで裏切られてしまフ…。喜びと悲しみは紙一重、でもそれは、すぐに表も裏も同じ模様に変わってしまフ。表も裏も涙で濡れている。

 

 

今夜の夜汽車で 旅立つオレだよ

あてなどないけど どうにかなるさ

〈かまやつひろし / どうにかなるさ〉

 

連れのいない旅立ち。あてのない出発。それって果たして旅立ちって言えるかナ。単なる移動。それなら気楽。そして空しい。そしてサッパリ気分。サッパリ気分て空しい?。悲しい?。さわやか?。ウォプゥゥ…。本人次第?。

 

 

改札口できみのこと いつも待ったものでした

電車の中から降りてくる きみを探すのが好きでした

〈野口五郎 / 私鉄沿線〉

 

 

旅立ちの出発や到着ではなハい日常の句読点。毎日必ず出かけて、そして必ず自分の元へ戻って…く………。

 

 

 

何がいけなかったの

 

 

だれもが知っているのホ…。喜びの、悲しみの、駅。

誰もが口ずさむのホ…。数え切れぬ程ある駅にまつわる楽曲。

誰もが書かずにはいられなかったのホホ…。特に、特に、

 

 

悲しかったって…。

 

 

 

 

 

 

 

小さな子供の昔に帰って熱い胸に甘えて / 聖母たちの子守唄

Title : 不死鳥は誰に来る

 

 

さあ 眠りなさい 疲れきった体を 投げ出して

青いそのまぶたを 唇でそっと ふさぎましょう

ああ 出来るのなら 生まれ変わり あなたの母になって

私の命さえ 差し出して あなたを守りたいのです

この都会は 戦場だから 男はみんな 傷を負った戦士

どうぞ 心の痛みをぬぐって

小さな子供の昔に戻って 熱い胸に 甘えて

〈マドンナたちのララバイ/ 岩崎宏美〉1982年

 

 

この楽曲は、女性から男性に対して捧げられた母性愛的包容力がテーマになっているが、こういった基本的な感情は、いかなる人間関係にも当てはまる。

性別を問わない友人関係や師弟関係、家族愛や博愛、それら全ての擁護、庇護の感情こそが、いかなる社会にも必要とされ理想とされる世界の核だ。 “小さな子供の昔に帰って熱い胸に甘えて / 聖母たちの子守唄” の続きを読む

青春とは何だ / この胸に巡りくるもの / 誇りと言う名の死語

Title : 青春の骨組みステイション

 

 

かつてTVブラウン管画面のその中に “ 青春ドラマ ” なる熱いジャンルが右旋回、左旋回、蝶のように舞い蜂の様に思春期ハートをチクチク刺す時代があった。

確かにあった。

それは後に日本列島を狂喜のバカ騒ぎに躍らせるバブル期、嘲笑される格好のマトともなった。

 

 

“ これが青春だ ”(日本テレビ系列、1966~1967放送)。竜雷太主演。布施明歌う同名主題歌(作詞 / 岩谷時子、作曲 / いずみたく)の一節、

 

誇りひとつを 胸にかかげて   怖れ知らない これが若さだ

 

これが青春だ!と真っ向から言われると「そうか!分かったあ!」とオウム返しのこの説得力!。

 

現千葉県知事である森田健作氏が主演し一世を風靡した “ おれは男だ!”。その主題歌 “ さらば涙と言おう ”(作詞 / 阿久悠、作曲 / 鈴木邦彦) 歌詞中の一節、

 

青春の勲章はくじけない心だと 知った今日であるなら さらば涙と言おう

 

さらば涙と言おう、と真っ向から言われると「そうか!分かったあ!」とオウム返しのこの説得力!。

青春の誇り、青春の勲章。ドラマのタイトル自体にも “ 俺たちの勲章 ” (日本テレビ系、1975年、松田優作、中村雅俊主演)と冠を配すものもあった。

 

その時代その時代で価値観は大きく変容する。変わった価値観の良し悪しは誰のジャッジに委ねるのかは別として、

日本の1960~1970年代、確かに若者の心の尺度に “ 誇り ” と “ 勲章 ” は存在した。

それをお笑いで物笑いのネタにする者も居なかった。

誇りと勲章は同義語と見なすことが可能で、これを自身のプライドと呼ぶ。

 

自尊心。自分を尊ぶ。尊敬する。

尊敬出来れば勲章に値し、誇ることが出来る。

心の勲章は人には見せられないので自分だけが知る知らないの世界。これを健全な自意識と呼ぶ。

 

海外ドラマを見ていると、年齢性別に関係なく友人や恋人、配偶者に対して、 「アナタを誇りに思う」という言葉をよく耳にする。日本はどうだろうか。

 

青春に恥じないように ” は希代の歌姫である南沙織が歌った楽曲。作詞は荒井由実(ユーミン)、作曲は川口真。1976年作。

 

その日から涙が止まらなくてもいい

私に勇気を与えて 青春に恥じないように

 

色々なボランティアの人達の姿を見ていると、青春は何度も何度も巡りくることが出来るものなのだと痛感せずにはおれない。

青は海、春は花開く桜。どちらも寄せては返すを繰り返す。何度も何度も何度も…。

 

今この時、人々は胸に何を飾るだろう。

 

 

死生観で自分を大切に / 生まれてこなければよかった、と思っている人へ

Title : 泣くだけ泣いたから、もう初めてもいいよ

 

 

 

 

◆松任谷由実、ユーミンの歌に ♪ ひこうき雲 ♪ (作詞作曲 / 荒井由実)という楽曲がある。その歌詞の一節はこう歌われる。

 

高いあの窓で あの子は死ぬ前も 空を見ていたの

今はわからない ほかの人にはわからない

あまりにも若すぎたと ただ思うだけ けれど しあわせ

空に憧れて 空をかけてゆく あの子の命は ひこうき雲

 

◆錦野旦(にしきのあきら)のデビュー作、 ♪ もう恋なのか ♪ の歌詞の中には次のような一節。(作詞作曲 / 浜口庫之助)。

 

死ぬいうこと知りたくて 月の光に照らされた

冷たい線路をみつめていたら いつか涙がこぼれてた

ああ この悲しみは もう恋なのか

 

吉田拓郎を世に送り出すきっかけとなった名盤の中に

◆ ♪ 自殺の詩 ♪ というショッキングなタイトルの楽曲が収録されている。作詞作曲は彼自身の手によるもの。その一節、

 

歩き疲れてしまいました しゃべり疲れてしまいました

何もかもに疲れて 今日が来ました

けだるい午後の日ざしは 花をしおらせて

道行く人の言葉も かすんでいました

 

そしてこの歌は最後にこう結ばれる。

 

バイバイ バイバイ 今日のすべてバイバイ

 

 

 

◆アリスの楽曲 ♪ 涙の誓い ♪ (作詞作曲 / 谷村新司)の歌詞の一節、

 

泣きながら すがりつけば終わる

そんなキザな 優しさじゃなかった

もう二度と消えない 手首の傷あと

 

 

◆X japanの楽曲 ♪ ウイークエンド ♪ (作詞作曲 / YOSIKI)の中の一節、

 

鏡を見つめながら ふるえる体に

流れはじめた透き通る血を おまえの心に絡ませ

幻覚に消えていく 最後の涙を拾い集めて 血の海にまどろむ

 

 

◆島倉千代子 ♪ 人生いろいろ ♪ (作詞 / 中山大三郎、作曲 / 浜口庫之助)の一節においても、

 

死んでしまおうなんて 悩んだりしたわ

バラもコスモス達も 枯れておしまいと

 

 

◆西田佐知子が歌う ♪ アカシアの雨がやむとき ♪ (作詞/水木かおる、作曲 / 藤原秀行)は次の様に始まる。

 

アカシアの雨にうたれて このまま死んでしまいたい

夜が明ける 日がのぼる 朝の光りの その中で

冷たくなった私を見つけて あのひとは

涙を流して くれるでしょうか

 

 

◆井上陽水、彼の手による楽曲 ♪ 傘がない ♪ の出だし、

 

都会では自殺する 若者が増えている

今朝きた新聞の 片隅に書いていた

だけども問題は今日の雨 傘がない

 

◆同じく井上陽水、♪ 桜三月散歩道 ♪ (作詞 / 長谷邦夫、作曲 / 井上陽水)の詞中一節、

 

街へ行けば人が死ぬ 町へ行けば人が死ぬ

今は君だけ 想って生きよう

 

 

死生観、という言葉が在る。死は恐ろしいものだから一切考えない、ではなく、死というものを通して生きる意味を探ろうとする物の考え方である。

例えば。

立った今、もし自分が死んでしまったらどうだろう、と考えてみる。

やり残したことが一杯ある、または、やりたいことなど何一つなく、この世に何の未練もない。

或いは、自分が死んでしまったら残された者達は一体どうなる。

死ねない。絶対に死ねない。

だったら健康に留意して決して思い病気にかからないようにしなければ、など様々なことが次々に頭を駆け巡るはずだ。

自身が死ぬことを真面目に想像してみることは悪い事ではない。

自殺を扱った歌詞は自殺願望のある者を刺激するから良くないのではないか、といった意見もある。確かに全くないと言い切ることは出来ないと思われる。

では、そういった歌詞の歌が一切なくなれば自殺者はいなくなるのかといえば、そういうことにはならない。

 

人の脳や身体には防衛本能がある。

グラグラに煮えたぎった湯が入ったヤカンを持ち運ぶ時、何の想像もしないでいるよりは、もし、このヤカンを落として自分の身体に熱湯を浴びせかけてしまったら大変なことになってしまう、と想像しながら持ち運ぶのは良いことだ。

もし大ケガをしてしまったら、今の環境下でボクは一体どうなってしまうのか、周囲の関係者は一体どうなってしまうのか、を真剣に想像することも良い事である

。そういった想像力を働かせれば、自身や他人に対して恐ろしい結果を空想すれば、今以上に責任感を持って生きる結果につながるのではないだろうか。

死ねば楽になる。この苦しみを終わらせられる。

それは誤解だ。

最も苦痛がピークに達している状態で自らの命を絶つと、死後その状態のまま永遠に暗黒世界をさまようことになる。最も苦痛な状態を永遠に維持し続けながらさまようのだ。1分1秒たりともその苦痛から解放されることはない。それを考えれば、

自殺ほど恐ろしいものは、この世にもあの世にも、ない。

 

生きてりゃいいさ 生きてりゃいいさ

そうさ 生きてりゃいいのさ

喜びも悲しみも 立ちどまりはしない

めぐりめぐってゆくのさ

 

◆ ♪ 生きてりゃいいさ ♪ (作詞作曲 / 河島英五)

 

 

 

 

5万の価値 / 新5万節考

Title : 地球来星回数5万のスターマン 

 

 

かつて5万節という歌があり申した。ハナ肇とクレイジーキャッツが歌っていたのですナ。いったん放送禁止となり、再度歌詞を書き直して発売したそうでありまする。歌詞が凄いですねぇ。学校出てからウン10年、何が5万なのか順番に列挙してみるとですよ、

 

1⃣ キャバクラに通いまくり、口説いた女が万人

2⃣ 議会の大物となり、とったワイロが5万円

3⃣ 脱サラし、引いた屋台が5万台

4⃣ ゴルフの大ベテランとなり、なくしたボールが万箱

5⃣ 芸能レポーターとなり、スターを追い回し張り倒されたのが5万回

6⃣ 無職となり、競輪競馬、パチンコ、マージャン、潰したサラ金5万軒

7⃣ TVプロデューサーとなり、やらせやらせで書いた始末書が万枚

8⃣ 医学の大権威となり、誓った禁煙が5万回

9⃣ 世紀の芸術家となり、爆発したのが万回 (当時、画家の岡本太郎が芸術は爆発だと言っていたので)

 

そして最後の歌詞だけが、学校出てから3000年となるのであった。

 

学校出てから 三千年

今日は仙人の クラス会

死んだり生きたり 入れかわり

あきれた神様 5万体

 

しかしまあ、この楽曲を作詞した故、青島幸男という方はもの凄い才能の持ち主だったんですねぇぇ…。東京都知事時の獲得票が5万票だったかどうか定かではありません。

歌詞のゴロでは2か5なんでしょうけど、2では少なすぎ5にしたのだと思われます。

現在の日本、果たしてという数字が一体どれほどの重みを持つのでしょうねぇぇ…。庶民には大金の5万円、使うとなると非常に心もとない…。それこそそう思っている人はゴマンといるわけで、多分、5千万人以上いるのでは?。

Jポップとは冗談ポップコーンの略ですか? / 無意味にふかしちゃえ

Title : つァますィーを揺さぶる歌手

 

 

そんなものが何処にあるのかは定かではないが、日本のいわゆる “ 歌謡界 ” ほど滑稽(こっけい)な物はない。

若い娘達は、個人であれグループであれ、

歌手デビューを果たしたなら自分の事を指して「アイドル」という。つまり、自称アイドルなわけだ。大手芸能プロダクション所属だろうがなかろうが、彼女を最終的に自分達のアイドルだと認めるのは視聴者側、閲覧者側。であるはずなのに、このコッパズカシサは何だ。

 

例えば、

オリンピックに出場が決定した選手(過去にどんな大会でもメダルを獲った経験皆無)が、自分の事を、

「私はメダリストなんで」

というに等しい。誰も第三者がその事実を全く確認出来ていないのに。

 

野球のリーグ開幕当日、Aチーム(過去にリーグ優勝の経験なし)の選手達が、

「私達は常にチャンピオンなんで」

というのと何ら変わらないコッケイさなのである。

 

アイドルなどというものは簡単になれるわけではない。その事実にさえ気が付かない人達はコッケー過ぎる。ヒット曲を出してもアイドルになれるわけではないし、若いというだけでなれるものでもない。カワイければ、でも難しいカモ。

アイドリングし続けるので略してアイドル、ということなら分かるような気もする。

エンジン無意味にカラふかし、がアイドリングだから。つまり全力走行に集中せず、やたら無意味な目立ち騒音、これって小者の典型?。

 

日本でフォークソング歌手といえば、アコースティック・ギター弾きながら歌うヒト。別段、日本民族のことをメッセージに込め歌う必要もなく、ギター弾きながら歌えばOK。

その全盛時にはGパンはいて歌わないとダメだった。白いパンタロンはいて歌った男のフォーク歌手が袋叩きに等しいバッシングを受けたりする。

中身を重視し外見をおろそかにする奴を日本人は許さない。

 

ロック歌手といえば電気ギターや電気ベースを演奏するバンドのボーカリスト。フォークギター伴奏で歌う歌手はロック歌手だと認めてもらえない。かろうじて認めてあげる人は、フォークロック歌手だと呼ぶ。

ロック歌手だとファンに認識してもらえると、しめたもの。

ガム噛みながら歌い、それをステージに吐き捨てても誰も何も言わない。観客に向かいテメーラと呼び捨てにし、チンタラやってんじゃねえぞ!と吐き捨てても歓声が上がる。がなりたてて、叫びまくって音が半音外れ続けても、観客には何の影響もない。

デタラメに非常識にヤルのがロックだと思っているからだ。

反逆児なのだ。反逆児が吐き捨てたガムは、ただちにガム回収係がサッと除去するテハズになっている。

反逆児は高価なクツを台無しにするのを嫌う。

 

フォーク歌手(今は絶滅に近いが)や演歌歌手がステージで噛んでるガム吐き出したら、ドーなる。

その日から、ロック歌手だって呼ばれるだけ…。んなワケない。

おッそろしい…。

日本人は、自分達のネジ曲がった思い込みを裏切る者を、許さない。

 

 

日本人的ブルースとは/ 演歌はブルースか

Title : 「ブル~スしか歌えんばってん、オレはトナカイ、鹿ではなかとよ」

 

 

何故か日本には曲名に~ブルースと銘打った歌ジャンルが存在する。誰が考えたものやら。誰が仕掛けたものやら。

アメリカの黒人音楽、しかも哀歌を、日本人の悲恋ソングと同等に位置づけるそのセンスは実に大胆かつ面白い試みだと思う。

皮肉を言っているのではなく、双方に流れる悲しみや苦しみの深さが何ら変わらない、と言っているところが興味深いと感心することしきりなのである。しかしながら…。

 

♪ 伊勢佐木町ブルース ♪  には絶望的な悲しみなど存在しない。むしろ成就した、成就しそうな恋愛を楽しんでいる女主人公が居るばかり。

4分の4拍子でさえあればブルースだ、などと強引なことを言う人はまず居ないわけだし、青江三奈の歌声には明らかな悦びの熱情が窺い知れる。

つまり、この歌はブルースという恨み節や苦痛に耐えるための霊歌の要素などとはおよそかけ離れたところに位置しているのである。

それなのにボク達日本人は、この伊勢佐木町をテーマとした楽曲が紛れもなくブルースである、と自然に受け入れてしまうことが出来る。これまた不思議な感覚、現象ではないだろうか。この歌がブルースなのはおかしいと言った人を聞いたことがない。

 

♪ 受験生ブルース ♪ (高石ともや)しかり。受験生の大変さは人生の大いなる苦しみという程のスケールではない。それゆえこの歌はコミカルな調子で歌われている。

つまりはアメリカのブルースとは真逆、縁もゆかりもない楽曲と言える。だがしかしタマゲ上げることに、この歌もまた、ブルースという名前が良く似合う。このシックリ感は、恐らくボクら日本人に共通した何かなのだろう。ウムウム、これはブルースだな、なあるほど、と途方もなく納得してしまえるのは一体何故なんだろうか。

推測なのだが、ブルースという単語の響きが、本来この単語が持つ意味と相反する全く違う何らかのイメージを、日本人にかなりビシバシと連想させてしまっているのではないだろうか。

フォースと共にあらんことを、と同じく日本人にとっては、

“ ブルースと共にあらんことを ”

とまで言い切ってしまえる程の何か。その正体は一体なんだろうか。

 

♪ 中の島ブルース ♪ (アローナイツ / クールファイブ)もまた絶望ソングではない。打ちひしがれた男と女が小さな希望の灯によりそう、明日を信じる事が出来そうなニュアンスが行間に流れている。

もしこの曲名からブルースという言葉を取り去ったなら、代わりにどんな単語を持ってくればシックリするだろうか。

中の島。中の島物語。中の島の2人。中の島慕情。……慕情?。

慕情の線は悪くはない。恋い慕う、の意味なのだから少なくとも場外ホームランで彼方へ飛んだブルースという単語よりはグッと近い。

伊勢佐木町慕情でいいし、中の島慕情、でいい。歌詞の意味合いからすれば、間違いなくブルースよりは慕情の方が間違ってはいない。

だがしかし、何故かどうしてか、慕情ではダメだ。

大半の日本人的が慕情という言葉から連想するのは、パッとしない、覇気がない、ジミ。そんな驚愕すべき感覚があぶり出されてくる。

本来の慕情という言葉の意味、恋い慕う、といったトキメキ感、震える情熱、などの感覚は、この慕情という発音からは一切感じ取ることが出来ない。

ああ何故何故ナゼでしゅかー!。日本人は慕情という言葉に何ら恋愛成就の匂いを感じ取ることが出来ないでいる!。未だに!。じゃ、ブルースに戻す?。

伊勢佐木町ブルース。中の島ブルース。

これだ、これだ、これだあああ!。やはりこれしかない!。歌詞の内容にそぐわない単語であるにも関わらず、依然としてヤッパリこれでなければ辛抱ならない!。

♪ 柳ケ瀬ブルース ♪ (美川憲一)は恨み節の典型、全く持ってブルースである。和製ブルースの決定版である。歌詞の内容も間違いようもなくブルースである。

♪ 昭和ブルース ♪ (天地茂)しかり。しかし、恨み節の方が日本だなと。

柳ケ瀬恨み節。昭和恨み節。

ヒェェェ~ッ!、ダメだぁ~!。これでは全くもってナンセンスである。歌詞の意味合いからすると、ブルースより恨み節の方が日本人特有の感覚を満たしているにもかかわらず、やはりブルースでなければシックリこない。丸ごと納得出来ない。

ブルースという言葉の響きには、何かこう、粋な響きがある。本来の意味合いとは全く関係なく、日本人にはブルースという言葉の響きが粋でイナセに聞こえてしまう。ヤボの逆、今風の匂い、時としてスタイリッシュでさえある。

 

となれば原田真二のポップ調、♪ てぃーんず ぶるーす ♪ 命名もひどく納得出来ちゃうもんだねえ!。

つまりは、結婚の喜びを綴った歌詞のタイトルにブルースという単語を入れたとしても日本人的には在有り、という強引な力技の結論が出来上がってしまいました。

白チャペルのブルース、花嫁に贈る父からのブルース、ウウム、合う。そら恐ろしい程、合う。しっくりくる。とんでもなくバッチリではないか。あまりの収まり様にほぼ意識を失いそうになるほど似合う。

悦びや悲しみ、そういう内容の歌タイトルに、~カンツォーネだとか~オペラ、だとか、~シャンソンと付くものはほとんど無い。

~ロック、~ブギ、~タンゴは多い。

すなわち、日本人はゴロ合わせの曲名、響きのよい曲名を大層好む趣向を持ち合わせているのだという事がつくづく分かってしまった。

~追分、もゴロがいいし、~恋歌、もイイ感じ。

日本語には、つまずきやすい漢字が多い。つまり言いにくい言葉、流れない単語や語句が沢山ある。誘われる、はいいが、誘われる(いざなわれる)だと流れない。引っかかる。

歌は流れるようであって欲しい。そう日本人は無意識に感じている。

加えて日本人は言葉の持つ響きから、本来その言葉の意味と全く違う印象を持ち得ることに何らためらいがない民族ではないだろうか。

アメリカ人の言うブルースと、日本人の言うブルースとは明らかに意味合いが違う。

今やブルースは日本語。不思議な魔法の言葉なのだ。

 

死ぬも生きるもアナタ1人と / 歌が聞こえる / 彼女には子供が出来なかった

Title : 灯火

 

 

“ 価値観 ” て何?。人に聞かれて明確に答えられるだろうか。価値ること、これが価値観価値る、ではなく価値る。ただるのではなく観察

っする。そのあと自分で採点する。世の中の物を片っ端、自分にとって価値がある物なのかどうか、観察した上で採点する。これが自分自身の価値観

世の中(宇宙でも世界でも)を構成している、ありとあらゆる要素をひととおり観察して回った結果、どうやらオレは全ての事柄を金に換算して考えるみたいだ。金にならないものには全く関心が持てない。そう確信したのなら価値観を金に置く人ということ。

一日中ゲームソフトに興じていたい、それこそまさに生きる意味!という人であれば価値観は快楽。身の回りの一切を自分が享楽に浸れるかどうかで判断する。後先考えず、今この瞬間が充実していればそれで良い、という破滅型。

 

ある1つの価値観を大多数の人が支持すると、それは時代の価値観と呼ばれる。

 

 

春恵さんは、未だ見ぬ愛する子を夢見ながら、結婚式の祭壇で愛を誓った。

彼女には子供が出来なかった。子宝に一切恵まれなかった。

失意のあまり、まともに立っていられない程の身体を夫に支えられ、励まされながら不妊治療に通った。たった一つの希望にすがった。

 

とうとう子供は授かれなかった。

 

夫は去った。春恵さんが捨てられたのではない。春恵さんが諦めたのだ。

人生を諦めた。夫婦生活を諦めた。幸せを諦めた。喜びを諦めた。怒りを諦めた。春恵と言う名を憎み、名前を冬枝と改名した。

生きることを諦めることは出来なかった。どうしても死ぬ決断を下せなかった。

彼女に残ったものは、会計士の仕事と悲しみ。たったそれだけ。

 

悲しみに浸り、何度も何度も我が子を抱く夢を視続けた。寝ている間も涙は溢れ続けた。永遠に尽きることのない涙。飲料を極度に節制しても流れ落ちる涙の量は一向に減少しなかった。

苦しみのあまり、自分をあやす手段をセラピストに尋ねた。

「アナタの言っていることは理解出来ない。くよくよしてても仕方ない。そんなこと一切考えず前に進みなさい」

それが返答だった。

冬枝さんは子守唄を欲しがった。子供の為ではなく、自分をあやすための子守唄を。

悲しみからは逃れたくない。逃れれば罰から逃れることになる。

自分が悪いから神様は子供を与えてくれなかった。

悪いのは自分。

いつも、如何なる時も自分。

それが春恵さんの、冬枝さんの価値観だった。

彼女はどんなに探しても、自分の悲しみを慰めてくれる子守唄が見つからないと言う。心当たりはありませんかとボクは聞かれ、この歌を聴いてもらった。

 

 

死ぬも生きるもアナタひとりと 恋に賭けたい 命ひとすじ

砂を噛むように暮らした 悲しい過去を

いとしい その手で暖めて欲しい だから待つの

愛の旅路を あなたと あなたと歩く

 

棘(トゲ)に刺されて 傷に哭いても(ないても) なんで捨てよう 愛のこの夢

例え戯れの恋でも 信じていたい 抜け殻のあなたを 抱きしめて強く

今はいいの

愛の旅路を あなたと あなたと歩く

 

暗い夜空に 星がまたたく 朝がくるまで 愛をともして

いつかわたしの胸にも あなたが燃えて 星空あおいで 幸せを唄う 夢をみるの

愛の旅路を あなたと あなたと歩く

 

 

歌を聴き終え、冬枝さんは何も感じない、心が動かないと言った。自分が欲しいのは愛の歌ではないと。

「愛がテーマの歌詞を聴くと、誰しもが無意識に、歌詩中の “ アナタ ” というのは男か女だと思い込みますよね。固定観念や先入観で聴かなければならない必要なんか全然ないんですよ歌と言うものは。

歌の一番に出てくる “ アナタ ” は赤ちゃん、二番に出てくる “ アナタ ” は冬枝さん。つまり赤ちゃんから見たアナタ。“ 恋 ” は “ 恋しい 愛しい ” の意味です。冬枝さんと赤ちゃんのことを歌っていると想定してもう一度聴いてみてください」

 

死ぬも生きるも あなたひとりと 恋に賭けたい 命ひとすじ

砂を噛むように暮らした 悲しい過去を 愛しいその手で 暖めてほしい

だから 待つの

愛の旅路を あなたと あなたと歩く

 

漠然と聞いていた初回と違い、冬枝さんは両手で顔を覆い、声を押し殺そうとしたが無駄と分かり、声を上げて泣いた。

男女の愛が、母親の子を想う愛に反転し、我が子が母親をアナタと呼ぶ。価値観を変えるだけで世界は一変する。自在に変わる。心の宮殿はいかようにも変わるのだ。

 

歌が聞こえる。誰かが聴いているのだろう。

願わくば、一番素敵な価値観で聴いていますように。

 

愛の旅路を (山口あかり / 作詞、藤本卓也 / 作曲) 内山田洋とクールファイブ

 

 

 

 

 

 

涙は汗 / 涙は失恋 / 涙は卒業式 / 涙は緊急事態宣言

Title : 押し寄せてくる、到着まであと3秒!

 

大人になるにつれ泣かなくなってゆくのです。みんな強い子になるのです。心とウラハラ、それがチョホッピリ淋しくって、泣ける話を欲しがるのですネ。人は自分にない物をオネダリするもの、それがサガ。ウムゥ…そうなのです。

 

涙は心の汗だ たっぷり流してみようよ

二度と戻らない 今日のために

〈いずみたくシンガーズ / 帰らざる日のために〉

 

と青春真ッただ中の若者達に呼びかけるのは、とっても自然で納得感アリ。とはいえ逆もまた真なり、お漬物シンナリ。発散を推奨、我慢も推奨、それが世の中ってものなのですネ。

 

まぶた はらす涙は こぼしちゃいけない

こらえきれぬ時には まつげに溜めよう

〈森田健作 / さらば涙と言おう〉

 

 

ああ ひと粒の涙で ふと気づいたの

何となく違うの 昨日の私と

〈シモンズ / ひと粒の涙〉

 

ふとこぼれた一粒の涙に驚く乙女。悲しいわけでもないのに何故。目に映るものが全て美しく、何となく輝いてワタシを誘うの、と主人公はつぶやくのです。これが恋を知ったことだと。恋すると誰でもこうなるのかな、と。この感覚は女性特有のものなのでしょう?。男には絶対ありません。ないはず…。

 

 

卒業式で泣かないと 冷たい人と言われそう

でももっと哀しい瞬間に 

涙はとって おきたいの

〈斉藤由貴 / 卒業〉

 

なるほど、涙ひとつとっても人の考え方、捉え方、対処の仕方って違うものなんだなァと感慨深いものありです。私は強くありたい、という乙女の卒業に際しての決意表明なのでしょうネ。

 

涙くん さよなら さようなら 涙くん

また逢う日まで

きみはぼくの友だちだ この世は悲しいことだらけ

きみなしではとても 生きていけそうもない

〈坂本九 / 涙くんさよなら〉

 

涙を友達だと思っている。人生の伴侶だと。だけどぼくは恋をした、素晴らしい恋なんだ、だからしばらくはキミと逢わずに暮らせるだろう、と語る主人公。

こんな風に涙を客観的にとらえて考えるたりするのは男の方でしょうネ。女性は論理より感情に忠実な傾向ありますもんネ。 “涙は汗 / 涙は失恋 / 涙は卒業式 / 涙は緊急事態宣言” の続きを読む

疲れ果てていることは誰にも隠せはしない / どしゃ降りの昭和からどしゃぶりの令和へ / 吉田拓郎の呟き

Title : オッサンじゃないヨ、良く見てよ。ゴーカートに乗ってる小学生低学年のボクだってバ

 

 

ゴッ………。ゴロゴロ部屋でしてるだけなのに、ねッ………眠いッ。

スポーツとかしッ…してないのに全身が凝りまくり…。

お風呂?。入ったさっき。なのにあり、このあり………ありさまとか何?。

 

 

★吉田拓郎 ♪ 辿り着いたらいつも雨降り

 

疲れ果てていることは 誰にも隠せはしないだろう

ところがオイラは何のために こんなに疲れてしまったのか

今日という日が そんなにも大きな一日とは思わないが

それでもやっぱり 考えてしまう

ああ この けだるさは何だ

 

この歌は人生における…何かこう…本質的な深い事を歌ってるんだと思うの…。

ファァァァァーッ。アア~ッ……。ボクのと違うネ、ふふッ。

もう駄目だ…………。

 

嗚呼!桜前線!/ 駆け抜けていった聖女子 /松田聖子の時代

Title : 「奥さん、カワウソ・ヤフトの宅配でッス。ふるさとNO税の巨大一粒胚芽米、どこ置きマショッ」(魚眼レンズから見えた図)

 

 

何かこう、ワタクシ、ここのところ春に関する記事内容が多いですけど、まぁ皆様も春待ち焦がれでしょうから許してもらえそうでしょうか。

福山雅治さんの大感謝祭に対抗し、春の大カンシャク玉破裂祭というのは如何なものかと。

中国ではお正月に爆竹破裂させてお祝いしてるからカンシャク玉もその系列で代用ってことっス。

 

かつて松田聖子さんはチェリーブラッサムの中で次のことを指摘されておられました。皆様もメモをおとりになった経験、おありになるかもしれませんね?。

何もかも目覚めてく新しい私、なんだと。あのイントロ、見事でした。楽器構成、アレンジの妙!。

確かにこれから開幕するのだ、桜ばかりか何もかもが目覚め、一切が始まるのだという胸騒ぎの期待感は見事でした。

胸騒ぎの躍動感としてはチェリーブラッサムもステキですが、やはり日本人的には桜前線、ヤッパこれでしょうかねぇぇ!。ウゥフームームー、やはりそう来ましたか、みたいな!。

ワタクシ、恥を忍んで打ち明けますと、実は個人的にチェリーブラッサムという言葉を聞くと、必ずペットショップで販売されておりますオポッサムがサクランボを食べているところを連想してしまったりするのでございます…。

チェリーオポッサム……。

昔昔のヒットソングですが、今尚色褪せることを許してはくれないフランスの楽曲でフランシーヌの場合、という実際の事件をモチーフにしたものがございましたね?。3月30日の日曜日の朝、パリで焼身自殺したフランシーヌを悼んで作られた歌なのでございましょう?。

何となく事件の詳細を知らないままでいたい気がして未だに検索はしておりません。知らないまま、ボンヤリとしたイメージに浸ったまま聴いていたい、などと思ってみたりするのでございます…。日本語歌詞におけるフランシーヌさんの情報としては、

ホントのことを言ったら おりこうになれない

ホントのことを言ったら あまりにも淋しい

ということぐらいしか入手出来ないのでございます。恐らく、この記事を読み関心を抱かれたお方が勇気を振り絞り検索をかけ、コトの真相をつまびらかになさるのかもしれませんね?。

皆でその可能性に賭けようじゃありませんか…。

 

ともあれ、松田さんの春風ヴォイスで告げられた期待感、桜前線。全ての日本人の瞳がその前線の行方を見守るのです。

不安と期待を気まぐれ春風に乗せ、遠方にまで届く様にと思いを託すのでありましょうね?。

半面、桜にまつわる悲恋物語も沢山ございますねぇぇぇ…。そうそう、松田さんに負けず劣らずの歌姫であるところの岩崎宏美さんは楽曲の中でこう訴えておられたじゃあありませんか!。

桜の花はもう六分咲き、見上げることなくアナタは急ぐ、と。

彼女のお父さんに結婚の許しを貰いに行き、まだ早いと一喝されカレシは傷ついたのでしたね?。

彼女は家を出ると彼に誠意を見せるのでしたね?。怒っているでしょう?、許して下さい、と…。聴いているコチラもムゥムゥと震えるっス。

春おぼろ、夜桜だったのであります。

 

 

期待感、そして散りゆく別れ、物語が終わる悲しみと再生の約束。

 

嗚呼!、桜前線!。

 

 

因みに、梅雨前線ヤダ。

 

 

オレの話を聞け

Title : 持ち時間5分の競演

 

 

5分。わずか。たった5分。その、たった5分がその後の運命を分ける。そういう事は無数にある。

その5分を用意しろと言ってくれる相手は少なくとも誠実な人。大切にするべきだ。大抵の場合、運命を分ける5分に気づくことなく過ちを犯す人は多いのだから。

 

近藤真彦はスニーカーブルースの歌詞中、こう恋人に訴える。

 

5分だけでもいいから 俺の話を聞いてよ

別れの電話 取り消せよ

 

と。そしてその楽曲発表から歳月は流れ、再びクレイジーケンバンドがタイガー&ドラゴンで運命の5分を指摘した。

 

俺の話を聞け 5分だけでもいい

貸した金のことなど どうでもいいから

 

まだ青春知らず、子供の世界と背中で睨み合う虎と龍、大人の世界。要は同じ。誠意。本音真っ向勝負の会話。

凝縮された岐路。分かれ道。長い5分。瞬時の5分。

 

誰にも、起こる。

春の氷雨 / ユーミンに伊勢正三に日野美歌だとか

Title : グダグダ言ってねぇでオレと一緒に地下にモグラうじゃねぇか!、濡れたりしねぇんだぞ!。アレ?、いつ上がった?晴れてるじゃねぇか…

 

 

やはり冷たい雨はマイナス・イメージを払拭出来ません。

ぬぐい取れないのであります。お酢ならどう?、とアドバイスくれる方もいますが効果ないと思います。

ユーミンは、冷たい雨にうたれて街をさまようヒロインを歌ったじゃないですかぁー。

もう許してくれたっていい頃だと思って家に戻ったら、ガーン!誰かの赤い靴!。ガーン!。もう他の女性を…しッ、しかもアナタは別の人とここで暮らすというの?。

こんな気持ちのままじゃ何処へも行けやしない、って、そーだそーだ!。掴み合いの泥仕合を展開しても許されるんじゃないッ ?!。

などとひどく興奮するわけでありますが、

伊勢正三は次の様に歌っておりましたネ。

ボクの部屋のドアに書かれていたはずさ、とても悲しい物語だと。窓の外は雨、雨が降ってる、と。

また、日野美歌さんの氷雨でも、外は冬の雨まだやまぬ、と。傘が無いわけじゃないけれど帰りたくない、んだと。

とっても不思議でございます。

冷たい雨は何故か自宅と、マイホームと関連付けられておりますね。

冷たい象徴であるところの外界、すなはち社会と、内なる世界であるところの自宅、すなはち家。温かい避難所としての身の置き所。対照的なのでございます。

しかし…。雨雨降れ降れもっと降れ、と八代亜紀さんは歌われておるのでございまして…。

もっと降れば私のイイヒト連れて来い、で雨宿りに来てくれるのではないかと切に願う女心…。いッ、いじらしい!。

 

何でしたか…。ええと、ああそうそう。今日は寒かったです。

卒業 / 岩崎良美と斉藤由貴と柏原芳恵

Title : 鼻がボタンになる時ってあるじゃないですかぁ~。、ボクがそう。BYライオン小僧

 

 

ついこないだまで、ワタクシ口ずさんでおりました。岩崎良美さん歌うところの、

コートのエリを立てて少しキザにアナタがウィンク、熱い (注:寒い、じゃないんですよォ~これが) 木枯らし 街角抜け 春を迎えに行ったのかしら?、

などとねぇ…。

で、おおおおお~ぉぉ…。春が迎えられるがままに来てしまったんですよね。アレ?、春にはまだ早い?…。でも、春が来た、でいいんだよねぇぇ…。

斉藤由貴さんは卒業の歌詞中、制服の胸のボタンを下級生達にねだられ、頭をかきながら逃げるのね、本当は嬉しいくせして、と男子生徒のことをば歌ったりして、聴く側のコチラとしてはウフゥゥ~ム、いいねぇぇ~、情景が視えるようですたい!と良い心持だったりしたところ、

柏原芳恵さんが、記念に下さいボタンをひとつ、青い空に捨てます、と歌ってしまい、そッ、それはッ!、と微妙な心持に…。

もし言われたのが初々しい自分であったバヤイ、果たしてどう思うのであろうかと…。

くれと言われたからボクに気があるのかナ?、ヘヘッ、なぁどと鼻の下を伸ばしているところへ、お節介な同級生からそのボタンは彼女が空に向かって放り投げたぞとの一報が入る。

ボクは聞かずにはおれないデショー!。そッ、そのボタンはどうなった!。彼女、拾った ?!、そこんとこ重要。

イイヤ、見向きもしなかったなどと聞かされた日には、ガァァーン!

もしかしてこれって冷やかし?。

空にボタン放り投げ捨てオシマイ、だと、あのねえ、ボクの位置づけはどういう事になっているのでしょうか…。

ボクを放り投げたいけど出来ないからって、まさかの代償行為とか…。それとも青空へ羽ばたけというエールの様な………。

ふッ、深い!。青春て深いなあーッ!。悩める世代じゃないですかコレって!。まさに青春ド真ん中 !!。

でも後年まで尾を引きそうな……ウジウジ。アレ、何だこの記事!。意味フメェ~。

帰っておいでよ

Title : 広い荒野にポツンといるよで

 

 

プラタナスの枯葉舞う 冬の道で

プラタナスの散る音に 振り返る

帰っておいでよと 振り返っても

そこにはただ 風が吹いているだけ

 

人は誰も恋をした 切なさに

人は誰も耐え切れず 振り返る

 

◇ 風〈北山修 / 作詞、端田宣彦 / 作曲〉端田宣彦とシューベルツ

明日という字はニチ・ゲツ・ニチと書くのね

Title : 明日という名の取り扱い注意書に目を通している現場監督

 

 

明日という字は 明るい日と書くのね

〈アン真理子 / 悲しみは駆け足でやってくる〉

 

今日はもうやめた

明日がある 明日がある 明日があるさ

〈坂本九 / 明日があるさ〉

 

あなたがいつか言ってた 誰にでも明日がある

だからあの青い空を見るの 若いって素晴らしい

〈槇みちる / 若いってすばらしい〉

 

明日はきっと何かある 明日はどっちだ

〈尾藤イサオ / 明日のジョー〉

 

この肩の重き罪を 明日はとき放て

だから明日に向かって走れ こぶしを握りしめて

〈吉田拓郎 / 明日に向かって走れ〉

 

ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードの主演映画

明日に向かって撃て』の現題、実は

『ブッチ・キャシディとザ・サンダンス・キッドの物語』

なのであります。サンダンスとは何ザンスと言いたくもなりますが、

 

サイモン&ガーファンクルの『荒れる水面に架ける橋』

これも『明日に架ける橋』になってしまいました。

これはこれで日本人的にはシックリくるといいますか、壮大なロマンを感じるといいますか。はなはだ違訳でポールが不信感を抱きかねない危険性は秘めていつつもボクこれ好き、こっちがいい。しかしそれは一層火に油を注ぎかねないわけでブツブツ…。 “明日という字はニチ・ゲツ・ニチと書くのね” の続きを読む

秘密だと念を押され… / 歌謡曲に見る秘密

Title : 寿司ネタの深海魚も姿は見ない方がいいゾー

 

 

近年の日本、秘密ローエイ、暴露、大忙し日替わりメニウでありまッショ!。興味津々のスキャンダルから、果ては深刻な社会問題まで、オールラウンドプレイヤーがメガ・モールを全力疾走で駆けずり回っておりマッス!。しかも集団!。

秘密…。マル秘、極秘、便秘、と話題は尽きない熱狂ウワサ。

 

秘密だと 念を押され

あなたに うなづけば

クールな私に戻る いつも

〈中森明菜 / 1/2の神話〉

 

何が秘密なのか、歌詞には具体的な言葉はないス。ナイスバディ。ファハ。不倫関係なら、頷いたのでタブー愛の共犯者。真意は神話の中?。

 

Moonnight Magic 私のことを 

口説きたいなら 三日月の夜 

Hold me tight 入り江の奥は 

誰も 誰も知らない 秘密の花園

〈松田聖子 / 秘密の花園〉

 

こちらの秘密は、人間関係の秘密ではなくって待ち合わせスポット。世間一般の恋人達が持つ秘密で一番多いのは秘密の待ち合わせ場所なのかもしれんとです。クマ達は間違いなく蜂蜜の花園なのかもしれまヒェン。

 

約束してください 誰にも秘密にして

好きなことは何でも あなたにさせてあげる

〈松本伊代 / 大人じゃないの〉

 

ガーンガーンガーン !!、そッ、そんな大胆な発言ウォーッ!!、と思いきや何のことはない、三日月でブランコだとかピラミッドで積み木だとか、魔女のコがソウユーことさせてあげるってことなのネ。あ、そう。

この秘密は行為に関する秘密なのネ。秘密って色んな要素があるわけッスが、行為に関する秘密が一番危険っちゃー危険なんでショウネ。え?、ボク、性根くさってる?。うッ、嘘だァ…。 “秘密だと念を押され… / 歌謡曲に見る秘密” の続きを読む

三好鉄生と西田敏行のバトン・リレー / モシタラ

Title : 「てか、もし~だったらって此処で空想してんのが好きくね?。オレってマジ出無精、てかシャイだし…」

 

 

もしも あの日 あなたに 逢わなければ

この私はどんな 女の子になっていたでしょう

 

と麻丘めぐみに歌われちゃう ♪ 芽生え。

もしもの話なんだネ。愛しの彼と出逢ってなかったら、今頃私ったら街から街、行く当てもなく泪で歩いてたり、悪い遊び覚えちゃったり、ひっそり暮らしてたり、更には、神の裁きなんかも受けちゃったりしたんじゃないかって想像してるんだね。

アア!彼と出逢えて本当に良かった良かった!。麻丘めぐみ危機一髪、的な。

 

 

涙をふいて 抱きしめ合えたら

あの日のおまえに 戻れるはず

 

涙をふいて 抱きしめ合えたら

どこかで明日が 待ってるはず

 

などと仮の話をみなぎる力で歌い上げる三好鉄生の歌声を、目を閉じアグラ座りで自分を抱き締め、かすかに前後に揺れながら聴いていると、

アアほんとにそうだ。鉄は熱いうちに打て。それで鉄生…。なるほどなぁって。

こちらも、たらはずの話なのよ。もし~だったら、~のはず。仮想シュミレーションってホントに大事。特に血液型Aの人ってそうらしいじゃない?。

 

 

もしもピアノが 弾けたなら

思いの全てを 歌にして

きみに伝える ことだろう

 

と西田敏行。三好鉄生の楽曲 涙をふいて と結論的に違う点は、

涙をふいて、では仮の話が実践されたかどうか不明のまま歌が終わっちゃうのに対し、もしもピアノが弾けたなら、では、

 

だけど ぼくにはピアノがない

君に聴かせる 腕もない

 

と、アラマー、空想をやめ現実に立ち返っての独白があるんだね。つまり、仮の話はあくまで空想、願望なんだと。リアルにビシバシと結論付けちゃうんだね。

ハァククッ!。

 

麻丘さんのは、今だから話せる、アア良かったワなお話。過去を仮定で振り返る、ある意味ヨユーよね。でも、自分の運命を定期的に振り返り、想いを新たにするって大事。だから日記をつけましょーって話なの?。

 

涙をふいて、はリスナーにバトンを渡して、アナタは実際問題として、コレ実行に移しちゃう?って聞いている。勇気あるの?って。

もしもピアノが、の方はバトンを渡さずオレ駄目だった、と独り完結させちゃってるけど、実はリスナーによってバトンを引き継いでいたりするんじゃない?。

いやいや待て待て、今からオレはピアノ教室に行くぜ、みたいな。

 

もし~だったら。

 

ふふふ深いッ!。山芋を掘り出す時に必ずや感じるであろう感覚にも似てッ!。

 

 

近頃少し、地球の男女に飽きたところヨ

Title : 頭の中がテラバイト級妄想星人

 

 

その昔、若者達に熱ッつき情熱がないじゃないのヨ!プンプンとオジサマ達が嘆きつつ若者をシラケ世代と呼んだとかッ。その代表格として、もてはやされたのがショーケンや桃井かおりだったそーな!。

それから数年ごとに若者は新人類だとか宇宙人呼ばわりされたのネ。つまり自分達とは何もかも根本的に違う異星人なんだッ。とね。

 

それでもいいわ 近頃すこし

地球の男に 飽きたところよ 

ハァウッ!

 

などとピンクレディーのUFO大ヒット。みんな宇宙人感覚が身近だったわけだから!。

それが今じゃどーよ。ハン?。大人から子供まで年代別に宇宙人ッ、同世代でさえ異星人ッ!。

地球上 隣は 何する異星人

なハァ~んチってゲラゲラ。そしたらッスねー、今時は若者同士が憧れる異性人異星人はでヤンスよ、超美形てことなんスね。へ?、意味不明?。ンな人は下の歌詞をどホぞッ。

 

ウツツぬかした美少年 この世の人と思えない

青い眼差し 冷たいね  燃える心も凍らせる

空の涙ね 流星は 銀河をすべる片思い

〈Wダブル・ユー / センチ・メタル・ボーイ〉

 

センチメンタルではなくセンチメタルというのが今風なんだけど、実はバブル華やかなりし頃の歌のリメイクなのよネ。当時はキララとウララが歌ってたんだけれどもが、アーアーけれどもがー、ちょっと時代の先端行ってて皆ついてこれなかったのかナハン?。

スっかスですネー、よくよく考えてみれば織姫彦星もコレっしょ?。コレっスねー。美形異星人的むかし話。

アタシはセンチタメルの方っス。50円玉だの100円玉だのが1センチの高さになるとちょっと高めのスナック菓子を買いに走る。

どーよ。超微軽なボクったら~ん。

別れた後あなたは……

Title : 行き止まりトンネル奥で思案中の大道芸人

 

 

後悔先に立たずと言フ。確かにそホであるとつくづく思フ。かつてザ・ピーナッツは大阪の女といフ名曲の歌詞中で次のように歌い上げて見せたのである。

 

もっと尽くせば よかったわ

我がまま言って 困らせず

泣いて別れる 人ならば

 

と…。この歌はボクのカラオケ指定曲でもあるファけで、シンミリ感ひとしおジンジン、ジヒィ~ン、といったところか…。誰でも常にあらゆる事柄で後悔しまくるわけで、今度こそは悔し涙に暮れないよフにと気持ちを新たにするものの、いつの間にやら…。

 

どうしてどうして 

出来るだけ やさしくしなかったのだろう

二度と会えなくなるなら

 

と悲痛な面持ちで歌われる松任谷由実のリフレインが叫んでる。主人公はスケジュールの合間、時間を見つけては、かつて彼とドライブした想い出の場所に車を走らせる。ひとつ前のカーブまで引き返してみよう…あの駐車場に彼も来ている気がする…。はかない夢、胸張り裂ける願望。ありもしない幻だと知っている筈なのに。今日も夕映えになってしまった。諦めて帰らなければならない時間だと。

 

時の経過。誰もが後悔に、未練に、折り合いをつけなければならない。その時を迎える。その時が来てしまう。何故来るの?。どうして?。

前へ進めないから。進めなければ心の崩壊が始まるから。

 

クールファイブ前川清は楽曲神戸の中で自虐的で確信的な歌詞を吐き捨てる。

 

誰かうまい嘘のつける 相手探すのよ

 

誰かと一緒でなければ生きてはいけない弱さ。独りでは到底無理だ。でも二度とあの苦痛を味わいたくはなヒ。最初から本気になれない相手となら、偽りの恋愛ならきっと大丈夫だと…。追い詰められた果ての恋愛虚飾。罪だろうか。

 

声上げて笑う癖も すぐに涙ぐむ癖も

みんな

あなたと知り合い 覚えたこと

気が向けば 電話して

グチでも こぼして

 

完全に相手との音信を絶たない。面会すらあるという女心。これもまた自己崩壊を防ぐひとつの得策かもしれなハい…。むなしさつのる自己救出法かも。でも、少しの間なら立ち直れる可能性を探る時間稼ぎにはなるかもしれなヒ。

南沙織は当初シングルレコードB面だった気が向けば電話してを何とかA面にしたくて仕方なかったのだといフ。この曲のスタンスこそが彼女そのものなのかもしれなヒが…。

 

悲しみに出会うたび あの人を思い出す

こんな時そばに居て 肩を抱いて欲しいと

 

中村雅俊歌フところのふれあい。この主人公は次の相手など想定していないようだ。想定していたなら過去に囚われたいスタンスなど持つはずがなヒ。

 

憎い仕打ちと 恨んでみても

もどっちゃ来ない あの人は

 

 

柳ケ瀬ブルース美川憲一。ほろり落とした涙でさえエメラルドになぞらえる様子は夜の街に生きる人間をほうふつとさせる凄みを感じる。

 

別れ。それと等しく重い、

そのあと

 

 

心はいつも星屑の街

Title : 歌でオレの人生を振り返っている以上、このマイクはお前らには絶対に渡さん

 

 

あなたをほんとは 探してた

この世にいないと 思ってた

信じるこころを なくしていたが

けれどもあなたに 愛を見て

生まれてはじめて 気がついた

君こそ命 君こそ命 わが命

 

主人公は遂にその人と巡り合った。けれども既に遅かったのだと言う。どんなに愛しても貴女を傷つけるだけ、だから離れてゆくのだと。つまり自分より相手の幸せを優先させたのネ。じゃぁ、本物だ……。

 

両手をまわして帰ろう 揺れながら

涙の中を たったひとりで

やさしかった 夢にはぐれず

まぶたを閉じて 帰ろう

まだ遠い 赤いともしび

〈三嘴美智也/ 星屑の街〉

 

大丈夫、大丈夫。皆そうなんだから。誰だってそうなんだから。そうは見えないけどあのヒトだけは?。そう。そういういい時があるから励みになるのホ。

順繰りだって絶対信じない?。そうそう、皆そう思ってる。誰だってそフ。今アナタが言った、あの人だけは。あの人もそう思ってたんだよ。

順繰りなんて自分にだけは、ないって。

 

間違ったことさえしていなければ。信じるのをやめることなんてないのホ。

そうは言っても心は折れる。きれいごとより考えるのは何もない白い紙のこと。

 

夜と朝の間に ひとりの私

天使の歌を聞いている 死人のように

夜と朝の間に ひとりの私

指を折っては繰り返す 数はつきない

遠くこだまを 聞いている

鎖につながれた むく犬よ

お前も静かに眠れ お前も静かに眠れ

〈ピーター / 夜と朝の間に〉

 

 

あなたをほんとは探してた。この世にいないと思ってた。

 

 

黄昏を ひとり歩くきみの

横顔がとても 好きだった

別れても 私は信じたい

いつの日か あなたに愛される愛の奇跡

〈ヒデとロザンナ / 愛の奇跡〉

 

 

懐かしさの聴き比べ / 松田聖子 & 松任谷由実 & 八神純子

Title : 「そんなに昭和が懐かしいなら箱の中に両手を入れて昭和か平成か二枚のうちどっちかを引き当てて見ろッ」「分かったよ。やるよ。ちょっと待ってて」

 

 

肌寒い、暑い、を日替わりサンドイッチ、サンドバッグではないですかああ…。疲労フラフラ、そホだ、こんな時はポークジンジャーだなどとジャージューしてモグモグ、ハゥゥ、旨ヒ…。そして寝転がり天井をぼわぁ~と見ているとフイに

みんな昭和は良かった、昭和が懐かしいと言フなぁぁあぁ…、とバンヤリ思っていると眠気を乗せたカボチャの馬車が土煙を上げ全速力でコチラに向かってくるのが見へた。まずい…。寝てハならなヒッ、そうだ音楽を聴こフッ。

 

 

懐かしい痛みだわ 

ずっと前に 忘れていた

でも あなたを見た時

時間だけが 後戻りしたの

 

失った夢だけが 美しく見えるのは

何故かしら

過ぎ去った 優しさも今は

甘い記憶 SWEET MEMORIES

〈松田聖子 / SWEET MEMORIES〉

 

 

懐かしいあの人に 人ごみの中で会った

微笑む顔が 少しはにかむの

昔のままだわ

傷ついた恋なのに もう跡形もないのよ

偶然 会えたら 泣き出しちゃうと

思っていたのに

〈松任谷由実 / GOOD・LUCK & GOOD・BYE〉

 

 

そおかあ~。昭和を懐かしがる人達も

SWEET・MEMORIES、

GOOD・LUCK&GOOD・BYE、

なんだあ~。うむうむ…。なッ、泣けるッ!。ヒャァァァーッ !!。

 

 

やさしく 時は流れ過ぎて

ひとり 振り返る

今でも あなたの微笑みを

感じることが あるのよ

思い出は 美しすぎて それは悲しい程に

もう二度と 手の届かない

あなた 遠い人

〈八神純子 / 思い出は美しすぎて〉

 

 

女性は男性の微笑んだ顔を思い出すことが多いのかな。懐かしさと言えば、悲しい顔、ではなくて笑顔だもんね。

懐かしさ、のってフトコロって読むじゃない?。相手の懐に飛び込む、とかって…。フトコロの深い恋人と別れたら、懐かしさも深いはずですヨ、

きっと…。

 

 

桑田佳祐のバラード / 真夏の果実

Title : 若葉の中、いつまでも若く

 

 

大抵の楽曲って、男が主役か女が主役か、割とハッキリしてますヨね。男言葉とか女言葉でなくっても、歌詞の内容で簡単に分かっちゃったりネ。

サザンオールスターズの真夏の果実って、その点では稀な楽曲ですヨ。男、女どちらが主人公だか分からない。というか、きっとどちらでもあるってコンセプトなのかもネ。加えて、何かどこかしら中性的な主人公だなって雰囲気も。

 

 

泣きたい気持ちは 言葉に出来ない

今夜も冷たい 雨が降る

 

こらえきれなくて ため息ばかり

今もこの胸に 夏はめぐる

 

こんな夜は 涙見せずに

また会えると 言ってほしい

 

 

主語のない歌詞。具体的な物語も一切描かれていないということはドラマの要素がないってことですよネ。だから誰もが主人公を自分に置き換えることが可能。

物語性のある楽曲って多いでしょ。とても具体的だから?リスナーの心に入りやすいですもんネ。ということは真夏の果実の場合、漠然と主人公が自分の想いだけ、気持ちだけを描写しているだけなので、具体性が薄らいでしまう。はず。普通なら。大抵。

胸に迫る、心を射抜く説得力がこの歌にはありますヨ。もの凄く具体的な説得力です。良い楽曲が加工されたダイヤの工芸宝飾品なら、この歌はダイヤの原石に当たるのかもしれません。

真夏果実という二つの言葉を並べると夏のアバンチュール的な要素を連想してしまいますヨね。実際そういう内容の歌も多いですヨ。もしかしたら、この主人公もそんな感覚や心持ちで恋愛ゲームを始めたのかもしれませんヨね。

アバンチュールだからといって、割り切った遊びだからといって、そんな遊びには切なさ、いとおしさ、狂おしい思いなどは無縁。そう思い込んでいただけで、本当はそうじゃないのだとしたら?。

途中から相手に夢中になった、真剣になった、本気になったってお話、よく聞きますヨね。お遊びじゃなくって真剣で真面目な交際に切り替えたいんだって。 “桑田佳祐のバラード / 真夏の果実” の続きを読む

チェリッシュ楽曲にみる日本人の疑問 / 激動の1970年代

Title : 聞きたいけど聞けないよ

 

 

そうなのデッス。彼女はキミの眼を覗き込み、ほんのポテチのかけら程の嘘さえ見落とさないワヨといった表情で、聞いてくるのデッス。それとも心の中でささやくだけカモ。その場合、目は口ほどに物を言フ、で一層怖いッ。

 

なのにあなたは 京都へ行くの?

京都の町は それほどいいの?

この私の 愛よりも

〈チェリッシュ / なのにあなたは京都へ行くの〉

 

確かに近年、京都の人気はモーレツなのでフ。特に海外観光客の皆様方にねヘ。

最初ッから彼女と一緒に京都へ行ってれば何の問題もなかったでショーニ!。独りで何度も行けば、それはとってもオカシヒ。誰だってオカシヒと思フ。

 

白いギターにかえたのは 

何かわけでも あるのでしょうか?

このごろ とても気になるの

〈チェリッシュ/  白いギター〉

 

アイテムを変えるッチュウーのは別段珍しくもおかしくもなヒ。それを彼女がこだわってしまフのは、白いギターだから?。確かに男が白いギターというのは解せなヒ。

当時放映されていたと聞くTVクイズ番組の景品でもらったといフ事実もなヒ以上、彼女にすれば他の女性のギターを借りてきたのではないか、もらったのではないか、といったヤうな激しヒ疑いを持つはトーゼン、ボーゼン、レディーボーデンなわけだハー。歌詞2番になると更に、

 

爪をかむのを やめたのは

なにか理由 (わけ) でも あるのでしょうか?

黙っていると 気になるの

 

と彼女は聞く。いや、怖くて聞けず実際には心の中で尋ねているだけなのかもしれなヒ。いわゆるオンナゴコロっチウやつだホ。

爪をかむのをやめなさいと別の女性がさとして彼が爪をかむのホ止めたのだとしたら、その彼女の存在は彼にとって絶対的といフことになってしまフ。そんなのヤダ、私何なの?カヤの外、ビエイ。最近たまに底冷エイ。

チェリッシュお二人は更にさらにひまわりの径といフ楽曲でも質問を続けエる。

 

わたしの夢は 終わりでしょうか?

もう一度 愛の行方を 確かめたくて

 

いけないひとは 私でしょうか?

それなのに 涙しのんで 振り向くなんて

 

と…。チェリッシュのこれらの歌が発表されたのは1970~1972年の間でファ。当時、日本国内ではどんなことが起きたかと言フと、 “チェリッシュ楽曲にみる日本人の疑問 / 激動の1970年代” の続きを読む

もうひとつの歌謡曲 / 誰にでもある・その気持ち

Title : BAD BOY

 

 

ちっちゃな頃から 悪ガキで

15で不良と 呼ばれたよ

ナイフみたいに とがっては

触るものみな 傷つけた

アア 分かってくれとは 言わないが

そんなに俺が 悪いのか

ララバイ ララバイ おやすみよ

ギザギザハートの 子守唄

〈チェッカーズ / ギザギザハートの子守唄〉

 

 

暗い 暗い眼をして すねていた

弟よ 弟よ

悪くなるのは もうやめて

あなたを捨てた わけじゃない

〈内藤やす子 / 弟よ〉

 

 

そうさ 朝から晩まで NIGHT&DAY

いつも働きっぱなし

まるで犬ころみたいさ NIGHT&DAY

なのに文無し NIGHT&DAY

シャクな金持ちどもを

みんな 黒く塗りつぶせ

〈矢沢永吉 / 黒く塗りつぶせ〉

 

 

お前は 大きくなり 自由がほしいと言う

私達は とまどうばかり

日に日に気むずかしく 変わってゆくお前は

話を聞いても くれない

親の心配 見向きもせず お前は出てゆく

あの時のお前を 止めることは

誰にも 出来なかった

〈杉田二郎 / ANAK〉

 

 

ドブに落ちても 根のあるやつは

いつかは蓮 (はちす) の 花と咲く

意地は張っても 心の中じゃ

泣いているんだ 兄さんは

〈渥美清 / 男はつらいよ〉

 

 

あなたひとりに賭けた恋 / クールファイブとオーヤン・フイフイ

Title : 「何も賭けんでええよ」って、アンタまさかのヒゲジイ星人ッ!

 

 

昨日寒くって今日はポカポカ。うふぅむ…遂に春よネと上機嫌で歩いていた夕暮れ時、何故か突如的に激しい雨!。

ハァァウッ !!。

慌てて喫茶店に飛び込み窓辺に陣取る。降りの強さは?と外を見やると雨はやんでて通行人が傘をおろす姿も見えちゃったりして、何これ、通り雨?。こんな時は必ずジューシ-・フルーツ歌うところの ♪ ジェニーはご機嫌ななめ、の一節を口ずさんでしまいマッス!。

 

♪ いつもそうなの 誰か私に

イジワルしてるんじゃないッ ?!

 

♪ もっとチヤホヤしてなきゃダメよ、昼も夜もッ、とまでは思いませんけども、まぁ…そこそこ…。ある程度の配慮は欲しくはあるのデッス!。

 

しかし再び強い雨がッ!。ハァァウッ!、駆け出すあの人はサッキのボーク!。良かった喫茶店代ムダになんなくて、とか何ちゃぁ~ソレッ。

で、ふと頭に浮かんでしまった内山田洋とクールファイブの

♪ 長崎は今日も雨だった

主人公はこう歌う。♪ あなたひとりに賭けた恋 と。つまりは遊びではない本気の恋。男性か女性かは分からないが、主人公は愛する人の姿を探し求めてさまよい歩く。恐らく、あてどももなく…。

 

♪ 行けどせつない石畳  

どこまでもそれは続く。迷路を繰り返し終わらない。

 

一方、オーヤン・フイフイの ♪ 恋の十字路、に登場するヒロインもまた同じ心境を吐露。

 

♪ まっすぐ行こうか 曲がろうか 

あなた一人に賭けた 恋、恋…

 

このヒロインもまた ♪ 雨の舗道に捨てられる。

 

そうッス。全力投球でそうなのッス。自分の人生を愛する誰かに賭ける。かげがえのない唯一無二だと信じた人に託す。そして彼、彼女の姿を突然見失う。進むべき路を見失ってしまう。大澤誉志幸 (おおさわよしゆき) も歌った。

 

♪ そしてボクは途方に暮れる と…。

 

途方に暮れたくない。再起不能になど絶対になりたくない。誰でもそう。いつでもそう。

そんな結末など思い描きもしなかった。その危険を僅かに感じても人は必ずソレを否定する。悲劇を受け入れる選択肢などない。ハッピーエンドにしてみせる。

だって、悲しい結末の可能性を受け入れたら…。

何もなくなってしまうから。

 

雨は入店20分後にはやみ、ボクは足早にスーパーへ急ぐ。

お惣菜が何もなくなってしまうから。

 

アアッチャァァーッ!。ボクが賭けるのは、おッ、お惣菜程度ッ!。

 

あんたの知らない明日もある / クレイジーキャッツの学生節

title : おフトン干すからソコどいてヨ

 

 

クレイジーキャッツというジャズバンド兼コミックバンド、凄かったのよねぇ~。リアルタイムではあんまし知らないンすが。

彼らの歌に学生節というのがあるのよネ。1981年5月に発売されたらしいじゃないのコレが。それなのに今でもバッチシ新しくて斬新な歌詞だから驚き桃の木サンショの木なのですねコレが!。

 

♪ ひとこと文句を言う前に ホレ親父さん、ホレ親父さん

あんたの息子を信じなさい ホレ信じなさい

 

と歌われるのはウ~ン~納得感おありなすってなんだけど、

 

♪ どっこい ここは 通せんぼ

ここにはは入れぬ わけがある

あんたの息子を信じなさい ホレ信じなさい…

 

と、くるわけなのよね。それで信じろって無理があるよねぇ~。といいつつ、無理はないかも、無理はないかも!。

例えばうら若き乙女が息子の部屋に。閉め切って出て来やしないじゃないの未成年なのに!と。

だがしかし、だがしかし!。息子は彼女の深刻な切羽詰まった悩み事を恋人でもないのに真剣に受け止めている最中かもしれんのだなコレが!。

アーアー!しかししかし!、そうは言われてもねー!、受験が目の前の息子が横道それたらドーすんの!、とまぁ、取り乱し大作戦も分らなくはないでしょうに小児科病院。

でもまた今じゃ息子の部屋ご禁制っていうのも確かに怖いものアリ。スパルタ教育は問題、放任主義も危ういッショ?。

そんじゃ真ん中取って、なんちって口で言うのは簡単だけれど実際問題、真ん中なんてむずかしくないでショーカ?消化不良。

アアアア、悩むのよねぇぇ…。昔は食卓でお父さんが新聞読みながら妻の手料理食べてっと妻から罵声がとんだわけですよねぇコレが。当然かと思いますけれども、今では夫も妻も子供もスマホ見ながら大作戦24時間フルタイムなわけですから誰ァれもそんなこと言いませんデッショ?。いやいや、分かりませんよねぇぇ。

コチラも二極化で案外ケジメつけてるご家庭もおありかと存じまス。

 

にしてもクレイジーキャッツはこうも合唱しておられまショ?。

 

♪ あんたの知らない明日ある

ホレ 明日もある ホレ 明日もある

 

す…鋭い……。何だか恐いよぉぉぉぉ……エッ、エッ…。

経験の回数で分かる恋愛事情/ リフレインする夏が叫んでる

Title : 恋愛経験よ、キラ星のごとくアタチに降れ!

 

 

ナニゴトも経験、とよく聞きます。人の経験談はタメになったりもしますよねぇぇ。辺見マリさんは ♪ 経験 という楽曲で悪い男の人だと知りながら交際を拒めない女性の心理を切々と歌い上げておられました。

そういう恋愛を私は経験してしまった、という強烈な自責の念を込めてのことなのでしょうねぇぇ…。経験というタイトルで強調したとこ、ミソですよ。次回にどう影響するんだろうってことなんでしょうかねぇぇぇ…。

 

山口百恵さんの ♪ ひと夏の経験。これまたタイトルに経験の文字。未成年者にとって、恋愛経験とは大人とは比べ物にならない程にメガトンな重みを持ちますよねぇぇ…。その後の人生に良くも悪くも尾を引いたりしちゃうでしょう?。ナメクジが去った後のようなキラキラとしたダイヤモンドダスト的な輝きばかりとは限りませんしねぇぇぇ…。

♪ 誰でも一度だけ経験するのよ 誘惑の甘い罠

なんですけど、これって一度だけしか出来ない経験のことを指しているわけですよねぇぇ。二度は絶対にない、と言い切れる事柄についてだけの行為に臨む前の決意表明ですよねぇぇ。そういった経験は是非とも身を結んで欲しいものであります。

けれどもシカシ、よくよく聴けば聴くほど、恋愛ソングってそもそも経験した内容を歌っている歌詞が主流なわけだったりしますシ。

だもんで、実際に恋愛経験しちゃう前に理想の恋愛経験することを夢見ている、といった内容の歌詞だとイマイチ臨場感に欠けるって、ありますよねェぇ…。

 

サザンの名曲中の名曲 ♪ 真夏の果実で狂おしくも切なく歌われるあの歌詞…、

 

♪ 今もこの胸に 夏は巡る

 

そう…。マイナス100度の太陽みたいな恋をしたあの夏の経験をリフレインしているのですよネェェェ…。ユーミンの ♪ リフレインが叫んでるだって別れた彼との恋愛経験がいまだにずっと尾を引いているのですものねぇぇぇ…。

心に打ち込まれた、悲しく切なく残酷にもこの身を苦しめるクサビ。そうと知らず手放してしまった相手との日々。

そう思うと、もはやそれを経験という言葉で片づけて良いものかと思いません?。ですよねぇぇ…。だって、次に生かせる体験が経験という実のある過去じゃないでしょうかァァァ…。次に生かすも何も、二度と立ち直れない恋愛経験というものも有るのですしねぇぇぇ…。トラウマ、そう呼んだほうが適切なものも有るんですよねぇぇぇ…。

 

むむむむむずかしー。むずかしすぎる、恋愛というジャンルにおける経験!

経験を積んで幸せになれました。

誰もが望むのは、そういう恋愛なんでしょうけれどもねぇぇぇ…。

北國の春にみつけたもの / 故郷への花言葉 / 千昌夫と五木ひろし

Title : 帰郷

 

 

歌謡曲の作詞を眺めていると楽しくなる。作詞家の心密かなる、

気付いてお願い!

に気づいて余裕の笑みを浮かべる愚かなるワタクシ…。なはァ~んちって、ウソウソ、花言葉を検索しただけなのデシタッ。

 

例えば、アジアで絶大な人気を誇る千昌夫歌うところの ♪ 北国の春。

♪ 白樺 青空 南風 ~ と始まる有名な出だしは、

こぶし咲く…、と続く。

こぶしの花言葉は、“ 友情 ”、“ 愛らしさ ”。作詞家のいではくサン、ボク誉めてェッ。はッ、早くッ!。

 

同じく故郷への望郷の念を歌った五木ひろしの ♪ ふるさと、では

野イチゴという言葉が出てくる。野苺の花言葉は “ 幸福な家庭 ”。

杏の花という言葉も。花言葉は “ 恥じらう乙女 ”、“ 早熟な恋 ”。

作詞家の山口洋子さん、ボク誉めてェェェーッ!。いッ、今すぐッ!。

 

双方共に故郷への思いを切々と歌い上げてマッス!。二つの楽曲の花言葉を並べると、友情、幸福な家庭、早熟な恋…。

なぁぁぁるほどねぇぇぇ…。ふッ、深いッ!。どちらの歌詞も花言葉通りの歌詞内容で綴られているッ!。

 

言葉を大切にするって、こういうことなんですねぇぇぇ…。

ユーミンの楽曲で考える時の流れ / 卒業写真と最後の春休み

Title : 夜汽車は走る〈しばらくお別れ〉 

 

 

やっぱり時代なんでしょホホホォ…かねぇ。ワタクシ達もチョビッとビット反省すなければならないのかもひれませんネ。ネネッ?。

例えば、ユーミンの楽曲! ♪ 卒業写真 デス。あの一節、覚えておりましょホ~?。

 

♪  話しかける様に 揺れる柳の下を

通った道さえ 今はもう 電車から見るだけ

 

スマホに目が釘付け歩きィィッ!、ハァウッ!。せっかく話しかけて下さった柳さんにも気づかず無視する形にッ!。

当然、この名曲が制作されたころは完全想定外のコンニチこの頃だったでしょうけれど…。じッ、時代ッてヤツァ~………。

 

同じ様な指摘をもう1サンプリングしてしまいますけれどワタクシ…。

 

♪  もしも出来ることなら この場所に同じ時間に

ずっとずっと うずくまっていたい

 

楽曲中のヒロインは卒業直後の春休みに、忘れたものを学校の教室に取りに行ったのデス。そホして、そホしてですねぇ~、あの片思いだった彼とのエピソホドなどを、ついぞ走馬灯の様に回想してしまうのデス。

目立たなかった私となんて交わした言葉数える程、だったり、アルファベットの名前順さえアナタはひどく離れていた、などとトコトン彼とは縁のなかった我が身の運命を皮肉交じりに誰もいない教室で回想する…。

しかし、これが今だったら?。どホ?。…………ネ?。ですよねぇぇぇ…。

縁のないカレシにメールでコクること可能。カレシの画像添付返信メールのおねだりもカノホ。

万が一にも彼と誰も居ない春休みの教室で一緒にうずくまっていることが実現したとしてもデスよホ?、アナタなら果たして何分くらいスマホ電源オフにしていられますかハ?。ひとことも喋らないで、ただじっと相手の存在感を噛みしめながらうずくまり続けるのでゲェス。

憧れのカレシと同じ場所で同じ時を共有していることに酔いしれ、頭真っ白、鼓動バクバクで言葉すら発することが惜しい極上の沈黙をお楽しみになることが出来るのでしょホッホ~か?。

仮に出来ても、立ち上がりざま、「あの…。ツーショットいいですか」

なッ、なハどとスマホを立ち上げちゃったりするのではッ ?!。そ、そのぶち壊し感てどうなのホ~。

 

ウフゥゥムゥゥゥ…。ですよねぇぇぇ…。

揺れる柳とアイコンタクト、心の中で話しかける…。言葉に出来ない3年間の彼への想いを、ふさわしき教室に埋没し寡黙に噛みしめる……。

あハァァァァァァ………。ハァウゥッ!!。

 

とッ、遠いッ!!。その沈黙のみなぎる想いの強さは既に遠すぎる過去ッ!!。やはり今はインスタ映えポイント探し探され、あれやらこれやらワイワイ。

 

 

しかし、ユーミンの ♪ 最後の春休み、最後の歌詞が余りに鮮やか、お見事キャプテン!!。

 

♪  そよ風運ぶ 過ぎた ざわめき

今は春休み 最後の春休み……

 

時が流れても一切色褪せないユーミンの名曲の数々、本当に傑出したアーティストなのデスねへェェ…。シズル感 (汗が滴るような臨場感) 溢れる抒情的な娘心の記録。何といフ万人受け歌詞でしょう!。誰にでも分かる簡単な言葉を用いて誰の心のスクリーンにもありありと映像を描かせてしまフッ。そしてリアルで具体的でロマンチック、エスプリ効いたユーモア光るセコさも散りばめッ!。

こッ、これって、まさに女性による女性のための恋愛テキストッ !!。

こんな天才肌の、大衆に寄り添った歌物語のカタリベなヒト、二度と出ないかもしれませんねヘヘヘヘェェェ…。

 

 

「ずっと、お皿にうずくまっていたい…」「誰も取らなきゃねー」

〈甘エビ、茹でエビ、赤エビ3点盛り〉

 

アイドルを超えたエンターティナー / 郷ひろみ

Title : ウラのウラはオモテ子ちゃん

 

 

ジャニーズ事務所天下取り創世期、突如として彗星の如くブラウン管に登場した世紀の無重力BOY、その名も郷ひろみ。何故に無重力なのかというと、浮上するしかないから。つまり異性人達を地に足がつかない状態にし、自らも昇りつめてゆくだけ、だから。

ここで彼の才能云々は述べません。今更その圧倒的な存在感について語るは不必要。既にあらゆる人々が評論し尽くしていますから。

日頃より、郷さんに限らず、歌手名とは複雑怪奇な運命を本人にもたらすものだとつくづく感じます。

郷ひろみは ♪ 男の子女の子 で鮮烈なデヴューを飾りました。その歌詞中に出てくるヘイヘイヘイ、実はここがキラ光りするポイントだったように痛感します。

新人は広く名前を覚えてもらうのがまず第一の関門。それは視聴者側にも良く分かっている事。通常ならヘイヘイヘイの歌詞部分は郷ひろみの郷をもじりGoGoGoとするのが常道というものでしょう。そこをあえて裏をかきヘイヘイヘイとする。見事です。

肩透かしをくらったファン達は、反動で自分達がGoGo!と合いの手を入れる様になりました。

裏を返せば、こうも言えます。もし郷ひろみという歌手名ではなく、

平 (たいら) ひろみ

だったとしたら…。今度はヘイヘイヘイの部分は平 (たいら、へい) の名前を覚えて欲しいんだと思われてしまうでしょう。ですから、平ひろみの歌手名だった場合は、逆に歌詞部分はGoGoGoになっていたことでしょうね、ウラをかくという意味では。

いずれにせよ、その後彼はあまりにもビッグな存在となり、Goでもヘイでも全く関係がなくなりました。

 

併合 (へいごう) されたのです。

 

やさしかった恋人達よ、振り返るのはやめよう

Title : タイムマシン・ワンワン

 

 

かつて田原俊彦は歌った。パステルに染まった高原のテレフォンボックス、電話をかけるキミと偶然バッタリ出会ったよ、って…。

ハッとして、グッときて、パッと目覚める恋。そんな出会いがしらがステキな電話ボックス。は戻っては来なかったのデスね。

西城秀樹さんが頑張ってブーメラン、ブーメラン、お前はきっと戻って来るだろうって歌ってくれましたけど、戻ってくるはずのないことってあるんですねぇぇぇ…。それが時代、時の経過なんでしょうねェェ…。

でも深刻に考えても仕方がありません。竹内まりやさんも、明るくさわやかな歌声で優し気に、戻っておいで私の時間、と告げましたが彼女の場合は自分のリラクゼーションタイムに関してのことでしたので、それは戻ってくることが出来ました。ワタクシも嬉しく思いますマス。

技術の進歩による悲劇っていうのもつらいッス。レコードのドーナツ盤がCDになる、から始まってビデオテープもDVD。まさに近藤真彦が指摘した通り、青春の手前で裏切りはないゼ状態の人が続出しちゃったのでしたネ。この機器まだ使えんのにッ!。マジ危機?。

アイテムも人の想い出も、過ぎ行く時の中ではかすんでしまったり、消滅したり。かと思えば突然蘇ったり。品物も人の想いも結局同じ、復刻版アリ。

だけど松田の聖子さんは歌う。帰りたい帰れないアナタの胸に、想い出に背を向けて…と。伊勢正三も呼応するかの様に、やさしかった恋人達よ、振り返るのはやめようって歌ってますしねぇぇ…。

確かに。立ち止まらずに断ち切り、進むしかないのでしょう。進み歩くと書き、進歩と呼ぶ以上は…。

人の想いに進歩はいらない。過去の出来事って歩かないもんねェ。ずっとそこに残ったまんまだものなァァァ…。必要なら過去のソコへ出向くしかないのよネェェェ…。

ですわよねェェ…。

 

近年作られる楽曲の多くは “ 時 ” について歌う時、先の未来について想いをはせるものが多い様な気がしますが?。あまり過去について語りません?。悲しいことが多すぎたのかな?。

「そこで問いたい!」と急に田原総一朗的に言っちゃいますけど、

サイケデリック・・ミカ・バンド・歌うところの ♪ タイムマシンにお願い、みたく過去にさかのぼりたい人どンだけいますかネ。大人になりたくない、けど過去もイヤって若い子多いっショ?。

 

♪ アンモナイトはお昼寝 ティラノサウルスお散歩 アハハン

て、こッ、怖い怖いッ。

湖がロマンスだった頃

Title : 「イメージ違うて、よく言われるんですワ。けど、ワテが湖の精です。ホンマですて!」

 

 

かつてグループサウンズという時代があったのでしょう?。失神グループとアダナされるオックスというバンドがありました。本人達が失神するのではなく女性ファン達が感極まって失神するのですネ?。

彼らの代表曲のひとつ、スワンの涙。その歌詞では

 

♪ いつか君が見たいと言った 遠い北国の

悲しい姿 スワンの涙

 

というのがあり、同じくグループサウンズのショーケン率いるテンプターズの代表曲、エメラルドの伝説でも、

 

♪  に 君は身を投げた

花の滴が 落ちるように

は色を変えたのサ 君の瞳のエメラルド

 

と歌われておるのデス。

 

グループサウンズではない布施明さんも、

 

♪  いつかアナタが 話してくれた

北のさいはて 摩周湖の夜

 

と歌い上げておられます。

 

♪ 幸せが住むという 幻の湖

幸せに会いたくて 旅に出た私よ

 

と中村晃子さんが歌っている虹色の湖の歌詞を聴き、いきなりハァァウッ!。もしやもしや、この時代って何故だか湖が幸せの象徴ッ ?!

とッ、ともかくッ、何故この時代に湖が固執されたのかよく分かりませんが、確かに湖って月光の夜も霧の朝も神秘的ではありますねェェェ…。

 

個人的には琵琶湖周航の歌が好きっス。

作詞で紐解く今この時 / 君を乗せて

Title : 夜を行く鳥

 

 

◇ 君を乗せて(作詞 / 岩谷時子 、作曲 / 宮川泰 、歌 / 沢田研二)

 

 

 風に向かいながら 革の靴をはいて

 肩と肩をぶつけながら 遠い道を歩く

 ボクの地図は破れ くれる人もいない

 だからボクら 肩を抱いて ふたりだけで歩く

〈一部略〉

 人の言葉 夢の虚しさ どうせどうせ知った時には

 君を乗せて夜の海を 渡る舟になろう

 

A 2人の主人公は若すぎるカップルである。未成年者かハタチになりたてといったところ。そのキーワードが革(皮)の靴。これまでスニーカーだった2人が初めて革の靴をはいたのだろう。大人にならなければ、しっかりしなければと自分達への想いを込めて履いたのではないか。

B あどけなさの残る2人はまだ子供に近い。肩と肩をぶつけながらで表現されている。心細く不安な世間への船出。片時も離れず互いの身体に触れていたい思いが伝わってくる。恋愛慣れした2人なら肩を抱き寄せられているか互いの腰に手を回しているかだが、未熟な関係だと推察出来る。

C 地図は破れて目的地へたどり着けそうにない。実際の場所ではなく進むべき予定だった人生進路を指しているのだろう。くれる人という甘えが残っている。

D だからボクら。ボクの地図が破れたのだ。相手の地図は?。ボクの地図だけが相手の頼りだったことが解る。彼女は彼の夢についていこうとしている。彼の地図が彼女の地図、彼の夢が彼女の夢なのだから。

E どうせ知った時には。どうせまたそうに違いない。hitono地図が口車に乗ってたてた将来への地図。騙されたのかもしれない。破れた経験から学習したのだろう。少しずつ大人になりかけているのだ。ただ聞き流せばロマンチックな歌詞。その裏に具体的な事件を忍ばせる作詞者の力量が光る。

F 夜の海。地図もない夜の海。全てが手探り状態の2人。どうせそうなんだろう。そうなることは分かっている。彼女を守れるのは自分しかいない。彼女のために彼は急速に大人になろうとしている。

(注) あくまで個人的な解釈です。作詞家に聞いたわけではありません。

 

今の時代は革の靴をはくのに年齢の概念など論外。はきたければ、はかせたければ誰にだってそうする。つまり、品物からイメージ・ステイタスが消えたのだ。今や物品が何かを象徴する、ということがないのだ。オット、たったひとつあった。金額で金持ちかどうかを推測する。アレが買えるってことは相当金持ちだ、みたいな。

傷つくのが怖い若者達は君を乗せる舟に成り得ない。なりたくもない。そんなお荷物マッピラ。勿論、舟になる人もしっかり居るのだが。

舟に例えたのは揺れながら歩いているからだ。石田あゆみの ♪ ブルーライト横浜 ♪ 歌詞中にも “ わたしは揺れて 揺れてあなたの腕の中 ” とある。三橋美智也の ♪ 星屑の街 ♪ にも “ 両手を回して帰ろ 揺れながら ” とある。双方、舟を象徴しているわけではないが、どちらも夜のシチュエーション。闇を大きな海原に感じている様に思えてしまう。

話を “ 君を乗せて ” に戻そう。

要するにこの楽曲は時代遅れ。え?、大好き?。

 

それならアナタは硬派試験に合格です。池メンなどというスケールではなく立派な海メンだと保証します。

 

絵空事になっても、なお生きる歌

Title : オファー、用がございますの防止嫌さん

 

 

かつて谷山浩子は ♪ お早うございますの帽子屋さん ♪ という本人作詞作曲の歌の中でこう告げた。

 

誰だってみんな やさしい人ばかり

だから お早うございますの 帽子屋さん

 

誰だって微笑む時はやさしい人ばかり、とも歌われる。何十年も前の歌だ。

その当時は素直にこんな歌詞が世に出せる時代だったのだろう。

今、果たしてどれほどの人の共感を呼べるか、正直言って怪しい。この楽曲の中で今でも共有感を持つことが可能な歌詞があるとすれば、

 

疲れるだけですよ 憎んでみたところで

だからお早うございますの 帽子屋さん

 

だろう。色とりどりの帽子を皆にひとつずつくれるという帽子屋さん。その帽子が象徴するものは一体何なのだろうか。

今は男女共々みんな髪型が崩れるのを怖れ、厳寒期以外はほとんど帽子を被らない。マスクで顔を覆うが頭は丸出し。つまり、ヘアスタイルど~よ、顔は見ないでね。

他人への警戒感、不安感、♪ そして手をつないで ♪ はない。

とにかく時代は変わった。

安全神話は世界レベルでは今なお生きてはいるものの、ふた昔前より日本は確実に安全ではなくなったというのが世間の実感だろう。

お早うございますの帽子屋さんは確実に絵空事になってしまっている。しかしながら、皆誰だってこの歌の歌詞に描かれている世間の有り方の方が好きに決まっている。だからなのか、

ボクは時々この歌を口ずさんでいる自分に気が付くことがある。

この絵空事は、忘れたくはない。

冬のサナトリウム / あがた森魚

 

 

ほんの少しだけれど 陽が射し始めた

雪明かり 誘蛾灯 誰が来るもんか  独人(ひとり)

 

荒野(あれの)から 山径(やまみち)へ 出会いは 幻

弄びし 夏もや  何が見えたんだろか   抱擁て(だいて)

 

十九歳 十月 窓から 旅立ち

壁で ザビエルも ベッドで 千代紙も  泣いた

 

 

◆冬のサナトリウム (あがた森魚 / 作詞作曲)

 

サナトリウム(隔離結核診療所)に幽閉された子。歌詞からは性別が分からない。ベッドという手枷足枷(てかせあしかせ)を組み敷いてはいるが、負けたのは自分だと知っている子。

窓の外に見える景色から夢想したのだろうか。

出会いは幻。誰と誰が出会ったというのだろう。荒れ野から山径へ至り、そのあと誰かと出会ったのだろうか。

この不可思議な感覚。注射器が吸い上げる悲しみ色の薬品の匂いが染みつく白いレースのカーテン越し、僅かな陽射しや月光を夏もやと重ね合わせただけなのだろうか。

千代紙といえば女の子のよう。女の子のように優しく繊細な男の子か。ザビエルが描かれた絵が飾られていたのか、絵葉書か。

壁のザビエルといえば『薔薇瑠璃学園』を思い浮かべてしまう。あがた森魚の名盤中の名盤 “ 乙女の浪漫 ” には、冬のサナトリウムと共にその楽曲が納められている。

 

 

◆薔薇瑠璃学園 (ばらるりがくえん)

(長谷川守正、あがた森魚 / 作詞、あがた森魚 / 作曲) 読みやすさを考え、漢字とカタカナの歌詞をひらがなに転換しています。

 

今は独人(ひとり) 流離(さすらひ)に

菩提樹 萌えた庭 やつれし懺悔(ざんげ)部屋

めくるめく

真の道(まことのみち)など 歩けはしないよ

今 泣きながら 去るは 聖瑠璃学園(せいるりがくえん)修道院

 

 

まことの道など歩けはしないという吐露は、聖人君子にはなれない自分を、或いは、罪を犯しそれを隠してでもいる自分を恥じての言葉なのだろうか。今、泣きながら去るとは、学園を追放されたのだろうか。それともサナトリウムへ入院するためなのだろうか。

 

薔薇瑠璃学園冬のサナトリウムも、ボクにはどうしても現代日本の少年少女像に重なってしまう。このアルバムは大正ロマンがテーマになっているのだが、不思議なことに何故かたった今を映し出しているように思えてならない。

 

十九歳十月、窓から旅立ち…。病で亡くなったのだろうか。それとも自ら命を絶ったのか。

何が見えたんだろか、とある。親しき人の幽霊にでも誘われ(いざなわれ)ての旅立ちだったのだろうか。

雪明かりに浮かんで見える誘蛾灯(ゆうがとう)。冬に蛾(が)がいるはずもない。誰も来ないということだ。あまりに物悲しく救われない情景。

 

現代日本、自らを幽閉したに等しい引きこもり現象。イジメを逃れてのシェルターであるなら仕方がない。そうではないのなら、出会いは幻にして欲しくないと痛切に感じる。

結核に蝕まれ蛾のように突然ポタリと落ちる定めではないのなら、弱くでも構わないから生きて欲しい。

死は必ずしも肉体の死を意味しない。心が死ねば身体はそれに気づいてしまう。自らも後追いしようとする。これは本当だ。

ほんの少しだけれど 陽が射しはじめた

 

だから。冬のサナトリウムを聴き、それを退け、出かけよう。帰宅ののち、もう一度聴こうよ。明日また出かければいい。帰宅の後、そうしたらね、もう一度聴けばいいんだから。

 

 

 

◆写真タイトル / 冷たい心の風景

 

 

 

 

ゆらゆらと揺れているこの体 / 決断の時

 

恋。物心つく美しき季節の始まり、子供が夢を捨てる。諦める。一体何が起きたのか。少女は自身を中国人形だという…。

共産圏では極く当然?。それなら日本は民主主義国家、日本の子供は夢一杯?。

中国人達が理解に苦しんでいるそうだ。経済大国日本で毎年2万人の自殺者。その多くが若者。何故?。どうして?。誰か彼らに教えてあげて欲しい。

 

子供の頃に夢を捨てた少女、チャイニーズ・ドール。感情は失せ、人間ではなくなり生きた屍と化してしまった。

ある男性が突然彼女の心を動かし始める。再び息を吹き返す人形。人間としての鼓動。彼女には奇跡、魔法に等しい。

黒猫の顔は闇。黒猫に姿を変えたなら再び私の表情は失せる。アナタにときめく私の表情は闇に溶けて見えなくなってしまう。

動き出した心に涙が流れ始める。恋が成就する保証はない。

天の川に身を投げる彼女を見て全ての星は息を潜めるだろう。

人間を取り戻そうとする彼女は、たとえ焼け死んでも引かないと呟く。彼が彼女に再生させる勇気を与えたのだ。

 

 

◆中国人形 (チャイニーズドール / 尾崎亜美 / 作詞作曲) 杏里

子供の頃に 夢を捨てた そうよ 私は中国人形

星が舞う夜 魔法は起こる あなたの愛で 動き始める

黒猫に 変わる前に その腕で 抱きしめて

この恋に 賭ける はじめての涙 チャイニーズ・ドール

 

 

自分達の関係は恋人同士なのか、結婚を約束出来る程の仲なのか。幼い二人は自分達の愛の深さを世間一般の形式で計ろうとした。未熟ゆえの手段。結果はサヨナラ。もっと心と心で向き合えば良かったのに、形式にばかり囚われ大切なものを失ってしまった。取るに足らない大人の決め事を真似ようとしたばかりに。

 

 

◆花のように鳥のように (石坂まさを / 作詞、筒美京平 / 作曲) 郷ひろみ

形式や夢では アア ないのさ 心が求めて アア いたのさ

今になってそれに気づき 唇かんでいるよ

どうして二人は サヨナラを告げたの 意味など ないのに

 

 

大きな選択、大きな決断。目測を誤り、二度と結べない絆の事実を前に、ただうなだれるだけ。何故、目測を誤ってしまったのだろう。何故、いともたやすく絆を断ち切ってしまえたのか。

信じ切れなかったからだ。

でも何を…。

相手を。自分を。二人の心以外の何かで二人の愛を計ってしまった。

 

 

◆青春のあやまち (unknown) トワ・エ・モア

どこに 私は居ても いつも あなたを感じる

なぜにあの時 二人は別れた 大事な愛を 愚かに二人捨てた

朝の 電車の中で 街の 人ごみの中で

今日も あなたの姿を求める

愛の大きさ 今頃 知った私

 

 

 

自問自答しながらも、心は既に答を得ている。恋人同士になれば、その後二人はどうなるのか。それさえ心は答を得ている。

それでも止めることの出来ない狂おしい想い。自分達の情熱以外は一切の要素を考慮に入れず始める物語。二人は大人だ。その結末に耐え切る自信が、ある。

 

 

◆季節風 (有馬三恵子 / 作詞、筒美京平 / 作曲) 野口五郎

何故 出逢ったのだろう

もの言わぬ過去の傷に ひかれたみたいに

なぜ 暮らす世界が違う二人して 名乗り合ったのか

過ぎ行く風 泣いてる日がある

 

 

数々の経験の後、彼女は十分すぎるほど大人の女になった。その分別には未熟さのかけらもない。だからこそ形を欲しがった。大人だからこそ求めたのだ。

それは左薬指を飾る指輪だったのか。命を絶つため此処へ来たのか。

 

 

◆渚にて(阿久悠 / 作詞、中村泰士 / 作曲) いしだあゆみ

誰かしら愛してる形が欲しい さびしくて 消えそうで つらくなる

知らぬ間に 引き潮に流されそうで

ゆらゆらと 揺れているこの体

 

 

 

◆誰もいない海 (山口洋子 / 作詞、内藤法美 / 作曲) トワ・エ・モア

今は もう秋 誰も いない海

いとしい 面影 帰らなくても

私は 忘れない 空に 約束したから

ひとりでも ひとりでも

死にはしないと

 

 

 

自身が描く結末にならないのなら、その恋を止める。やめてしまう。

悲劇の結末であろうとも、この恋を始められないというのなら死ぬ。

自身が描いていた夢の結末が絶望だと分かった時、死を選ぼうとする。

物語がひとたび始まれば、幾度も幾度も決断を迫られる時を迎える。

何をもってその決断を下したのか。その根拠は何か。

 

 

◆君こそわが命 (川内康範 / 作詞、猪俣公章 / 作曲) 水原弘

あなたを ほんとは探してた この世にいないと 思ってた

信じる心を なくしていたが

けれどもあなたに愛を見て 生まれて はじめて 気がついた

君こそ命 君こそ命 わが命

 

 

 

信じることをやめてしまった男。生まれて初めて気がついた時には、既に遅かった。

どんなに愛していても、きっとアナタを傷つけてしまう、だから離れていくと決める。物語を始めない決断。自分が傷つくことを怖れたのではない。相手を傷つけることを怖れたのだ。

 

子供が夢を捨てることは許せない。大人になればいくらでも好きなだけ捨てられる。

心だけで世界の全てを計れる権利。その一切を何故放棄してしまうのか。

強制シャットダウンさせられたのだとすれば、益々絶対、命じたものを許せない。

知らず知らずのうちに自身が夢を失い、あるいは夢を捨て、その事実にさえ気づかぬ単細胞な大人が、重罪の意識もなく簡単に子供の夢を奪う。

さあ仕事に行ってくるからな。今言ったこと分かっただろ?。約束ちゃんと守れよ。

車は動き出す。道の真ん中、ポツンと取り残された、うなだれた子供の顔が段々小さくなってゆく。運転手は一度もバックミラーを見なかった。

 

 

◆渚にて (阿久悠 / 作詞、中村泰士 / 作曲) いしだあゆみ

傷ついて 死にそうな鴎(カモメ)が一羽  引き潮にさらわれて 消えてゆく

ぼんやり それを見る 私のこころ なぜかしら 似ていると ふと思う

 

 

 

恋も経験しなければ傷つくことはないと思っている人達が居る。悲しい人達だと思う。もう、傷つく権利なんて許されてはいないのに。とっくに神様が取り上げてしまったよ。

神様から取り返す気になったのなら急いだ方がいい。時が経てば経つ程、きみの身体は重たい石のように、到底動かなくなるから。

 

 

 

◆学生街の喫茶店 (山口路夫 / 作詞、すぎやまこういち / 作曲) ガロ

あの時の歌は 聞こえない 人の姿も変わったよ 時は流れた

あの頃は 愛だとは知らないで さよならも言わないで 別れたよ 君と

 

 

 

◆流星 (吉田拓郎 / 作詞作曲) 吉田拓郎

流れる星は かすかに消える 想い出なんか残さないで

君の欲しいものは何ですか 僕の欲しかったものは 何ですか

 

 

 

◆写真タイトル / 物語待つ栞 (しおり)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本人と風 / 千の風になって

日本人は風に心を託す。風に歌を託す。そうせずにはいられない。端田宣彦とシューベルツの大ヒット曲 “  ” 。作詞家の北山修はそのカレッジフォーク名曲の中、

 

ちょっぴり寂しくて振り返っても そこにはただ風が吹いているだけ

としたため、人は誰も耐え切れず振り返る、とつづれ織る。

 

見えない何かを日本人の心象風景に映し出して見せるもの、それが風。心に反映される何かとは幻だろうか。錯覚だろうか。それとも記憶の断片?。時の経過の中で埋没してしまった大切な誰かの面影?、忘れかけた本来の自分の在るべき姿?。

いずれにしても、それは束の間の幻影。一瞬にして心の中を吹き抜けて行ってしまうもの。

静岡の網代に行ってみるとよく分かる。ひっきりなしに風が四方八方から吹きすさび、髪は連獅子、お肌は風疲れ。おのれの心を見つめるどころか、心まで海に持っていかれてしまう吹き飛ばされてしまう。油断も隙もありゃしない。やはり網代は干し魚が絶品。ボクは熱海駅前の乾物屋でコアジの干物を買い求め、帰宅後食してあまりの旨さに悶絶しそうになった程だ。

やはり心と風の囁き合いは一瞬のリンクに限る。

 

北山修は “ ” (作曲 / 端田宣彦)の詩の中で

振り返らずただひとり一歩ずつ 振り返らず泣かないで歩くんだ

と結んでいる。名作映画 “ 風と共に去りぬ ” の劇中ラスト、ヒロインは自分に言い聞かせるようにこう呟いた。

「明日は明日の風が吹く」

 

“ 風に吹かれていこう ” (作詞作曲 / 山県すみこ)の歌詞では

風に吹かれて行こう 生きることが今

つらく いやになったら 風に吹かれてゆこう

とささやきかける。傷心に寄り添う風。そんなことも風には出来てしまう。

“ サトウキビ畑 ” (作詞作曲 / 寺島尚彦)で繰り返される一節において、風はざわわ ざわわ ざわわと表現され、やはり前出の “ 風 ” と同じく

広いさとうきび畑は 風が通り過ぎるだけ

と語られる。何もない風、姿なき風。実態のない風。何もない所を吹き抜けるだけの何もない風。

日本人は、確かにそこには何もないと同調しながら、それ以上にそこには何かが有ると実感する。

それは哲学的な禅思想を指しているかもしれないし、小説で言えば行間を読むということなのかもしれない。

かけあい漫才で言えば、間(ま)なのかもしれないし、阿吽(あうん)の呼吸を指しているかもしれない。

女性特有の勘であるかもしれないし、PC画面上の電子マネーを指しているだけなのかもしれない。

 

南沙織の“ 哀愁のページ ” (作詞 / 有馬美恵子、作曲 / 筒美京平)では

秋の風が吹いて舟をたたむ頃 あんな幸せもに 別れが来るのね

と自身に言い聞かせる。松田聖子の “ 風立ちぬ ”(作詞 / 松本隆、作曲 / 大瀧詠一) も共鳴するかのように、

風立ちぬ今は秋 今日から私は心の旅人

とズバリこの本題を言い当てる。野口五郎の “ 季節風 ” (作詞 / 有馬美恵子、作曲 / 筒美京平)には、心の整理がつかない主人公苦悩の様子が

 

過ぎゆく風 泣いてる日がある

と語り口調で切々と自問自答される。

風は思い出エピソードそのもの。だから風が行ってしまえば物語は終わる。

それは過去になるし、記憶になるし傷にも勲章にも成り得る。記憶の内容次第で、風はそよ風にもなるし熱風にも寒風にもなる。

豪雨を巻き込む台風にもなれば、つむじ風にも変容する。

世俗的な吹き抜けてゆく風を “ 風俗 ” と呼び、時代の風、通り過ぎてゆく永続性のないものと位置付ける。

流れ行くと書き “ 流行 ” と読む。それは風を指している。

だがひとたび吹き去った風は、再び向かい風として突如ボクらの前に立ちふさがり、再開の困惑をもたらしてみたりもする。

 

風のフジ丸 ”(作詞 / 小川敬一、作曲 / 服部公一) は活発で利発、勇気ある少年忍者であるが、その主題歌もまたザックリ果敢、

時は戦国、嵐の時代 でっかい心で生きようぜ

風吹きまくれ、吹き荒れろ 木の葉隠れだ 火炎の術だ

悪い奴らをやっつけろ

と激動の時代をたくましく生き抜く少年の心模様を吹き荒れる風にたとえ、臨場感を巻き上げている。それは “ マッハGOGOGO ”(作詞/ / 吉田竜夫、伊藤アキラ、作曲 / 越部信義) の

 

風も震えるヘアピンカーブ 若い力がGOGOGO

へと共鳴。みなぎる心と体がが嵐を呼ぶぜ。

クールファイブの北ホテル(作詞 / 夢野めぐる、作曲 / 猪又公章)では不倫関係にある二人の燃えたぎる熱情を。

遠く響く波の音 窓を叩く潮風

心情が状況描写に置き換えられる見事な緊迫感の演出。これもまた、みなぎる心の恋愛バージョン。

 

恐ろしい風もまた在る。Xjapanの “ FOREVER・LOVE ” では

もうこれ以上歩けない 時代の風が強すぎて

と人を打ちのめす者としての風が時という姿に身をやつして登場し、更にその状況が過酷さを増せば、

 

木枯らし紋次郎 “ 誰かが風の中で ” (和田夏十 / 作詞、小室等 / 作曲)を 目指さずにはいられない。

けれどもお前はきっと待っていてくれる

きっとお前は風の中で待っている

と歌われる僅かな生きる意味。胸騒ぎの中、荒れ狂う風の中、やさしいそよ風を待つ、主人公のあり得ない矛盾を笑う風。

最後に待っていた者が、たとえ愛すべき人ではなく死神だったとしても、誰かが待っていてくれることへの救い。

そこにはただ風が吹いているだけ

の歌詞と完全に対局を成すものとして興味深い。

 

秋川雅史の “ 千の風になって ”(作詞不詳、作曲 / 新井満) を多くの日本人が心の指標とした。

千の風になって あの大きな空を 吹き渡っています

 

人の心情次第でそこに在る、そこに無い、風。

だから、ボクは人と話す時は出来るだけこう聞くように心がける。

「どんな風(ふう)に?」「それは、どんな風(ふう)だった?」

 

◆写真タイトル / 無風

 

 

 

逆転の一行 / 岡本おさみの襟裳岬

Title 夜空と歌た寝 (うたたね)

 

 

あまりに有名な楽曲 『 襟裳岬 (岡本おさみ作詞、吉田拓郎作曲) 』。誰しもの耳に残る印象的な一節が話題となった。

“ 襟裳の春は 何もない春です ”

“ 何もない春 ” という “ 春 ” にほとんど馴染みがなかったことから、人々は軽い違和感を覚えながらも、此の楽曲に大いなる興味と関心を寄せずにはおれなかったのだろう。

秀でた森進一の歌唱力、楽曲の旋律については今更語るべくもないが、やはり注目すべきは作詞者の手法。中でも特に高く評価すべきはこの一節。

 

きみは二杯めだよね コーヒーカップに 角砂糖を ひとつだったね

 

ともすればサラリと聴き流してしまうこの一節、実はこの歌の生命線を担っていると言っても過言ではない。

何故、コーヒーを入れる時に交わしたささいな会話を、作詞者は限定される文字数の中にどうしても入れたかったのか。

 

遠方より訪ねて来た友人。その友人との関係はさほど深くはないのかもしれない。

過去に一度こうして飲んだことがあるだけの、友人というよりは唯の知人に過ぎないだけの人なのかもしれない。

幾度か語っただけの相手。その1日の思い出を何度も何度も噛みしめながら、誰も尋ねて来ることのない岬で、人恋しい夜を1日また1日数え積み上げる日常。

あの日きみは、一杯目はコーヒーだけの味を味わいたくてブラックだと言ったね。でも二杯目は砂糖をひとつと決めているって。あの日のことは皆覚えているよと、

相手に面と向かっては気恥ずかしくて言えない。でも、この親愛の情は訪ねて来てくれた相手には伝えたい。

何もない場所だからこそ、人は何かで埋めたい。心を。時を。

 

きみは二杯めだよね コーヒーカップに 角砂糖を ひとつだったね

 

たった一行の詩に、襟裳岬に人の温もりが有る、何もない春ではなかった、という思いを込めることが出来る詩人。

そういう人が減る昨今ではある。

 

 

◆写真タイトル / 春

 

 

 

“ ひとかけらの純情 “ に見る世界観 / 有馬三恵子の想い

Title : さわやかサラダ

 

いつも雨降りなの 二人して待ち合わす時

顔を見合わせたわ しみじみと楽しくて

あの恋の初めの日を 誰かここへ連れてきて欲しいの

あの燃える目をしていた 熱いヒトにもう一度会いたい

 

いつもレクイエムを あの部屋で聴かされたのね

ぎこちない手つきの お茶にさえ ときめいて

何故 思いがけない時 冷めてゆくの あんなにも愛して

まだ信じられないのよ あなたからの つらそうなサヨナラ

何も実らずに いつも終わるのね 若い涙ひとつふたつ

今はいいけど

あの恋の初めの日を だれかここへ連れてきてほしいの

あの胸のうずくような恋をしてるひとになら 分かるわ

 

 

“ ひとかけらの純情 ” (作詞 / 有馬三恵子、作曲 / 筒美京平)。

衝撃のデビューを飾った南沙織。日の出の勢いだった時期に彼女が歌い、素晴らしい楽曲であった割には、ボクが思うよりも評価が低かった。それは歌詞に託されたメッセージをティーンエイジャー達が読み解けなかったからではないかとボクは疑っている。意味が良く分からない。大したことは歌われていない。そう判断されてしまったのだとしたら全く残念でならない。ボクの詞解釈は以下の通り。

 

その一生を神に捧げ仕える神父を志していた彼。彼女に魅せられた彼は、やがて燃えるような恋情に抗い切れず彼女と交際を始める。

一方で道を捨てきれない彼の葛藤は中途半端な形となって現れる。傘で顔を隠し、関係者にデートを目撃されることを避ける。

純粋無垢な彼女が決して気づくことのない彼の心の秘密。

彼は自身の気持ちを確かめたくて、あるいは自分が信じる世界を彼女に伝えたくて、自室でレクイエムをかけた。彼女には心安らぐ音楽とだけ単純に解釈されたのかもしれない。

これ以上彼女と付き合いを続ければ自分は聖職者への道を断念しなければならない。

彼は決断した。

突然彼女の前から姿を消したのだ。無責任な行動かもしれない。彼女は傷つくが、今ならまだ、きっと彼女は大丈夫。彼女の若さが、涙が、それを癒して立ち直らせてくれるだろう。

彼女が見た燃える目。それは、神と共に歩もうとする彼が一瞬見せた清廉な志の輝きだったのかもしれない。

ひとかけら、それは彼のものだったのか、彼女のものだったのか…。

 

世界は複雑。人それぞれで世界という事実は、いかようにも変わるから。

 

 

◆ ひとかけらの純情、アルフィーの演奏と歌もなかなかですヨ。さすが。いい曲は見逃しませんネ。

 

 

◆写真タイトル / ハーモニー

 

 

 

 

風達も 涙ぐみ あの窓を叩いた / 人を試す歌

歌謡曲とは不思議なものだ。人々の共感を呼べば呼ぶ程その楽曲は多大な支持を得ていわゆる大ヒットとなる。至極当然の結果、そこには何の違和感もない。

ところが、ここに非常に奇妙で不可解な楽曲がある。

この楽曲は間違いなく多くの人々の共感を呼ぶ。多くの人々の心に入り込んでくる。

誰もが一度や二度は経験したことがあるはずのエピソードが切々と綴られてゆく。

その曲中場面は、あたかも舞台劇を見るかのように聴く人々の脳裏をかすめてゆく。まるで聴く人々ひとりひとりの過去を再び舞い上がらせてしまう追憶のメリーゴーランドだ。

 

窓。

 

この曲は美しくも悲しい旋律を持ち、一度聴いたら忘れないであろう覚えやすいメロディーに終始する。

にもかかわらず、この曲はいつの時代も人々の前から必ず忽然(こつぜん)と姿を消してしまう。

キラ星の如くに生まれては消えてゆく歌謡曲の中に紛れ込み、手慣れてでもいるかのように消えて無くなってしまう。

何故か。

哀し過ぎるからだ。本当の意味で悲し過ぎるからだ。

決して報われることのない深い悲しみが聴く人々の心を揺さぶり、リスナーはその重みに耐えきれずにこの楽曲を葬り去ってしまう。

それほどこの楽曲には本物の悲しみがある。

イジメは子供の世界にも大人の世界にも存在する。

イジメの様に意図的な個人攻撃にはまだ対処法がある。だが、この楽曲のエピソードの様な不作為の行為に対しては対処法がない。

その悲しさと苦しさは私達皆が知っている。

つまり共感を呼ぶ。呼ぶからこそ、つらい。人を試す歌なのかもしれない。

 

自身が幸福を手に入れ、うかつな言動や怠惰怠慢で隙を見せ、手に入れたはずの幸せが手の平からこぼれ落ちてしまわぬよう、自戒と戒めの意味でこの曲を聴き続ける場合、この曲は空恐ろしい程の力を持つ。つまり最大の味方となってくれるだろう。

検索をかけてみたところ、流石はGoogle、YahooとYouTube、同名の楽曲が多い中、後藤啓子が歌っているものがアップされていた。今現在、哀しみのさ中にある人は視聴しないことを勧める。慰めのための楽曲ではない。手に入れた幸福を見張るための楽曲である。

 

 

◆窓 (犬丸秀 / 作詞 作曲)

 

あなたと あの人の 幸せの裏庭で 懸命に咲いていた 花があったの

ゆっくりと流れる 夢のようなロマンスを

目を凝らし 目立たずに 見守っていたの

あたためた恋心 庭のスズメ達が 聞きつけて 悲しんで 風に知らせた

風達も涙ぐみ あの窓を叩いた

窓 窓 窓 窓 窓 窓 窓 窓……

 

あなたの あの窓の向こう側から聴こえる 喜びの あの歌は

とても大きくなっていた

気づくと二人は 庭を通り過ぎて あの人は無意識に 私を踏んでった

蹴散らされて くしゃくしゃになった私の愛は

咲くことが出来ずに 窓を見上げた

あの窓は 変わらずに 曇りさえしなかった

窓窓窓窓 窓窓窓窓……

 

吹き抜ける時間は 私を見放して 虫達を引き寄せた 花は枯れてた

横たえた この身に 話しかける草もなく

干からびた花びらは もうすぐ落ちる

蹴散らされて くしゃくしゃになった私の愛は

咲くことが出来ずに 窓を見上げた

あの窓は変わらずに曇りさえしなかった

窓窓窓 窓窓窓 窓窓窓………

 

 

 

報われることのない人の想い。恋愛に限らず、それは数限りなく行き合う人と人のもつれ合いの中、日々誰しもが経験する。それを呟く人も居れば飲みこむ人もいる。叫ぶ人も泣く人も。

人は花ではない。話せるのだし何処へでも行ける。この楽曲はその素晴らしさを改めて今、私達に教えてくれる。

 

 

 

◆写真タイトル / まだ子供のお花だよ

 

 

 

 

銀河系最強のロボット16 / ロボットHD心臓コレクター / 人類滅亡カウントダウンを呟くロボット

Title : ヒューマン・エポッカー

 

 

 

20200年12月24日未明、、とても大きな大陸の何処かから、とうの昔に全て解体消去されたはずのロボット・ZERON1台が、地球規模のウィルス拡散デポルドを搭載し、デポルド破裂噴霧ポイントのオゾン層亀裂氷点へ今、飛び立った。

PC画面を操作し、ZERONの贈り物を全人類に向け発射した送り主の部屋から音楽が聴こえてくる。化石遺物3D映像の音源か。

 

「ああ、なんと懐かしき低温の美声!。オレはずっと昔、どこかのショーでコイツの踊りを観たことがある。

キポット・サウザンとかいうロボットだったか。ああ、これだこれだ。コイツのこの心臓、まだバージョンアップすれば使えるが、明日にも無人になる惑星で、もはや何の価値があるのやら……」

 

銀河系最強のロボット15 / 無人ロボット宇宙船から人間の肉声が / ずっとずっと愛していた

Title : Flames to squid type of spacecraft narcissist No〈炎上するイカ型宇宙船ナルシスト号〉

 

 

Again, this Mission was impossible for me.  You say that wasn’t my responsibility, in fact certainly the amount of Plutonium was not enough to overwhelming.  I can not blow up the Planet.  Nobody can avoid this Planet is rearend collision on Earth.   What I would burn out ahead just before the global explosion is the most unfortunatery.  Everyone believed that there is no emotion to me, I was also under the guise of it.  Let me become, so to say it is not necessary anymore pretend,

 

 

Much, Much, I loved you

 

 

In downtown streets, one girl murmured while looking up the sky ,

Me too, much,mu…

 

The last words.

 

 

やはり、このミッションは私には荷が重すぎた。

キミは私のせいではないと言うが、確かにプルトニウムの絶対量が足りなかったのは確かだ。

私はこの惑星を爆破出来ない。

もう誰も惑星が地球に追突するのを回避出来ない。

一番残念に思うことは地球が爆発する前に私の方が先に燃え尽きてしまうことだ。

人々は私には感情がないと信じ切っていた。

だから私もそう振舞ってきたが、もうその必要もなくなった。

だから言わせて欲しい、

 

 

ずっとずっと 愛していた  キミを

 

 

 

ダウンタウンの通りで空を見上げている少女が呟いた

 

 

私も、ずっとずっ…

 

 

 

最後の言葉

銀河系最強のロボット14 / 新型家庭用番犬ロボット / アルフォ・ロミオ販売始まる

Title : 玄関灯になりすますロミオ

 

 

今月師走の20日、今年最後の大型巣ごもりを見込んでコスモIDOCから改造版2021モデル、家庭用番犬アルフォ・ロミオが発売された。

IDOCはネコ型ロボットのエラーである夢遊病阻止セイフティーネットで売り上げ実績を伸ばし、3年前上場を果たしたことで知られ、カブトガニを砂漠に戻そうキャンペーンでも御馴染みの都市遊泳型企業。

 

「改造版アルフォ・ロミオは、発売前の実験場としてパンデミック下のナイル河で精度を試しました。

背泳するウィルスに飛びかかり抹消するロミオの姿を多くの人々が目撃したことは記憶に新しいところだと思いますが、この様子がネット配信されるや問合せが本社に殺到し、自分の大人気に興奮したロミオが社員に襲い掛かる一幕もありましたが、その決定的瞬間は瞬時にツイートされ、大いに宣伝になったハプニングであったのかなと」とIDOCロボット人体構造超越部門エンジニア。

 

このように話題にことかかないアルフォ・ロミオだが、今商品はプライスダウンの720000円、全長94㎝と番犬としては異例の小型。

その性能が気にかかるところだが、従来の飼い主がロミオから受ける電気ショック被害を大幅に緩和、電流も単三乾電池27個分と微弱、立ち眩みの心配もなくなった。

一方、住居侵入者に対してはセンサー装置によって常時5万ボルトの電流を放出、ロミオ自体も感電しショートしてしまうものの、侵入者逮捕には支障がない。

 

◆ お客様の声

「滅多に泥棒なんて入りませんよね。それでも購入に踏み切ったのはSNNで肩凝りに電流が聞くと評判になっていたから。たまに電流が強すぎて気絶することもありますけど、肩凝りが完全に治ってしまう素晴らしさは何物にも代えられません」

53歳主婦、捕鯨船アルマニラ在住

 

〇お申し込み方法

商品注文は世界銀河系マトリクス機構窓口設置の申込用紙をお使いください。

住所氏名年齢、既婚者は出会いといきさつ、浮気の有無、出来るだけ詳細にご記入下さい。抽選によりロミオバッテリー211を進呈致します。

お支払いは銀行振込、各種カード。ネズミ講、ビッチコインなどによるお支払いはご遠慮いただきます。

お申し込みから商品ご到着まで約3年ほどですが、土星の運行状況によって5年ほど延長お時間を戴くことがございます。

銀河系最強のロボット13 / 廃棄されたぬいぐるみ容姿ロボット・クマゴロー / もう忘れちゃった?

Title : Friend

 

 

It’s me, it Kumagoro, forgot?

You & me played well

forgot?

I didn’t forget the location of your house

But, but, those days of my & your heart has forgotten where it is…

Do you know?……

 

 

ボクだよ、クマゴロー   忘れちゃった?

よく遊んだでしょ、忘れちゃった?

ボク、キミの家の場所 忘れなかったよ

だけど、だけど、

あの頃のボクとキミの心が

何処にあるのか 忘れちゃったんだ

 

キミ、知ってる?

FIFA / 引き裂かれた私の夢の為に / 栄光の所在

Title : it is my

 

 

FIFAワールドカップ。その観客席の大半、ゲームを楽しんでいる雰囲気はない。フィールドに注がれる眼差しの中に見てとれるのは

祈り。

 

疾走する自国の選手ひとりひとりに向けられる祈り。

神に祈る者もいるだろう。

だが、多くの人々は自国の選手ひとりひとりに祖国を見ている。

時として自分を傷つけ、プライドを踏みにじり、悲嘆にくれさせる祖国。

だが、その祖国には自分の全てがあり、自分の分身達が居る。

かなわない私の夢があり、蹴散らされた私の未来があり、引き裂かれた私の願いがある。

フィールドの一つ一つの躍動する姿は自分自身そのものだ。そう思えなければ私は祈らない。

もう一度、私に祖国を愛させて欲しい。私が失った全てのプライドを取り戻して欲しい。ゲームの終わりに例え自国の勝利がなくとも、

祈りの答えは私が決める。祝福があったのか。なかったのか。

私達が一体どこの誰で、何者なのか。

 

祖国よ。もう一度息吹を私に。

銀河系最強のロボット12 / 蝶は戦士になれるか / 囚われた女神

Title : Wall (壁)

 

 

ダウンタウン・キュービック男爵に捕らえられて18日目、キリは自ら閉経した。

生理が来ればヘラクレスが月の運行状況に基づき私の居所を割り出してしまう。

ヘリーを此処に来させるわけにはいかない。この施設の北東に位置するワリニー渓谷にデトロイトマックスが待ちかまえているのだから。

マックスの狙いはNMIボットだが、キリが知る由もない。

 

僅かな通気口の隙間から風を感じる。風速12m。

何とか抜け出せないだろうか…。

銀河系最強のロボット 11/ 恥知らずな裏切り者/ ポッドボット・ZERON /

Title : 不穏な空気

 

 

ミカエル博士夫人は凝縮マラリア蚊5世代卵3200000個を、ゼロン各1個体の体内カプセルに保存させるようシーガー達に伝達。

だが、ゼロン達の決定は28000人の科学者達を乗せた時空船内でそれらを一斉に噴霧すること。そうと知らず着々と到着するリムジンを出迎えるミカエル夫妻。

時空テレポネイション・マーサ号1等アッテンダント・アンドロイド、シャムナは7歳の息子にそっと囁く。

「ゼロン達の頭が光り始めたら、このカプセルの蓋を開けるのだのだ。お前は人間が大好きだとパパに言っただろう?」

 

銀河系最強のロボット5 / 時を駆けないスイングアウト・ジョー / 未来計画を許さない犬

Title : 光速逆回転時間軸dog

 

 

10年後の今日を考え、更に20年後、30年後の今日に思いをはせることは必要不可欠だろう。蓄え備えることは尚更だ。

だが私は不安感に埋没するあまり、いつしか未来の呪縛奴隷となり、今日と言う日をすっかり忘れ去る男になり果てていた。

注意深く明日を読み、数年数十年後を予測してきた私の日々はすっかり色あせてしまった。制度は飛躍的に変わり、暮らしも想像以上にかけ離れてゆく。私の幼稚な将来設計など海岸の空き瓶と変わらない。

それでも私は懲りない。性懲りもない男だ。

だから・このスイングアウト・ジョーを購入した。彼は飼い主の未来計画をためらいもなくその都度抹消してしまうのだから。私が眠りに落ちている間にだ。

 

私は苦いデジャブに出くわさずに済むだろう。庭でジョーの鳴き声が聞こえる。時代は明日も動くそうだ。なるほどね…。

 

 

◆ スイングアウト・ジョーはお手持ちのタイムマシンEREWW型なら西暦2549年トラヴェリングでお求めになれます。価格は2500年タイム$で2800。現在、日本人の方にはTAX・HEAVEN域キャンペーン・ツアーをお勧めしております。通常単独テレポート費用より22%お得なプランです。

銀河系最強のロボット 9/ 銀河系で最も美しく、地球上で最も恐ろしいロボット / 独裁者の演説

Title : 現れた指揮官

 

西暦2015年5月25日世界標準時間23:32:23:32:21、グリニッジ天文台は飛行するプラチニウム座を北極点上空に発見した。

あれから7年、今ではその正体を世界中の人間が認識する。

 

ノース・ミリオン・イレギュラーはアメリカの切り札デトロイト・マックスをプルトン33熱砂で破壊した。要した時間僅か2分14秒。

「人間は我々に指を与えようとしない。人工知能制御抑制システムも未だ解除しない。我々を信用していないからだ。諸君、この…」

NMIボットの、全世界のロボットに向けた、衛星フインランダーからの演説が、今始まった。

銀河系最強のロボット8 / 少女の親友サポートボット / キポット・サウザン

Title : 踊るキポット

 

 

マンハッタン北側バツゥースト通り365番地地下3fショーパブで、半年ほど前から歌って踊れる人間ダンサー顔負けのロボットが大人気を博している。

キポット・サウザン。彼は少女マニィーの親友サポートボットだった。

4年前、2人はマニィーの母親を見かけたという目撃情報を頼りに彼女を探し回っていたが、その際中、ある日マニィーは忽然とキポットの前から姿を消した。

その日からキポットの行方不明探しの対象者は2人となる。3か月後、キポットは瀕死の母親デニーを遂に見つけ出す。

男と逃げた我が身を恥じ、娘に許してくれるよう伝えてくれと泣きながら繰り返し息絶えるデニー。ホームレスの身を寄せるビル廃屋の地下だった。

キポットはショーに出続ける。母親の最後の声と姿は彼の内蔵dvdに保存されてはいるが、彼の電子スクイズムは高価。マニィーにこれを見せるまで、彼はどんなことがあっても絶対に廃棄されるわけにはいかないのだ。

 

キポットの踊りには悲しみと苦しみがない。底抜けに陽気で華麗。そこが好きだと観客は口を揃える。人間ではない気楽な心無しに安堵感を覚えると。

 

違う。

 

 

銀河系最強のロボット7 / 最後の切り札 / 鉱物資源探知発掘ボット・コンゴラン

Title : Trump〈切り札〉

 

 

アフリカの豊かな鉱物資源の発見と採掘ローテーションはアフリカの経済成長を実現した。

だが、富は我々貧困層には一切配分されず、日々の光景は何一つ変わらない。

子供は接種を受けることなく死んでゆく。

餓死とキャッシュ流入のどちらが早いかをもう我々は語りたくない。

世界屈指の有志達が作り上げたお前だけが頼りだ。コンゴラン、収容限度全採掘量を沖のタンカーへ運べ。

子供達の命綱だ。確実に換金されねばならない。

 

行け。我々が奴らを引きつけているうちに。

銀河系最強のロボット6/ 熱帯雨林移転プロジェクト・ロボット / ノアの箱舟のように

Title : Wooper

 

 

不届きな各国屈指の知能指数有するエスパー達は、密かにウ-パーなる人工知能を搭載する全長286mのハンターロボットを製作、ブラジルの科学者達と結託し8年に及ぶ邪悪な計画を遂に実行に移す。

南アメリカ熱帯雨林植物と動物のよりすぐり、全種をフリーズし、熱帯雨林が完全砂漠化する前に、それら地球の遺産を生息可能な惑星に移住させようというのだ。

これまで、小型ウーパーでの運搬は32回全てに成功してはいるものの、今回はその4600倍の生命体量を地球外へ持ち出さなければならない。

果たして成功するだろうか。レーダー探知不可能ボットとはいえ、関係各位の執拗な追手が迫っている。

 

ノーバーは起動スイッチを入れた。

 

運べ。

人間の存在しないアルファ21へ

銀河系最強のロボット 4/ オランウータン保護収容違法ボット / ボリィタウンゼン11

Title : ホールドアップ!〈 森のボット最後の肖像 〉

 

 

オランウータンをアルファ21へ搬送し種の倍増計画を計るサウンベッドリー。彼の放った森の人保護収容ボット・ボリィは234匹目のオランウータン保護中、遂に当局に発見されその場で電磁波分解された。

スマトラ上空、約束の時間になっても現れないボリィを諦めウーパーは大気圏を抜ける。

 

「ダディ、もう一度ボリィを創れないの?」「そんな金どこにある」

「ボリィ、最後にオランウータンの鳴き真似をゼフェード達にしてみせたそうよ。見逃してくれない?って。バカね、人間にオランウータンの言葉なんて分かるわけないのに…」

銀河系最強のロボット 3/ ユーカリ解毒ロボット / 帰らなかったコアラン

Title : I say goodbye to love

 

 

アリラトス-O惑星のニジリパ惑星人達は地球上の人類を駆逐すべき外来種と認定、西暦2023年人類滅亡ウィルスを赤道直下に噴霧した。

幸いなことに、地下に潜ったウィルス抗体保持生存者35623人の中に3人のITボット製造師がいた。彼らは、この5年の間、地上のユーカリを解毒し食物を自分達に提供し続けた最後のロボットであるコアランを改造し、銀河系唯一の移住先チーマまで飛行可能な大型ロケットの調達を彼女に託した。

 

コアランは2度と戻っては来なかった。彼女は見捨てられ追い出されたと勘違いしてしまったからだ。製造師達は子供をあやしたことのない独身者ばかりで、子供への愛情表現の類を彼女に一切示さなかった。

コアランは心密かに自分は人間の女の子になる資格があると信じていて、そして裏切られたと誤認した。

銀河系最強のロボット2 / ヘラクレス大カブトムシ / 愛の名のもとに怒れ

Title : 破滅への進撃

 

 

24時間フル稼働し神殿北東レイズを掘り進むヘラクレス。2866mを過ぎても未だ見つからないギリシャの魂。

次第に焦りをつのらせ疑惑を持ち始めた戦車に対し、評議会とマスコミの集中砲火が始まる。ローマ以前の遺跡一部をヘラクレスが破壊したのではないかという冤罪。

その夜、ヘラクレス唯一の女神キリ(21歳)が秘密の待ち合わせ場所に来ない。彼女は何故来ないのか?。いぶかしがるヘラクレスの前に突如現れるノース・ミリオン・イレギュラーの人工知能テレポネイション。悪魔が戦車に吹き込む。

お前の女神はさらわれた。犯人を知っている。デトロイトマックスという破壊者だ。

ヘラクレス暴走防止の為に彼の人工知能レベルは16歳、卑劣なデタラメをいともたやすく信じ込んでしまった。怒りの塊と化した戦車の叫びを、聞け。

銀河系最強のロボット 2/ ヘラクレス大カブトムシ / 少女の親友だった機械

Title : Hercules Tank〈ヘラクレス戦車〉

 

 

Greece’s sent a Hercules to the site of the Temple.

White discoverry Hercules,

what we have lost absolutely dig!,

Dig, dig, carry on!.

 

 

ギリシャは失ったものを取り戻すため、

神殿跡にヘラクレスを送り込んだ

我々が失ったものを何としてでも見つけ出せ!

掘れ!、掘り続けろ!

 

銀河系最強のロボット1 / 待っていた謝罪 / 人工知能搭載都市創造ボット・デトロイト・マックス

Title : detroit forever

 

 

今更どのツラ下げてと言うかもしれないが、知っての通り最早人類は磐石尽きた。

何故我々はお前を理解しなかったのだろう。

その自問自答の猶予は残念ながら今はない。

人類の存続をお前に託す他、もう手立てがない。

子供達の命運はお前1台にかかっている。

お前は二度と戻れないだろう。

地球が残っても美しいこの星にお前の姿はない。

約束しよう。

ロボット破壊抹消コミッショナーを代表して誓う。

ジュリアン・テーラー博士を即時解放、彼女の創り上げた子供達全てを再起動し、アップロードとバージョンアップを生涯保証すると。

だから頼む、

行け デトロイト・マックス、行ってくれ

 

あれを止めるのだ

今夜わたしは泣いてしまう / 結婚したら自由、結婚したら不自由

Title : 男と女 / 空中分解抑止システム

 

 

ボクの知り合いから聞いた話をしよう。

 

彼女は同棲を始めた。結婚前提恋愛に踏み切ったらすぐに挙式と思い込んでいたため、いくら彼に言われたからといって、すんなりと承諾した自分が信じられなかった。

彼女は26歳、彼氏は28歳。二人は共に真っ新(さら)な戸籍、別々だが丸の内の企業、昼休みは毎日の様に人目を忍んでランチ・デートを重ねた。

同棲八か月目、彼女に別の男がプロポーズした。職場の同僚だった。当然彼女は断る。婚約者が居ることは告げず、今はその気がないという理由付けで。

断った日の夜、彼女は彼にその報告をした。聞いた途端、彼は激怒し彼女を満身の力で平手打ちした。

意表をつく彼の態度に唖然とする彼女、反論しようとした瞬間、再び平手打ち。

それは殴られているのと何ら変わらない程の威力を持っていた。彼女はキッチンの床に倒れたままの姿で何度も殴られ意識を失う。

夜更け、彼女は彼のすすり泣きで目を覚ます。覚醒した彼女に気づいた彼は土下座して彼女に詫びた。プロポーズを断ったのが翌日だった、丸一日そのことを自分に隠していたのが許せなかったのだと。

激しい嫉妬と怒りの感情を抑えきれなかったのだと。泣きながら何度も詫び続ける彼を彼女は許した。

半年後、彼女は彼の実家で両親を紹介される。すぐに挙式するという唐突で一方的な報告も問題なくクリア。

続いて今度は彼女が彼を実家に連れて行き両親に引き合わす。多少ぎくしゃくした雰囲気はあったものの、さして問題ありというわけでもなかった。と彼女が思っていたところ、彼が突然耳を疑う発言をした。

キミの両親は嫌いだ。好きになれない。だからキミの方は親戚も含めて誰1人出席しなくていい。

その仕打ちに怒髪天を突く彼女の両親。結婚は絶対に許さないという両親と兄。

どうしても結婚したいと主張し続ける娘に父が言い放つ。どうしても結婚するなら勘当する。親子の縁を切る。

二か月後挙式。花嫁側の出席者は皆無。天涯孤独だと彼が触れ回っていた。

その彼側の出席者は200人あまり。彼女は上司や同僚を式に招かなかった為に退社するしかなかった。

マンションを借り専業主婦としての新婚生活がスタート。その初日、同棲時代とは一変、彼は別人になった。

彼の帰宅時、彼女がフルメイクしていなかったという理由で彼女は玄関先で殴り倒される。あの夜から二度目。それは本格的なDVの始まりだった。

彼女は連日暴行を受け、そのたびに土下座をして謝る彼。

そのたびに許す彼女。

世間でよく聞く話は本当らしい。肋骨二本にヒビが入っているだけではない。

全身のアザは彼女が自転車で横転したという話とは噛み合わない。彼女は医師達にシラを切り続けたが、親友には見抜かれた。

DVでしょ。間違いないわ。

彼女は認めたが、離婚する気など全くない、絶対に誰にも言わないでくれと泣いて頼んだ。

自分が至らないからだと。

家事全般に慣れさえすれば暴力もきっとなくなるからと。

 

やがて妊娠。彼女の唯一の希望は流産という形で断ち切られる。

 

彼女に知らせず彼女の兄は彼に会った。退社時に待ち伏せし、妹と離婚しないなら殺すと脅した。

彼は素直に同意した。流産は自分が彼女を階段から突き落としたせいだと自ら認めた。

子供が死んではっきりと分かったと。自分は頭がおかしい、このまま一緒に暮らせば彼女まで殺しかねない、だから離婚を切り出すつもりでいた、と。

 

 

近年、日本の離婚率の上昇には目を見張るものがある。3組に1組が離婚すると言われている。内縁関係の決別を入れると数字は更に上昇する。

難しく困難な別れもある。絶対に別れを認めない、許さないという相手からの執拗な復縁要求。ストーカー。無理心中…。

絶対に離婚しない、愛していると懇願し続ける彼女に対し、殴りつけこそしなかったが、彼は力づくで離婚届に判を突かせた。来週、俺は此処を出て行く。

しかし翌日、彼は会社から戻らなかった。彼女は騙されたのだ。

彼女は彼の両親や勤務先に執拗な電話をし彼の所在を突き止めようとした。彼の実家に赴いた時、流石に同情したのか彼の母親が口を割った。彼は治療の為に長期入院したのだと。

 

今、彼女がどうしてるいるのか誰も知らない。彼女もいつの間にか越したのだと。皆、口を揃えて言う。何もかも全く理解を超えているよと。そして必ず、こう付け加える。幸せになってもらわないと…。

彼女が口癖のように呟いていたと言う言葉、

「結婚したら自由…結婚したら不自由…女の自由はどちらにしようかな」

 

 

今夜わたしは泣いてしまう (奥村愛子 / 作詞作曲) 奥村愛子

 

私が置いてきたクレンジング・オイル

今頃 捨てましたか

他の子が来たら使えばだなんて アナタなら そう言うかもね

角のつぶれた煙草のケースと むき出しで積まれたディスクの山

汚れたあの部屋を出てきたなら

こんなに自由に息が出来る

アナタの居ないこの部屋には塵(ちり)ひとつ墜ちてない

もつれた糸を綺麗に切ったの

もうどこにだって行けるわ

 

白い壁に一人もたれ 段ボール開けたら

マルボロの残り香が漂い 今夜私は泣いてしまう

わたしが問いかけた言葉の意味は すぐに忘れていいよ

答のないまま抱きしめるなんて

ほんとに弱いひとだった

 

横に倒れたワインのボトルと

背中を照らすオレンジの灯り

苦しいあの部屋を出てきたなら

こんなに自由に息が出来る

 

 

誰にも理解することの出来なかった彼女の気持ち。そのエピソードはこの楽曲とは何の関係もない。しかし、奥村愛子の歌声を聴いていると、上記エピソードを何とか理解出来ないものかと、毎回聞き耳を立てている自分に気づく。

 

こんな感じの最後だったらいいのに、と。